『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』7話~16話(最終回)までのあらすじと感想【配信され次第アップします】*ネタバレあり

2022年6月29日から配信の韓国ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』良いドラマですね。各エピソードで扱われる案件は問題提起があり、ヨンウが周りの人たちを巻き込みながら、真剣に取り組み成長する姿が描かれます。7話~16話(最終回)までのあらすじと感想を書きます。

*ネタバレあり


1話〜6話までは以下でまとめています。

概 要

放送局:Netflix

配信日:2022年6月29日

ジャンル:法廷ドラマ、ヒューマンドラマ

脚本:ムン・ジウォン

監督:ユ・インシク

登場人物とキャスト

ウ・ヨンウ役(パク・ウンビン)

ソウル大学法学部を主席で卒業した天才。自閉スペクトラム症を持っている。大きな法律事務所『ハンバダ』のインターンになる。

ウ・グァンホ役(チョン・ベス)

ヨンウのお父さん。ソウル大学法学部、学生時代に恋に落ち、生まれたヨンウを育てた未婚の父

イ・ジュノ役(カン・テオ)

ハンバダの訴訟チーム職員。優しく温かい性格で職務を補助し人気がある。ヨンウを多方面からサポートする。

チョン・ミョンソク役(カン・ギヨン)

ハンバダのシニア弁護士。ヨンウの上司である。

ハン・ソニョン役(ペク・ジウォン)

ハンバダの代表弁護士。ヨンウの父ガンホの大学の後輩

クォン・ミヌ役(チュ・ジョンヒョク)

ハンバダの新任弁護士。1年後、ヨンウとどちらが事務所に残れるかをかけ、彼女に対抗心を燃やす

チェ・スヨン役(ハ・ユンギョン)

ハンバダの新人弁護士。ヨンウと同じロースクールの同期。大学時代から、ヨンウの天才肌に敵わないが、いつもヨンウを助けてくれる。

トン・グラミ役(チュ・ヒョニョン)

ヨンウの唯一の友だち。高校時代、いじめられていたヨンウを救ってくれた。居酒屋のアルバイト。

テ・スミ役(ジン・ギョン)

法務法人「テサン」のパートナー弁護士

キム・ミンシク役(イム・ソンジュ)

グラミがバイトしているトルボネ酒店のオーナー

第7話 ソドク洞物語 I

キョヘン道とトンバン公社は、”幸福路”と言う高速道路の建築を推進中で、その予定地は、ソドク洞の中心を横断し、村を2分してしまう為、住民たちは猛反対。陳情書を出したり抗議の電話をかけたり、できる限りのことをして抵抗したが、受け入れられなかった。

村長と住民代表の男性が、最後の手段として、ハンバダに「決定取り消し請求訴訟」の裁判を起こしたいと相談に来た。

ハンバダは、受任するどうかを決める為、専門家に聞いたが、迂回ルートを進める意見と、直線ルートが妥当との意見に分かれた。

村長たちが再び来た時に、チョン弁護士は「よりよりルートがあると主張するのは困難で、勝訴する可能性が低い。時間と費用と労力が奪われる」と断ろうとしたが、村長たちは「ぜひ一度ソドク洞を見てほしい」と、チーム4人と職員イ・ジュノの5人を村に連れてきた。

ソドク洞はのどかな村で、村民がみんな顔見知りで、”あだ名”で呼び、助け合って暮らしている。丘の上に一本の大きな榎の木がある。祝い事があれば木の下で宴会、願い事があれば木に祈る、そんな村人たちの”ご神木”だ。”幸福路”が貫通すれば、木は切られてしまう。ヨンウたちは、丘の上に登り村を見渡した。データだけ見ればしがない村、でも簡単に壊していいような村ではない、との村長の言葉に納得した。

ハンバダは、受任することに。

公判初日、相手の弁護士事務所は”テサン”、王と呼ばれる”テ・スミ”弁護士の直々の登場。代表を辞め、現場に戻ったらしい、法務部長官の候補との噂もある人物。

ハンバダのチョン弁護士は、ソドク洞の南側か北側を迂回する3つのルートがあるのに、被告は原告の権利を過小評価し、建設による利益を過大評価したと訴えた。

これに対し、テ・スミ弁護士は、3つの代案は十分検討したと、”裁判官たちを車に乗せて代案ルートを走るアニメ動画”を見せ、ルートの危険性や不都合性を強調。そして”幸福路”の工事が遅れることの公共的損失、他の地域は土地を差し出したのに、ソドク洞だけが拒否するのは明らかな地域エゴで、すでに工事が始まっているのに中断すれば、数百億ウォンの損害と訴えた。


ヨンウは、家で、テ・スミ弁護士について、ネットや雑誌で調べていた。それを父のグァンホが見て動揺、なぜ調べている?と聞くと、担当事件の相手弁護士、弁論する姿がカッコよくて憧れたとヨンウは答えた。


工事がソドク洞でも始まってしまい、住民と大揉めに。「効力停止」を申請したが、まだ決定が出ていなかった。ハンバダが違法事由を探し出せば、裁判所は取り消しを命じる。

ヨンウが1つ見つけていた。環境影響評価は事業計画段階で行うべき、しかし、計画が立てられたのが2017年だが、評価が行われたのは2019年、そこを突くことになった。

裁判については、住民の切実な願いを愚直に伝える、情に訴える作戦になった。ヨンウは、ソドク洞の現場検証を申請してはと提案した。


ヨンウの父が、代表のハン・ソニョンに会いに来て「ヨンウを採用したのは、テ・スミの政界進出を止めて、業界トップになりたいからだな。そのため、娘を利用することを一度だけ許す」と言い、ヨンウがテ・スミの隠し子だとバラしてもいいとほのめかした。

父は、ヨンウが、ロースクールを主席で卒業し、弁護士試験でほほ満点でも、自閉症のため、どの法律事務所も採用しなかったことに絶望し、今のヨンウのチャンスをどうしても守りたいと思っていた。

ヨンウとクォン・ミヌは、代表の部屋から出てきた父に会った。ヨンウの父が、ソウル大学法学部の出身で、代表の先輩と知ったミヌ、「コネ入社なのか」とヨンウに呆れた風に言った。


次の裁判で、環境影響評価が、計画が立てられた後に行われたことを突いたが、テ・スミ弁護士は、ルートが決定したのは2019年10月だと主張し、問題ないと言った。

ヨンウの頭のコンピューターが過去のデータを弾き出し、その主張は違っていることを証明し、原告の環境影響評価が遅すぎるとの主張は妥当と判断された。

ヨンウと会ったテ・スミは、名前を聞き、見覚えがあると言い、見事な記憶力だと褒めた。


ヨンウは、父から、代表のソニョンが大学の後輩で、ヨンウを雇いたいと来たことを聞き、コネ入社?不正採用?とひどく傷ついた。

我が子が挫折するのを見たくなかったと父は言ったが、ヨンウは「ちゃんと挫折したいです、大人だから。お父さんが毎回私の人生に立ち入って挫折まで防ぐのはイヤです」と出て行った。


ミヌは、ヨンウの採用が我慢ならない。彼は、ハンバダのサイトの掲示板に”不正採用を告発します”と投稿した。

感 想

行政や大手建設会社が、大きな開発を行う時、地域住民が犠牲になることは、どこでもあることなのでしょう。

高速道路を村の真ん中に建設すること以外にも、すでに、ソウルのゴミを燃やすためにゴミ焼却場を郊外に建設して、地下鉄も建設した。一度建設されてしまったら、もう後戻りできません、、住民の必死の訴えは届くのでしょうか?

ヨンウの父と、ハンバダの代表が、先輩・後輩の仲なので、コネ入社が疑われていますが、それは「不正採用」と同意語なの?優秀な人材を雇いたいのが企業で、ヨンウは、自閉症ですが、どんな人間も及ばない記憶力があり、6話までにも、彼女は活躍し、事務所は利益を得ています。

彼女の圧倒的な”記憶力”の強みは、今回も、発揮されました。

ミヌより優秀です。ミヌは、ヨンウに敵わないから、敵意を持つのかもしれませんね。

ヨンウは、お父さんに、一生懸命自分の気持ちを言いましたね。

ヨンウさんが、可愛らしくて、このドラマがとても好きになりました。


第8話 ソドク洞物語 II

父とケンカしたヨンウは、グラミの家に泊まった。

事務所では、ミヌの掲示板への書き込みで、不正採用されたのは”ヨンウ”と誰もが噂していた。


裁判長たちの現場検証の日は、あいにくの大雨。ハンバダの弁護士たち、テサンの弁護士たち、裁判長たちが集まった。ヨンウは、裁判長の傘のロゴ(イルカ)に目が入った。

村長が、村人たちを”あだ名”で紹介しようとすると、村人は嫌がった。テ・スミ弁護士が、各世帯を訪問し『補償金に同意する』同意書に署名を得ていた。テサンは住民を分裂させるつもりで、7割の世帯が同意書に著名していた。

ご神木の榎の木がある丘に上がり、村長は”幸福路”が貫通すると村が2分されると訴えたが、裁判長は「原告も被告も、次の期日までに住民から同意書を得るように。今のルートで反対するが人が過半数に達しなければ、原告の請求を棄却する」と言った。


ハンバダも同意書を作成して、村人たちの署名を得ようとしたが、テサンでは多数のバイトを雇い、既に、各世帯を訪問し補償金の同意書への署名を集めていた。


ヨンウはバッグを丘に忘れて取りに行った。雨は上がっていた。テ・スミ弁護士が、ヨンウのバッグを預かっていた。

テ・スミは「テサンに来る?ソドク洞の無形の価値を見せたくて現場検証を申請したのよね、ハンバダは何というか純粋ね。お金の前で人の心ほど弱いものはないのに」と言い、訴訟が終われば、テサンで会いましょうと名刺を渡した。

この榎の木、すごく立派です」とヨンウ言った。二人は大きな木の下で、心地よい風に吹かれた。


ミヌから「不正採用で恥ずかしくないのか」と非難されたヨンウは、ハンバダを出ようと思った。

スーツケースを持って家を出ようとした時、父に見つかり「テサンに移る、テ・スミ弁護士に誘われた」と言った。父は「ダメだ、テ・スミは母親だ」と。驚いたヨンウは階段から落ちて、病院に運ばれた。

父は、目覚めたヨンウに話した。

大学時代にテ・スミと恋に落ちた。父は貧しい農家の出身で、テ・スミはテサン創立者の娘。ヨンウを授かったが、妊娠がわかるとテ・スミは、何も持たない父と一緒になるより、元いた世界に戻りたがった。父はテ・スミに、産んでくれたら、子供と一緒に姿を消す、司法試験も受けないし、二度と現れないと約束して、生まれたばかりのヨンウを引き取った。約束を守って、法律に関係ない仕事でヨンウを育てた。

「後悔している、約束を守ることが義理堅く、カッコいいと思ってた。父さんは弁護士になって、お前を雇い、娘に事務所を譲ることができる有能な父であるべきだった。ヨンウ、この世界はすべて政治的だ。そうとも知らず、成功できなかった代償を娘に払わせてる」と父は言った。

ヨンウは、突然ひらめいた!(閃くと、風が吹いて髪の毛がなびき、くじらが現れますね

ソドク洞の立派な榎の木が、2016年に申請した時、なぜ「天然記念物」に指定されなかったのか?政治的な理由があったのでは?と。

ヨンウは、イ・ジュノと調べに行った。

キョヘン道の文化財委員会に申請したパク・ユジンに話を聞いたが、実は申請していなかったのだ。地下鉄10号線と幸福路の建設が決まっていたのに、天然記念物に指定されたら、白紙になると言われ、偽の専門家を仕立て、村長の前で「天然記念物に値しない」と話してもらった。2つの建設で、ソドク洞の地価が上がるので良かれと思ったが、間違っていた、とパクは言った。

ヨンウは、パクの傘に、裁判長が持っていた傘と同じロゴがついているのに気づき、それが「キョンポ建設のロゴ」だと知った。


裁判で、同意書の結果報告がなされた。

テ・スミ弁護士は、ソドク洞の世帯数2513世帯のうち、キョンへ道の決定に同意する世帯数は1557世帯で過半数を超えると報告し、裁判長は「原告の請求を棄却します」と宣言。

しかし、チョン弁護士は「忌避の申し立てをします」と。

根拠は「現場検証で裁判長がさしていた傘についていた”ミナミハンドウイルカ”は、キョンポ建設のロゴであり、傘は、キョンポ建設がハムン新都市に建てるマンションのモデルハウスで配られた物。裁判長が万が一にも、そのマンションに興味をお持ちなら、裁判に不公平が生じるため」と説明した。


ヨンウはテ・スミに会いに行った。

「私が分かりませんか?」とヨンウは聞いた。怪訝な顔のテ・スミ、、。

「私は、ウ・グァンホの娘です。テサンに移りたいと思ってましたが、つい最近、テ弁護士が誰かを知りました。父から独立するために、ハンバダを出ようとしましたが、父と離れて、母親の会社には入れません。しかも、お母さんは私を捨てました。誘っていただきありがとうございます。でも私はハンバダに残り、父のそばにいます」と。

動揺して、何も言えないテ・スミ、、、

ウヨンにメールが入り「榎の木が天然記念物に指定されたそうです。幸福路の建設ルートは見直されます」とテ・スミに言った。

「私を恨んでる?」と一言、テ・スミは聞いた。ヨンウは、しばらく無言で、

「ソドク洞の丘の上で一緒に木を眺めた時、、楽しかったです。会いたいと思ってました。会えてよかったです」と言って立ち上がり、深々と礼をしてから立ち去った。

感 想

8話、よかったです、とても納得できる脚本でした。

テ・スミ弁護士はさすがで、裁判長がソドク洞を現場検証をする前に、村の世帯を回り、補償金のことを話し、味方につけていました。

また、現場検証の日は、大雨で風もきつい。同じ場所でも、良いお天気に行くのと雨の日では本当に印象が違います。この提案は裏目だったんじゃない?と視聴しながら思ってましたが、、

裁判長の傘の”ロゴ”が最後に大きな意味を持ってくるとは、、、憎いですね。

また”政治的”という言葉が何回も出てきました。

ヨンウの父は「この世は全て政治的だ」と言い切り、自分が全く政治的に生きてこなかったから、娘に苦労させていると後悔していました。

テ・スミが「ハンバダは何というか純粋ね」と言いましたが、これは”政治的”と対極の言葉ですね。甘いわね、というようなニュアンスがあって面白い言い方でした。

しかし、この純粋さ ”榎の木を立派”と思う気持ちが、ヨンウに、なぜ、あの立派な木が”天然記念物”に指定されなかったのか?という疑問を抱かせ、雨の現場検証の傘が、忌避の申し立てに結びつき、ハンバダ(ヨンウ)に勝利を呼びました。

最後、ヨンウが、テ・スミに「私が分かりませんか?」と聞いてからの二人の俳優さんの演技が素晴らしかったっです。緊張感を保ったまま、ヨンウさんの純粋さが滲み出て、テ・スミさんの動揺しながらも必死で自分を律している姿、、とてもいいシーンでした。

二人が、榎の木の丘で風に吹かれるシーンがとても効いていましたね。

8話も、ヨンウは大活躍でした!


第9話 笛吹き男

小学校の前に止まっている送迎バスに乗り込み、いつもの通り塾に行くはずの12人の小学生たち。

しかし今日の運転手は、突然笛を吹いた。

そして「このバスは、子供解放軍 総司令官の”パン・グポン(おならプー)が占領した。ムジン学園へは行かない」と言った。子供たちは、”おならプー”の名前に大爆笑!

パンは続けて「みんなは、子供解放軍に入隊できる。入隊したくない子や塾に行きたい子は降りろ」とバスのドアを開けた。

「子供解放軍って何ですか?」と一人の男子が聞いた。「任務は遊ぶこと。遊んで遊んで、また遊ぶ。入隊したくなければすぐ降りろ」と再度言ったが、誰も降りなかった。パンは、子供たちを山へ連れて行って、4時間、思いっきり遊ばせた!


パン・グポンは、”未成年者 略取誘拐の疑い”でソウル中央地方裁判所に拘束された。

ハンバダへの依頼は、母親の塾長で、被疑者は塾長の三男。息子が母の塾のバスを乗っ取ったのだ。

ヨンウは接見に行った。まず名前は本名かと聞くと「面白いでしょ。子供は笑い、大人は怒る名前で、その名らしく生きる、それが僕の革命です」と言われ、戸惑うヨンウ。

裁判長による勾留質問で、職業を「子供解放軍 総司令官です」と答えて、勾留されてしまった。


ヨンウは、イ・ジュノに告白したのに、返事がないことをグラミに相談。グラミは「優しくしてあげれば」と言い、お店のマスターに、好きな人に何をしてあげる?と聞いた。彼は、椅子を引いたり、車のドアを開けたり、一緒に歩くときは道路の内側を歩かせ、荷物も持つよ、と言った。


ヨンウとクォン・ミヌは、パン・グポンに面会に行った。

子供たちと山でしたことを聞かれて、パンは ”解放軍 入隊式”をしたと言った。

韓国の子供たちの敵は、学校と塾、そして親だ。子供たちを遊ばせない。

彼らは健康な子供、幸せな子供を恐れる。

彼らは不安がる子供、苦しむ子供、服従する子供を求める

子供解放軍の宣言

1つ 子供は今すぐ遊ぶへし

1つ 子供は今すぐ健康になるべし

1つ 子供は今すぐ幸せになるべし

子供たちが復唱した

「幸せな子供たちのためにうたう、子供たちよ」とパンが言うと、子供たちは「遊ぼう!」と大声で言って、山を走り回った。

子供たちは、ありきたりの遊びをして、どんぐりを拾って、焼き芋を食べた。

パンは、ヨンウたちに「減刑を求めてはいない、僕の望みは”子供の解放です”」と言った。

ヨンウは、ジュノとランチ。ジュノがテーブルに着こうとすると、彼のために椅子を引いてあげた。


保護者たちは、塾を相手に訴訟を起こそうとしていた。

ヨンウは、子供たちに会うことにした。保護者には腹立たしいことでも、子供にとっては楽しい思い出だと思ったのだ。

ジュノと一緒に行くことになり、二人で歩いている時、ジュノを歩道の内側に歩かせようとした。タクシーがきたのでドアを開けてあげた

夜の9時過ぎ、”塾通り”のハンバーガー店に一人の女の子がいた。こんな遅い時間に夕食を食べる小学生に驚いたが、彼女は ”ムジン”に通ってた時は10時過ぎだった『鍵クラス』だったからと。

女の子は、筆箱から”どんぐり”を出し「大切にしてる、山で拾いました」と二人に見せ、次の勉強に行った。

向かいのコンビニ、10時過ぎに、大量の子供たちが入ってきた。

コンビニの店員が「夕食の争奪戦。みんなお金持ちの子だけど、カップメンやおにぎり、ソーセージばかり。味の濃いインスタント。飲み物はカフェインが多い、コーヒーが濃いめのコーヒー牛乳を小学生が がぶ飲み。背が低くて疲れて見える子は、100%エリート高を目指す子たち。食事だけでなく睡眠も十分じゃないから、ほら」と外を見た。

外には2人の小学生がいた。手作りのどんぐりのアクセサリーをつけていた。

男の子は、3時から数学の問題を、10時までに終えられなかった、失敗したと泣いていた。

パンさんとまた遊びたいですか?ヨンウが聞くと、男の子は、ヨンウの耳元で何か言った。


12人の生徒たちの母親たちが、訴訟をするつもりで、チェ塾長を囲んでいた。親たちは「パン・グポンが堂々としている。私たちを受験に血眼になっている親だと批判している」と怒っていた。

塾長は土下座し「息子は精神を病んだ至らぬ子で、言うことも意味不明です。寛大な心で息子をお許しください」と涙を流して頭を下げた。母親たちは、訴訟を諦めた。

ヨンウは、塾長に「パンさんが精神を病み、言うことも意味不明だとは思いません。子供たちは名前を聞いただけで笑います。子供たちは”子供解放”の意味を理解しています。パンさんを理解できないのは大人だけです」と言った。

あの男の子は「毎日毎日 遊びたい。解放されたい」とヨンウの耳元で言ったのだった。


法廷:

ハンバダは、証人として精神科医を呼び、ミヌが質問していた。証人は「被告は妄想性障害があり、誇大妄想です」と答えていたが、ヨンウは何か引っかかっていた。

その時、ヨンウの髪がなびき、大きなクジラが入ってきた。

ヨンウは立ち上がり、証人に追加の質問を始めた。

「12人が通っていたムジン学院は、”鍵クラス”で有名。

生徒を終日閉じ込め勉強させるクラスで、生徒は塾が終わる夜10時まで外に出られない。

休憩や食事の時間は一切与えられず、トイレも許可性。2回以上行くと家に帰される。

”宿題を忘れた子は体罰してもいい”と言う同意書も保護者に書かせる。

そんな塾だが、保護者の間で非常に人気。

これを聞いても証人は、被告人の現実に対する認識と信念がゆがんでいると?

10~11歳の子が、毎日12時間勉強するため、食事も睡眠もよく取れない。

それでも、韓国の子供の敵は、学校と塾と親ではないと?」と聞き、証人は戸惑った。

裁判長が「弁護人が申請した証人なのに、なぜ被告人に不利な証言を促すのか?」と聞いた。

「裁判長、被告人は、社会体制に反する思想を持ち、革命を企てると言う罪を犯した思想犯です。妄想性障害だという診断は減刑には役立つでしょうが、子供の解放という思想を侮辱することに。私は被告人の思想そのものを弁護したいのです」とヨンウは言った。

裁判長は、弁護人の考えがどうれあれ、被告人に聞くことは1つ「自らの行為を反省していますか?」と聞き、パンは「いいえ、反省していません」と答えた。


チョン弁護士とヨンウが、ポン被告に面接に行くと、彼は「ウ弁護士に感謝します」と言った。

そして「最終陳述の日、子供解放軍を呼んでください。幸せな思い出をあげたかったのに、思いっきり遊んだ代償が懲役刑か、と思いそうで怖い。自分がしたことをただの一度もはじてはいない」と言った。

チョン弁護士、ヨンウたちは、母親たちに会い、自分たちの高学歴をアピールし、裁判を傍聴することが子供たちの将来に役立つと上手うまく説得した。


ジュノが書類が入った箱を持っているのを見たヨンウは、持ってあげた。

彼が「どうして、僕によくしてくれるんですか?」と聞くと、ヨンウは「私は、ただ、好きだから、よくしました」と言って、走って逃げた。


子供たちは、裁判所へ塾のバスで行くことに。

裁判の傍聴席に座った子供たち。

被告人と言われて、立ち上がったパンが話し始めた。

子を持つ大人の方々に申し上げます。子供は今、遊ぶべきです。あとではいけません。

大学に入って、就職して、結婚してからでは遅いのです。

不安だらけの人生では 幸せへ続く唯一の道はもう探せない」

と言い、子供解放軍の3つの宣言を言い始めた。

1つ 子供は今すぐ遊ぶべし、、、あの男の子が復唱した。

2つ 子供は今すぐ健康になるべし、、、子供たちみんなが復唱した

3つ、

裁判長が「被告人以外は発言できません」止めようとしている間に、パンは子供たちの心を掴み、彼らの前にやってきた。

1つ、2つ、3つ、子供たちは大きな声で復唱し、「子供たちよ」とパンが言うと、子供たちは「遊ぼう!」大声で言った。

子供たちがパンに近寄って、パンは子供たちを抱いて、注意に来た大人も抱いた、、裁判所が温かい空気に包まれた。

大きなクジラがまた入ってきて、子供たちとパンの上を泳いで、外に出て行った、、、


ジュノは、自分の気持ちに正直になって、ヨンウに会いに走った、、そして「好きです」と言った。


閉店後のヨンウの父の店に来客が、、、テ・スミだった。そんな彼女の写真を盗み撮りしている人がいた。

感 想

9話、感動でした。

韓国のドラマでは、子供への過度の教育熱や受験ががテーマになることが度々あります。”グリーン・マザーズ・クラブ”もそうでした。今回のムジン塾の鍵クラスや、夜10時にコンビニに走る小学生たち、、相当怖かったです。

ドラマに近いことが現実的に行われているのだろう、と想像します。

この作家さん、大変な覚悟で、この脚本を書いていらっしゃるのでは、と思いました。

韓国の子供たちの敵は、学校と塾、そして親だ”、何度も出てきたフレーズです。すごくないですか?韓国の親たちに、ドラマの中で、この言葉を投げかけるなんて!

子供の解放”という言葉のインパクトも相当強いです。

今年の夏『私の解放日誌』と言う素晴らしいドラマが終了しました。あのドラマは、大人の解放だったけれど、今回は”子供の解放”で、それを子供が理解しているのと言うのも衝撃でした。

ヨンウさんだからこそ、パンさんの思想が理解できた、パンさんはヨンウに理解してもらえて、嬉しかっただろうと思います。

そして、ヨンウさんが、ドラミのお店のマスターの言ったことを、1つ1つジュノさんにしてあげるところ、、本当に可愛らしくて、その心がきれいで、温かくなりました。


「グリーン・マザーズ・クラブ」と「私の解放日誌」のレビューは以下でまとめています。



第10話 手をつなぐのはまた今度

ヨンウは電車の中で、緊急逮捕の場面に遭遇し、自分が弁護士だと名乗った。

後日、スヨンと共に被疑者に面接した。

被疑者、ヤン・ジョンイルは、”障害者への準強制性交等”で起訴されている。相手の女性は、シン・ヘヨン。

ヤンは「強制性交って?ヘヨンさんと愛し合ってる。加害者と被害者なんてあり得ない」と、お互の”愛称”や独特の短縮語でのチャットをウヨンたちに見せた。

彼は”オウルリム”と言う知的障害や発達障害を持つ集まりに、ボランティアとして参加し、へヨンさんに一目ぼれした、と言った。

スヨンは「検察は、ヤンさんがシンさんの障害を利用したと見ている」と説明した。彼は、シンさんにカードを作らせ、多額のデート代を支払わせていた。

ヨンウは「ヤンさんを弁護したい。シンさんと愛し合っていると言うのを信じたい」とチョン弁護士に話して了承を得た。


公判初日、傍聴席には、へヨンと母以外に、オウルリムの人たちがたくさん見守っていた。

ヨンウは、冒頭陳述を「私は自閉スペクトラム症」と自己紹介してから始めた。

「被告人と被害者は愛し合う恋人関係で、合意の上の性行為」とヨンウが言うと傍聴席から、非難の声が上がった。

アプリチャットでのやり取りを証拠として見ると、へヨンの母は「あの男は娘を持てあそんでるのに、”恋人同士の会話”? 弁護士がその違いも分からない?」とヨンウに暴言を吐いた。


ヨンウは、ジュノの帰りを待ち、この前、逃げて帰ったことを謝った。

「デートをしてお互いを知りましょう」と、やりたい事リストを書いたファイルを見せた。ジュノは「家まで送る、を入れましょう。手をつなぐもない?」と聞いた。ヨンウは無理だと思ったが、試してみて、やはり無理だった。ジュノは「手をつなぐのはまた今度」と言って、ヨンウを送った。


公判:

精神科医が証人として呼ばれ、検察の尋問を受けていた。〔以下、医師の証言の要約〕

「シンさんは、軽度知的障害で、訓練により社会生活と就業が可能。暴行された時の状況説明は信憑生があると思われる、被害者の考えや感情も一貫している。

性行為が始まって、気分が悪くなり怖くなったが、抵抗しなかった。イヤだと言ったら、彼がすねて「愛じゃない」と言った。愛情や親密な関係を装った加害行為に、知的障害者は特に弱い。性行為を拒否したら、関係が壊れると恐れた。拒む方法を知らなかった可能性もある」

弁護側のスヨンが反対尋問で、検察の主張による暴行が行われた3月12日も、その前後も、シンさんから、被告人に、愛情表現のチャットが多数送られていることについての見解を聞いた。

〔以下、医師の証言の要約〕

「誰でも、愛し愛されたい存在。知的障害者も変わらない、むしろその思いが大きい。問題は、知的障害者の場合、相手の不純な動機を純粋な愛情と勘違いしやすいこと。そのため、シンさんに自己決定権があったとは断言できない。

自己決定権とは、自分を守る能力のこと。真剣だと思った関係が偽りと暴力だったというのは誰でも経験しえる、でも多くの人はその場合でも自分を守り失敗しないように努める。しかし障害がある場合は、被告人の悪意から自分を守ることは難しい」


シン・へヨンが、廊下でヨンウを待っていた。何か話したいようだったが、母が呼んだので、「バ学では1人でいます」とだけ言って、母のところに行った。

スヨンが来て、ヤン・ジョンイルは今回が初めてじゃなかった。去年、別の団体で障害者と交際して、彼女のカードで大金使って、聴取を受けたことがあったと言った。

ヨンウたちは、ヤンに会いに行き「二人が本当に愛し合っていないなら、弁護を降ります」と言った。


ジュノとヨンウが歩いていると、ジュノの友だち3人が通りかかった。ジュノはヨンウを紹介して「デート中」と言った。いつもの自己紹介をするヨンウに、怪訝な3人。

ヨンウは、1人が持っていたコーヒーのロゴから、へヨンの”バ学”が、”バリスタ学院”と閃めき、すぐ会いに行った。

へヨンは「愛してます。刑務所に入れないで。暴行されてない。お母さんにそう(暴行されたと)言うように言われた」と。

ヨンウが「ヤンさんは遊び人だと思う」と言うと、へヨンは「はい」と。「遊び人と分かってるのに愛してますか?」と聞くと「はい。刑務所に入れないで」とヘヨンは答えた。

ヨンウたちは「ヤンさんが刑務所に行くのはいやだと、裁判で証言してもらえますか?」と聞くと、彼女は、母に止められるかもと心配した。

ヨンウは「止められても証言できます。シンさんは成人、自分で決められる。ヤンさんは遊び人で悪い男です。でも障害者にも悪い男に恋する自由はあります。シンさんの経験が愛なのか性的暴力なのか、判断するのはシンさんですお母さんと裁判所に決めさせてはいけません」と言った。


公判。

シン・へヨンが証人台に立った。

ヨンウの質問に答え、へヨンは「ヤンさんと愛し合っている。性行為も合意の上だった」と認め、ヤンを刑務所に入れないように求めた。

次に検察の反対尋問。

「3月12日、ヤン氏と別れ帰宅すると自分の部屋に入り、右手で左手の甲を強く掻きむしったか?」と聞かれ「はい」と答えると、その写真が写された。赤くただれた左手の甲の痛々しい写真。「なぜ自傷行為を?」との質問に、へヨンは答えることができず、「お母さん、もうイヤ」と傍聴席の母の元に戻ってしまった。

廊下で、ヨンウはへヨンの母から呼び止められた。

「自閉症ですって。だから障害者の気持ちがわかる?”悪い男を愛する自由”ですって?私はこのひどい世界から娘を守ってる、だませると娘に近づき、お金や体、心まで奪う悪党から。母親の思いも知らずに何?障害者が愛する権利?分かったふりはやめてください。目障りだから、いい?」とまくし立てられ、、

ヨンウは動揺し、震えた、、。


ジュノは、先日会った友だちと飲んでいた。

しかし、ヨンウのことを「ほんとにいいのか?考えた方がいい」などと言われ、気分を害し、、、最後は殴り合いになった。


クォン・ミヌは、「ヨンウがテ・スミの娘では?」とある男(テ・スミの写真を撮っていた男)から聞いた。ミヌは、テ・スミと大学の同期の先輩を飲みに誘い、彼女のことを探っていた。


ヤンへの判決は、懲役2年、有罪となった。

裁判長が、判決文を読み上げる間、へヨンは激しく泣いた、、。


ヨンウは、ジュノを送って、彼のアパートの前まで来た。

障害があると好きというだけではダメみたい、と気を落とすヨンウに「他人に否定されても自分が愛だと言えば、愛です」答えるジュノ。

「私の愛は難しいです。それでも愛しますか?」とヨンウが聞くと「はい」とジュノ。

二人は、ぎこちなく、初めてのキスをした。


父のキンパの店に突然来た、テ・スミ。

「テサンのボストンの事務所に、2人で行って」とパンフレットを出した。

「ソニョンと組んで私を陥れようと?ヨンウが優秀だから提案している、国際弁護士として成長できる。ヨンウは自閉症でしょ。自閉症に対する認識はアメリカの方が進んでる。医師やカウンセラーもたくさんいる」と言った。

「ヨンウは俺の娘だ。今になって、偉そうに口を出すな」と怒る父。

「それは先輩でしょ。子供と姿を消すと言ったじゃない、なのに目の前に現れた、ヨンウを使って私に仕返しをするつもり?それともお金?」

父は耐えきれず「帰れ、出ていけ」と怒鳴った、、。

感 想

今回も、非常に、デリケートな案件が取り上げられていました。

そして、作家さんの覚悟を感じました。素晴らしい脚本だと思いました。

ヨンウが、バ学で、シンさんに話す言葉が響きました。しかし、現実社会は、障害者に悪い男を愛する自由はなく、シンさんの経験が愛なのか性的暴力なのか判断するのは、シンさんではなく、お母さんや裁判所のようでした、、。

ヨンウの考えは、へヨンのお母さんには、許し難い考えだったようです。母としては当然かもしれないけれど、あんな風にきつい言葉で、まくし立てなくても、、あれも暴力では?震え上がるほど怖かったです。


クォン・ミヌは、今回は、テ・スミを探りヨンウを陥れようと、ますます小物感を発揮してます。人を陥らせるんじゃなく、自分の仕事、と言ってあげたいですが。


テ・スミ、こんな風に再登場するとは。8話では、すごくカッコよかったのに。

人の人生も、自分がコントロールできると思っている人なのですね、きっと。でもできないから、今後どうなるのか、見どころです。

ヨンウには、ジュノという愛する人、強い味方ができました。二人を見てると清々しいです。


第11話 お塩君、胡椒ちゃん、しょうゆ弁護士

ある賭博場、男たち3人が宝くじを買い、1人の宝くじが1等に当選した。


ハンバダに、相談者が奥さんをおぶって来た。奥さんの靴のヒールが折れ、夫がおぶってきたらしい。

チョン弁護士とヨンウは、奥さんの世話を焼く夫を見て、仲のいい夫婦だと思った。

相談は、ギャンブル仲間2人と宝くじを買い、1人が1等に当選した。買う時に3人のうち誰が当たっても賞金は3等分すると約束したが、1等クジの男は、そんな約束はしていない、と言い出した。

奥さんは、宝くじの当選金14億ウォンが入れば、生活も安定する、どうしても必要なお金、と訴えた。親子4人の生活を、奥さんが”のり巻き”を売り支えているのだ。


ヨンウは、相談者のシン・イルスと賭博場に行った。3人の会話を聞いていた若い男に会うために。男は「お金を預かり、3個のクジを買いに行った、”誰が当たっても3等分する”と聞いた」と話した。ヨンウたちは、それを裁判所で証明してほしいと頼んだが。

裁判が始まった。原告は、当たらなかった2人、被告は、1等が当たった1人。”3等分する”と言った、言わない、で裁判は進まない。

原告側が予定していた証人の男は、違法滞在者で身元が割れることを恐れて、現れなかった。

原告の男たちは「証言してもらえる人」を探し出すと言った。

次の公判では、賭博場の女が証人として呼ばれた。彼女は、店の男が「3番テーブルのクジを買いに行く、誰かが当選したら3等分するんだって」と言って出かけたと証言した。被告人が「ウソだ、この女とシン・イルスは、そういう仲、グルなんです」とさえったが、女は”そういう仲”ではないと裁判長に言った。

ヨンウは、シンが、女に指ハートを送っているのを見た。


判決は「被告は原告たちに、14億342万ウォンずつ支給すること」。

判決を聞き泣いている妻の手を取り、シンは抱き合った喜んだが、、、。


後日、シンはヨンウにお礼に来た、奥さんの作った”のり巻き”を持って。

その時「もしも、宝くじ当選後、離婚することになったら、当選金は分けるべき?」と聞いてきた。ヨンウは「判例によると、分けない場合がほとんど。宝くじは、財産分与の対象外」と答えた。

ヨンウはランチタイムで、スヨンとジュノと一緒に。彼女は、先程のシンのことを相談したいが、守秘義務があり話せない。

それを察したスヨンは、調味料で、架空の3人を想定し、ヨンウと会話した。

ヨンウ「”お塩君” が ”しょうゆ弁護士”に、自分の特有財産が、離婚時に、財産分与の対象になるか聞いたらしい」

スヨン「胡椒ちゃんは知らない?特有財産を得たら、胡椒ちゃんに分けると言った? 証拠が必要」

ヨンウ「胡椒ちゃんに聞かないと分からない。でも、しょうゆ弁護士は助言もできない。お塩君が依頼人だったから」

ヨンウとジュノは、弁護士としてではなく「のり巻き」を買いに奥さんのお店に行くことにした。

店の近くに来ると大きな音が、、夫のシンが「俺の金だぁ」とお店の食べ物をぶちまけて大暴れして、賭博場の女と肩を組んで歩いて行った。

店に入ったヨンウたちに、奥さんは高級車のパンプレットを見せ「3億ウォンの車。夫はギャンブルをするけど、私と子供たちには優しかった。でも一瞬にして別人になった」と泣いた。

ヨンウは「人には柔軟性がないと!」と叫び、「弁護士ではなく客です。油あげののり巻きを」と言い、ジュノと席に座った。

”お塩ちゃんと胡椒ちゃんとしょうゆ弁護士”の話を大きな声で始め、夫が、財産分与なしで離婚を考えていることを奥さんに知らせた。

「当選金は全部 私に渡すと涙ながらに約束した」と奥さんは言い、ジュノは、お塩ちゃんと胡椒ちゃんに翻訳して「約束を書面に残したり録音したりは?」と聞いたが、何もない。「胡椒ちゃんに伝えて。証人を探してと」とヨンウ。


スヨンは、新しく知り合った男性と食事中。今度は、良い相手と嬉しそうであったが、男がトイレに行った時、一人の女性がスヨンの前に座った。「あなたも医者?検事?弁護士?判事?あいつは専門職キラーなの。女心を利用して金を巻き上げる」そこに男が戻ってきて、女は、5000万ウォン返せ、と男に迫った。スヨンは、店で一番高い酒を、やけ飲みしながら帰った、、。


奥さんのウンジさんが、ヨンウたちに相談に来た。

夫は、露骨に離婚を要求してきた、暴力を振るい、子供にまで手を上げる。今まで生活費を稼ぎ、家事も子育ても私1人でやってきた、財産はきっちり分与してほしいと。しかし、当選金の分配や贈与の約束をした書面も、録音も、聞いていた人もいない。

チョン弁護士は、シンさんを弁護した事件とこの件が関わるので、お受けできないと断った。

ヨンウとジュノは、”のり巻きを買いに来る”ついでに奥さんを送った。その3人を、夫シンが見つけた。例の高級車を購入していた。

店で暴れる夫を避けたいとウジンさん、3人は車に戻ろうとした。夫は逆上して、急に車を発進、そこに大型トラックが追突して、車は壊れた、、、。ヨンウは恐怖で慄き、ジュノが強く抱きしめた。


後日、ジュノがヨンウを送って帰った。

ヨンウは「ウジンさんが事務所に来た。シンさんが残した当選金11億ウォンを相続することに。シンさんが加入していた死亡保険金3億ウォンも、合わせて14億ウォン。裁判でシンさんが手にした当選金の額と同じ」と言った。

「事故があった時、抱きしめてくれてありがとうございます」とヨンウはお礼を言った。自閉症の人は、感覚過負荷の時、体を圧迫すると落ち着く。ジュノは「フランスにはそういう人のために”抱擁椅子”があるそうです。僕がなります。専用の抱擁椅子に」と。二人はキス。それをヨンウのお父さんが見た。


テサンのテ・スミに、クォン・ミヌが会いに来た。

ミヌは「テ弁護士の下で働きたい。今はハンバダにいます、ウ弁護士と」と言い、テ・スミが、大学4年時に休学し、2年後に復学、表向きは留学だが何の記録もない、休学中の1996年にヨンウが生まれたと、秘密を知っていると匂わせた。

「なんのマネ?」と問うテ・スミに「自己アピールです。他人の秘密が武器になる所で、政治的な手段を用い、勝負をかけられる環境で働きたいんです」とミヌ。

テ・スミは「秘密を握っているだけじゃダメ、能力を証明して。ウ弁護士にハンバダを辞めさせられる?それを成し遂げたら、あなたはテサンの弁護士」と。「わかりました」とミヌは答えた。

感 想

10話の主題は、「弁護士の守秘義務」と、弁護した事件の後、その事件に密接に関係する反対側の弁護はできない、と言う決まりに、ヨンウが頭を使い、柔軟に対応しようと奮闘した話だったと思います。

教訓は『いくら優しく見えても、働かず、ギャンブルをする夫とはすぐに別れなさい』 かな?

スヨンさん、専門職キラーの男に騙されそうになっていたけど、騙された女性が助けてくれてよかったです。有能で性格もいい素敵な人だから、いい人に会えるといいですね。結構、マスターが合うかもしれません。

クォン・ミヌは、テ・スミの秘密を武器に、テサンで働きたいと直談判に来た。これは面白い展開。しかし、テ・スミさん、動じないどころか、自分の弱みを握っているミヌを利用し、自分の要望を叶えようとする、そんな判断と駆け引きが一瞬でできる、、すごいですね!さて、ミヌは、能力を証明できるでしょうか?


第12話 ヨウスコウカワイルカ

「ミル生命」人事部長のムンさんが、ハンバダに弁護の依頼に来た。

会社が、ドイツ系の保険会社SB生命に買収される為、社員の大規模なリストラを担当している。

社内結婚をした者が希望退職の対象にされ、退職を勧告した次長のキムさんと、イ代理が、女性差別、不当解雇と会社を訴えたのだ。

相手側の弁護士は、”夫婦のどちらかが退職しない場合、夫が無給休職の対象になる” これが女性差別だと言っている。文面は、男性差別のように見えるが、韓国には家父長制が残っており、夫が働くべきだという偏見を無視できない。

実際、112組の夫婦のうち、98人の妻が辞めていた。不利益を被るのは夫のように見えるが、結局やめたのは妻。夫が人質も同然なので、会社に苦情が言えない。

訴えを起こしたのは結局2人だけだった。

相手の”リュ・ジェスク弁護士”は、主に女性や人権、労働に関する案件を担当している弁護士で、話題になった裁判が多い。


調停委員:原告と被告の顔合わせ

裁判所の前で、リュ・ジェスク弁護士と原告二人は、同じ服、ハチマキをして”不当解雇を糾弾する”とピケを張っていた。

担当が、”リュ・ミョンハ判事”と知ったスヨンとヨンウは、”豊山リュ氏”つながりに怯えた。

裁判長は、早速、リュ弁護士に”本貫”を聞き、同じ”豊山リュ氏”に気を良くし「父親は何代目か」と聞いた。リュ弁護士は「この裁判の本質は性差別だと思います。私が女性だからと偏見を持つ裁判長に本質を公平に見てもらえるか心配です」とズバッと言った後、「”在”は豊山リュ氏26代目”の名前、裁判長の”夏”は27代目では?私は裁判長の叔母に当たりますね」と(笑)。


法廷:

人事部長のムン氏へ、リュ弁護士の尋問。

ミル生命は、女性を尊重していると言いながら、女性社員に希望退職するように面談で説得した。

「”妻が夫のキャリアを邪魔するんですか?親も喜びませんよ、嫁が働きに出て息子が家にいるなんて。こんな時こそ内助の功です”、あなたが、女性社員に言った言葉です」と問い詰めた。

次は、ハンバダ側の証人、女性社員のチェ代理

チョン弁護士の「夫を解雇すると妻を脅すことで、女性社員の退職をうながしたと考えますか?」に、「いいえ。私たちは夫が退職。会社の方針に性差別は感じていない。重要なのは、希望退職で、給与13ヶ月分の退職金が支払われ、契約社員で働けるという話の方だった」と答えた。

次はリュ弁護士。「ご主人は病気で、大腸がんの手術を受けたましたよね? ご主人の手術を控え、1ヶ月の有給休暇を取得。会社がリストラの厳しい状況下で破格の待遇。証人がここにきたのと破格の待遇とに何か関連が?」と尋問した。


尋問が終わった後、原告のキムさんとイさんは、チェ代理に、ご主人の手術のことを尋ね、成功だったと聞き安心した。そして、チェ代理に自分が悪いと思う必要はないからと言うと、チェさんは「ごめんなさい」と涙目に、、3人で抱き合って泣いた。


原告のイさんのバッグに付いていたキーホルダーと同じ模様が描かれたタクシーを見つけたヨンウは、ジュノに追いかけてくれるように頼んだ。

タクシーには、”ヒマン女性クリニック 不妊治療専門”の広告があった。


ハンバダ事務所。

クォン・ミヌは、ヨンウの部屋に来て「ミル生命のリストラ戦略は、実はハンバダの案。昨年ミル生命に送った”意見書”に書いてある」と意見書を持ってきて、ヨンウに渡した。

ヨンウは、それを持って、チョン弁護士に意見をした。チョン氏は、依頼人が法的に問題なく目標を達成できるように意見を出しただけと言った。ヨンウは「イさんの不妊治療に触れるのはやめませんか?」と言ったが、「どちらが正しいかは弁護士が決めることではない。とにかくイさんを尋問するんだ」とチョン氏は強く言った。


日曜日。

水族館の前で、ヨンウとジュノは、イルカの帽子を被り”イルカの家は水族館じゃなく海だ”と張り紙を持ってデモを行っていた。

ヨンウは弁護士として悩んでいた。ジュノは「ハンバダで、同じ悩みを抱える弁護士を見てきた、悩み続けてやめてしまう人もいる。時間をかけて考えて、僕はいつも応援します」と励ました。


法廷:証人イさんへの尋問。

昨年、不妊治療のために、頻繁に早退し有給を使った。原告にとって希望退職は絶好の機会だったのでは?妊娠する予定だったから。厳しい状況の会社をやめて退職金をもらい治療に専念しようと思ったのでは?と、ヨンウは苦しみながら尋問した。

廊下で、ヨンウは、リュ弁護士に話しかけられた。

「あなたのことは新聞で読みました。ハンバダに入ったんですね。もっとカッコいい所で働くかと、例えは、リュ・ジェスク法律事務所とか。”ミル生命”より、勇敢な女性を味方する方がカッコいいでしょ」と。

「弁護士は、どちらの依頼人がカッコいいかは判断しません」とヨンウ。

「でも弁護士は人間でしょ。判事と検事の”事”は”仕事”、弁護士の”士”は”人”でしょ。私たちは1人の人間として、依頼人の隣に座るんです、”応援してる”と。そのためには、誰の味方につくべきかちゃんと判断しないと。自分にウソはつけないでしょ」とリュ弁護士。

二人が話しているのを見たミヌは、、、ヨンウの部屋に入り、”法律意見書”とヨンウの名刺を封筒に入れ、リュ・ジェスク弁護士の住所を封筒に貼った。


法廷。

リュ弁護士が、「ミル生命」が女性社員を解雇する目的で、人員整理の方針を綿密に立てていた証拠を提出した。

ミヌが、”よし!”とヨンウを陥れる戦略が当たったと思ったが、、、出された証拠は、人事部長ムンさんの業務用の手帳だった。

そこには、チェ常務と話した内容がメモされており、専務はムンさんに”夫が不利益を被ると言い、妻を退職させろ”指示していた。


判決が言い渡された。

判決

原告の請求を棄却する。

人員整理を行う際、夫婦のどちらかが対象者になるのは、社会的、経済的観点から容認される。どちらか1人が対象になっただけで女性社員に限定されていない。

よって憲法や労働基準法に違反し女性差別があったと見ることはできない、

判決を聞きながら、敗訴したキムさん、イさん、リュ弁護士は、手を合わせた。

一方、勝訴したムン部長の表情が暗い。チョン弁護士が尋ねると、「会社が喜ぶだけ。私は解雇されそうです。今回の不手際が表向きの理由、でも最初からこれが狙いだったかも、SB生命が望む人を就かせたいんだ。100人近い社員を解雇しておいて、無傷じゃ済まされない」と。

裁判所の外で、敗訴した女性たちを多くの女性やマスコミが囲んで、盛り上がっていた。原告の2人とリュ弁護士は、清々しい顔をしていた。


ヨンウとスヨンは、裁判の打ち上げをするとリュ弁護士に招待された。

ヨンウが「リュ弁護士は、ヨウスコウカワイルカみたいだ」と。

ヨウスコウカワイルカ”は、川に適応したイルカで、代表的なイルカ。揚子江に生息してたけど、2007年に絶滅が発表された。

そして「リュ弁護士はハンバダにはいないタイプでしょ。絶滅しないでほしい」と言った。

事務所には、数え切れないほどの、応援のメッセージがポストイットに書かれていた。それをきちんと貼り直すヨンウ。

リュ弁護士がヨンウに「これを返します」と封筒を渡した。中を見て「なぜ持ってるんですか?」と聞くと「あなたが送ったんでしょ、名刺が入ってましたよ」と言われて、??のヨンウ。リュ弁護士は、ヨンウが困ると思い、意見書を証拠に使わなかったのだ。

屋上に上がると、リュ弁護士の野菜ガーデンがあり、たくさんの食事が用意されていた。

キムさん、イさんもいて、詩を朗読しながら準備をしたと言った。

2人の朗読は終わって、次はリュ弁護士の番だった。

弁護士は、椅子の上に立ち、詩を朗読した。

朗読を聞く広い空に、ヨウスコウカワイルカ がゆったりと泳いでいくのが、ヨンウには見えた。

感 想

11話は、またとても面白く濃い内容でした。

「ミル保険」は多分大企業、しかしドイツの保険会社に買収されることになり、大規模なリストラが行われることになった。ハンバダのような大きな法律事務所は、いつも強い方、企業側の弁護で、1年も前から人事部長のムン氏から相談を受け、差別だと解らせないで、女性社員を辞めさせる方法を”意見書”として提出していた。その事実を知り、ヨンウはショックを受けたが、企業側の弁護士として、イさんに尋問した。多分、自分の心にウソをついて、、。

判決は、原告が棄却され、ミル保険・ハンバダの勝利だったが、原告側の方が清々しかった。

そして、会社のために人員整理のキツい仕事をして、裁判も乗り切った人事部長ムンさんが結局解雇される、ほんと理不尽です。ムンさんが「またハンバダが助言したのかと」と言う場面、皮肉です。

裁判長と、リュ弁護士を、”豊山リュ氏”つながりにした脚本家さんの狙いも面白かったです。家父長制が残る”男”社会であるが、年功も重んじられる文化。リュ弁護士は女性だけど、豊山リュ氏としては叔母さんにあたるので、裁判長は、敬意を示すべき立場、ここにユーモアがありました。リュ裁判長、6話にも登場されました。

リュ弁護士が、カッコよかったですね。イさんへの苦しい尋問をした後で、ヨンウに話しかける場面がよかったです。ヨンウの心に響いて、彼女のことを好きになったのでしょう、 ”ヨウスコウカワイルカ”のような人と形容したのだから。リュ弁護士は、今回だけなのかしら?また出てきてほしいです。演じているイ・ボンリョンさんはとても素敵な俳優さんですね。

今回のミヌの策略は失敗、次回はどんな手を使ってくるでしょうか?


リュ・ジェスク弁護士が朗読した詩

12話の最後、屋上で、リュ・ジェスク弁護士が朗読した詩が心に残ったので、ここに書いておきたいと思います。

いろんな言葉があるけれど

人生とは――

誰かのために喜んで練炭一枚になることだ

床が冷えてきた日から 春がやってくるまで

朝鮮八道で一番 美しいのは

練炭車が音を立てて丘を上がっていく風景なのだ

自分のすべきことが分かっているかのごとく

練炭は一度自分の体に火がつくと 

延々と燃え続ける

毎日 温かいご飯と

汁物を食べていても気づかなかった

全身全霊で人を愛すると

孤独な灰の塊になることを恐れてしまう

だから私は今まで

誰かの煉炭一枚になれなかった

考えてみれば 人生とは

自分を粉々に砕くことなのだ

雪が降り滑りやすくなったある日の早朝

私ではない誰かが 安心して歩けるよう

道を作ってあげることも知らなかった

第13話 済州島の青い夜 I

ヨンウは、大家さんのお父さん〔済州島在中〕から、「ファンジ寺を拝観しないのに、道路を通るだけで拝観料3000ウォンを徴収された、納得いかない、訴訟を起こしたい」との依頼を受けた。

ヨンウが、チョン弁護士に出張を申請をすると、彼は「訴訟チーム全員で済州島に行きましょう」と許可。友だちのグラミとバイト先ヒゲ社長もケータリング班として一緒に行くことに。

ちょっとその前に、チョン弁護士の事情

実は12話で、8年前に弁護士した殺人犯が出所して、一緒に弁護士たパートナーの弁護士が襲われ入院したことを知った。それ以来、チョン弁護士は、いつ自分が襲われるかと戦々恐々として過ごしていた。

犯人が逮捕されたと聞いたが、その時、チョン弁護士は吐血、、。病院で検査を受け、その結果を聞きに病院に行った。その日、事務所で、ヨンウから済州島への出張の話を聞き、全員で行こうと提案したのだ。

出発当日、チョン弁護士はすっかりリゾートにバケーションに行くファッションで現れた。島に着き、予約していた2台の車で移動。チョン氏は弁護士チームから離れ、ヒゲ社長のオープンカーに乗った。グラミ、ヒゲ社長、チョン弁護士は、大声で♪済州島の青い夜~♪ と歌いながらご機嫌である。

ジュノが運転する弁護士チームの車が ”ファンジ寺 発券所”と書かれた料金所に来た。進入禁止の仕切りバーがあり、車を止めさせられた。

係員が出てきて「文化財観光料をいただきます、1人3000ウォン」と。ジュノは「ファンジ寺は見ないので」と言ったが、係員は「ここを通るなら払って、合法的徴収」と言った。「観覧料は観覧者から徴収できる。観覧しないのに徴収を?」とヨンウが聞くと、彼は「ここは寺庵が3つのある大きな寺、広いから、いちいちついて行き、観覧するかどうか確かめるのは無理。政府の許可を得てここに料金所を設置している。嫌なら戻って」と言った。しかしUターンできる場所もない。スヨンがやりとりをビデオに撮っていた。係員が気づき、窓から手を入れてビデオを無理やり取ろうとしたが、ミヌが阻止した。ジュノが払いますとその場を収めた。後ろのスポーツカー組は、チョン弁護士が3人分払った。

そこからの道は、両側の木々の枝が空をおおい、緑の隙間から空と光が見えた。チョン弁護士は、車から手を広げ、風を感じた、、、頬に涙が伝わった、、。

チョン弁護士の推しの”幸福ククス”に到着したが、残念ながら閉まっていた。しばらく営業してないようだ。チョン弁護士は「残念だな、肉ククスが絶品なのに。”コクのあるスープ”、濃くて こってりしてるけど 飽きのこないスープ、濃厚で深みがあるけど豚肉の臭みが全くない、そのスープが売りなんです。大きな茹で豚を何枚も入れてくれ、肉と麺が同じくらい入っていました」と心から懐かしそうに話し、、名残惜しそうにそこを後にした。


法廷:

裁判が始まった。スヨンが撮ったビデオを流し、ヨンウは「徴収対象は観覧者だけで、原告は観覧する意思がなく実際に観覧しなかった。地方道3008号と通っただけです」と主張。

被告側の弁護士は地図を出し「地方道3008号が通る国立公園の大部分がファンジ寺の土地で、外国人観光客のために観光目的で作られた道路」と主張。続きは次回となった。


ファンジ寺の住職が、ヨンウたちを、お寺の見学に招待した。

お寺には有名な文化財がある。観音掛仏幀クェブルデン、寺で大きな儀式をする時、礼拝のためにかけられる仏画。観音菩薩が描かれた幅7.3、長さ10.8メートルの絵。

住職は、その宝物があるところにみんなを案内した。立派なお寺である。

それは”掛仏箱”という細長い箱の中で保管されていた。

「取り出すのは年に一度、お釈迦様の誕生日だけだが、10年前から損傷が憂慮されるため、とり出すことはやめている」と住職は話した。見ることができず残念がるグラミ。

見えるものが全てではありません。目に見えるものに惑わされず、その先にある本質を考えるのです」と住職は言った。


宿泊先は、キッチン付き。

ヒゲ社長とグラミはみんなのために食事を作り、弁護士チームは仕事をしていた。が、入ってきたチョン弁護士は「今日は遊ぼう」とみんなのPCを閉じ、資料を片付けさせた。

スヨンとジヌがお酒を買いに行った。二人は帰り少し寄り道を。ミヌに父から電話、心配事がありそう。心配するスヨンに「お姫様は知らなくていい」と、彼女の父親が最高裁判事に昇進したことを言った。ミヌは父親に健康の問題があり「自分は家長だからたくさん稼がなくては」と言った。

2人が戻ると、ヒゲ社長の美味しいそうな料理がたくさん並んでいた。

何の話を?と聞くスヨンに、ヨンウが「チョン弁護士が離婚された話。30歳で結婚して、8年後にフラれた」と。

チョン弁護士は「新婚旅行が済州島だったから思い出されてね。その頃の新婚旅行は海外が人気だったが、仕事のために電話が通じて、すぐにソウルに帰れる済州島にした。その時からだったと思う」と言った。新婚旅行の時から、仕事ばかり優先する夫に妻は不満と寂しさを抱え、離婚へ向かったのだと。


ヨンウは、イルカ観察のために、最高の準備をした。帽子とまぶしさ軽減シールを頬に貼り、手ぶれ補正機能付き双眼鏡、連写可能なカメラ。ジュノは優しく笑って「十分だと思いますよ」と。

二人はイルカを見に行った。ヨンウはすごく楽しみにしていたが、1頭も現れなかった。

ヨンウはジュノと一緒に彼の姉夫婦の家に行った。

ヨンウのいつもの挨拶に戸惑う姉夫婦。たくさんの海鮮やお肉のご馳走が用意されていたが、キンパはない。ヨンウは一生懸命食べて、グラミの助言に忠実に、笑顔で接したが、、。

ヨンウがトイレに行っている時に、姉がジュノに「父さんには言わないで、ヨンウさんのこと。みんなあなたの幸せを願ってる。幸せにしてくれる子を連れてきて。面倒を見る子じゃなく」と言った。ヨンウがそれを聞いていた。


法廷:

被告側の弁護士が、証人に尋問していた。「原告は地方道3008号を通っただけで、文化財は見ていないと。仏教文化財専門家としてどう思われます?」と。

証人は「寺の文化財は、面単位です。美術館の絵のような動産文化財ではなく、寺の境内にあるもの全て、自然環境まで含まれます」と答えた。

弁護側のヨンウが反対尋問のために立ち上がった時、隣のチョン弁護士が苦しそうにお腹を押さえた、そして席から立とうとして転倒した、、。

感 想

13話は、チョン弁護士の話が大きかったですね。弁護士という職業、長年のストレスは相当でしょう、知らないところで恨まれていることもあるだろうし、気が休まる時がなさそうです。

検査結果はどうだったのでしょう。それを聞いて、彼は、訴訟チーム全員で”済州島”への出張を敢行しました。チョン弁護士の語る”幸福ククス”、本当に美味しそうです。次回はヨンウが、”幸福ククス”のオーナーを探すようですが、チョン弁護士とみんなが食べられるといいですね。

裁判の焦点、お寺の拝観料の件、難しいです。お寺そのものだけでなく、自然環境もすべてが文化財というのは理解できるけれど、道を通る度に通行料がいるのは納得できない気もします。どんな決着になるのでしょう。

ヨンウは、ジュノの姉夫婦と会い、姉の言葉を聞いてしまいました。ジュノとヨンウもどうなっていくのでしょう。

ミヌは家族の問題を抱えていて、彼にも悩みがありましたね。そしてスヨンに優しかった気が、、この二人進展があるのか?ミヌをただのイヤなヤツにしないのが脚本家さんの優しさですね。

もう1つ、テ・スミ弁護士との約束、ヨンウにハンバダを辞めさせることは?ミヌの味方ではないけど、彼がどんな手を考えるのか興味あります(笑)。16話で終了ならあと3話しかないけど、、。


第14話 済州島の青い夜 II

チョン弁護士は”胃がんステージ3”だった。検査結果を聞いてすぐに、ソウルの病院での手術を予約し、手術前に訴訟チームと済州島に来たのだった。

チームのみんなは、チョン氏のために”幸福ククス” の社長を探すことにした。

ジュノが ”幸運ククス” で話を聞いた時、気にしている料理人がいた。夜、店の外でその人を待ち後をついて行くと、幸福ククスの店だった。ジュノが話しかけると事情を話してくれた。

”幸福ククス”で働いていたが、”幸運”にスカウトされた。元祖は”幸福ククス” 、しかし”幸運”が”幸福”のお客を横取りしてTVにも出て有名になり、”幸福”は衰退、師匠は店を畳むことにした。師匠は”山や水がきれいなところでのんびりする”と言っていた、と彼は話した。

チームのみんなは、”山や水がきれいなところ”について考えたが、漠然としすぎていた。


法廷:住職の証言

元々、ファンジ寺は、道路が作られることには反対だった。お寺の環境を壊し、修行の妨げにになる。木が伐採され、多くの動物や人が交通事故で命を落とす。しかし、政府が道路建設を強行し、代わり”観覧料”を取るように指示した。それで同意した。理由は、お金を取れば人が来なくなるから。文化財の損傷を防ぎ、殺傷を減らす最良の方法は人の往来を止めることだと。

ヨンウは反対尋問を行い、観覧料の収入を聞いたり、その費用が文化財の修繕や管理に使われるなら、政府からの予算と二重徴収に当たるのでは?と突いたが、本質に迫れなかった。


ヨンウは、チョン弁護士に相談するために病院に来た。病室には、チョン氏の元妻が心配して来ていた。チョン氏は、元妻を気にしながらも、的確にヨンウに助言をしていた。

外に出た元妻は、話が終わったヨンウに「彼は5年ぶりにあう私より、毎日あってる同僚と話してる方が生き生きしてる。思い出しました、別れた理由を。彼といると孤独でした」と話した。

ヨンウを心配して電話をくれた父に、「ジュノさんは、私を幸せにしてくれ、お父さんのように世話をしてくれます。問題は私です。私はジュノさんを幸せにできる人ですか?孤独にさせませんか?」と涙目で聞いた。


ヨンウは、ジュノとまたイルカを見に来たが、今日も1頭もイルカは姿を現さない。

ヨンウが突然「ジュノさんと私は付き合うべきではありません」と言った。

ジュノは驚き、理由をあれこれ考え「まさか、イルカが見られなくてがっかりして?イルカは目に見えないだけで、海の中にいます。住職も”目に見えるものが全てではない”と」と話すと、ヨンウが反応。

「裁判の重要な本質を見失っていました」と興奮して夢中で裁判の話を始めた。そして、チョン弁護士に相談に行こうと歩き出した、ショックを受けるジュノ。

「付き合えないと言って去るなんて、ひどすぎますよ」と涙目で言うと、ヨンウは困って「ごめんなさん」と深く礼をした。そして歩いて行く、距離を保って彼女を追うジュノ。

二人には、大きな波をあげて飛び出したイルカの姿は見えなかった、、。


法廷:

ヨンウは、「地方道3008号は公有財産です。原告は、行政機関が提供した公有財産を利用したにすぎません。文化財を観覧したとは認められない」と主張した。


法廷からの帰り、ジュノと気まずいヨンウは、グラミたちの車に乗った。

状況を察したスヨン、ミヌはジュノを飲みに誘った。ベロベロに酔っ払うジュノ。ミヌは、ジュノにヨンウの出生の秘密を言いそうになったが留まり、スヨンにも優しい。

宿に戻り、スヨンはミヌを呼び出し「なぜ急に親切に?」と問い詰めているうちに、二人はお互いに見つめあって、、カラオケ帰りのグラミがそんな二人を見て「ミヌにフラれた、、」とまたカラオケに戻った。


翌日、弁護士チームは、住職に会うためにファンジ寺に向かった。

”ファンジ寺 発券所”のブースは残っていたが、通行止めのバーはなく、”通行料無料”の看板が立て掛けてあった。

住職に会ったチョン弁護士は、「訴訟を通じてお寺の立場が分かった。地方道3008号の建設で被害を受けているのに、政府は見て見ぬふりをしている。観覧料という収入源を手放したのだから、お寺が自主運営できるように政府が乗り出すべき。地方自治体や公園管理団体など関係機関を集めて、自主運営のための了解覚書(MOU)を締結しませんか?」と提案すると、住職は同じことを考えていたと答えた。

チョン氏は、政府との交渉を勧め「ハンバダには政府関連チームがいる、従来の枠を超えて政府と団体の橋渡する、ファンジ寺のお力になる自信があります」と誠意を持って提案した。

住職は、お話はわかりました、後ほど連絡しますと答え、お寺の昼食に誘った。

僧侶たちは麺が好き、お昼は”麺”だった。

〔味の三変化〕その1:酸味、その2:甘み、その3:辛味

「幸福ククスと言う評判のお店があったが、そこの料理と似てます」とのチョン氏の言葉に、ヨンウがひらめいた。そして、全員で、調理師が幸福ククスの社長か確かめに行くと、、、果たして、その通りだった!!

ヨンウは「肉ククスを作って欲しいです」とお願いした。「お寺では肉ククスは作れない。店は畳んだ」という社長に、ヨンウは、

「営業を再開すれば?弁護士たちがお手伝いします」と幸運ククスの横暴で店を畳んだのなら法的に手伝いできることを話した。

社長は感謝し、幸福ククスの店舗で、”肉ククス”を作ってくれた。ヨンウはキンパ持ち込み。

チョン弁護士は本当に幸せそうに肉ククスを食べた。みんなも美味しそうに食べた。


ハンバダでは、ハン・ソニョン代表が、”テ・スミの法務長官候補の聴聞会”に合わせて、いよいよ、ヨンウを利用し、テ・スミを陥れようと画策していた。

感 想

13話と14話を通して、良い話でした。本当に上手に作ってありますね。

”道路を通っただけなのに拝観料を徴収される”ことを不服と訴えた裁判は、ヨンウが道路は”公有財産”という本質を見抜いたことで、原告の勝訴となりました。

しかしそこで終わるのではなく、ファンジ寺は、道路建設自体に反対だったこと、お寺も被害者であることに目を向け、チャン弁護士が住職にMOU締結を提案し、ハンバダがお手伝いできるというところまで話を進めたところは素晴らしいと思いました。難しい内容でしたが。

ご住職が立派な方で、俳優さんなの?本当にお寺のご住職では、と思ってしまいました。

”幸福ククス”が、ファンジ寺のお昼の麺とつながったのも、憎いですね!

チェン弁護士が主役の13話、14話でした。元奥さんとの復縁、あるといいですね。

ヨンウとジュノ、2人がイルカを観察に行った時に、話が噛み合わなくなる場面が、切なかったです。ジュノに「ひどすぎますよ」と言われた時も、自分の気持ちをうまく言葉にすることができず「ごめんなさい」としか言えない、、。その二人を遠目にイルカが跳ねる映像がまた美しかったです。

ミヌは突然いい人?済州島が彼をそうさせた?(笑)スヨンとうまくいきそうです。

最後、不穏な空気。ハン・ソニョン、たくらんでいます。大人の権力争いに、ヨンウが利用されるのか?

あと2話、どんな展開になるでしょう。


第15話 聞いてないこと、頼んでないこと 

チョン弁護士の胃がんの手術の日、ヨンウは「どうか無事に生還してください」と声援を送った。手術台に上がったチョン氏は、済州島ファンジ寺住職から教えてもらったお祈り”南無観世音菩薩”と唱えた。


ハンバダに、大手通販サイト”ラオン”を作ったぺ・インチョル氏と共同代表の二人が相談に来た。ペ氏はハナ大の卒業で、担当のチャン弁護士、クォン・ミヌは同じ大学の後輩。

ミヌが「全国民が利用する通販サイト」と”ラオン”を形容したので、ヨンウはつかさず、ラオンの利用者は、韓国の人口の80%と訂正した。

相談の内容:ラオンのDB担当者が、弟を装ったハッカーのメールを受信しオープンしてしまったため、顧客の個人情報が流出してしまった。この件で、放送通信委員会から3000億ウォンの課徴金を課された。”アイドルタイムアウト(最長接続時間制限)を設定すべきだった”と言うのが理由。

チャン弁護士は、放送通信委員会が桁を間違ったのでは?と昔の例を出して言い、放通委が勝訴した例はない、政府機関は高い弁護士を雇えないのでと言った。


ヨンウは、早速情報を集めて、チャン弁護士に報告。

  • 3000億ウォンはミスではない。10年間で70億件の個人情報が流出、企業の賞罰を強化すべきとの世論が高まっている。
  • 法は随時改正されている。現行法では、売上の3%以内の課徴金を課すことができる。

チャン弁護士はヨンウを生意気と言い「私との仕事では守べきルールは1つ。聞いてないことは言わず、頼んでないことはしない」と言った。


チョン弁護士の手術は成功。ヨンウが、同じ事件を担当する先輩が私の話を聞いてくれないと相談すると「同僚と話して議論するんだ」と助言してくれた。


法廷:

チャン弁護士は、「被害者でもあるラオンに3000億と言う巨額の課徴金を課すのは、放送通信委員会の裁量権の逸脱で乱用」と主張したが、相手側の弁護士から「違反があった場合、売上の3%以下を課徴金として課せる。ラオンの前年度の売上から9000億課すこともできたが、原告の事情を酌み遥かに少ない3000億にした」と反論。

チャン弁護士が尚も「法が改正されたにせよ、公平性にかける」と主張すると、相手が「今回の流出は4000万件、全国民の個人情報、、」と言ったのを、裁判長が「全国民の80%と言った方がいい」と訂正した。

弁護士は訂正し「流出した中には信用情報、金融取引情報も含まれる。売上の1%の課徴金に不服申し立てする姿勢が、利用者の個人情報に対する意識の低さを物語っている」と主張。

原告側、不利である。


ハンバダでは違う角度から作戦会議。

”因果関係が重要。アイドルタイムアウトが設定されていたら、流出は防げたのか?” に ”設定していても、ハッキングはされたから因果関係はない” とわかった。

しかし、今度は利用者が共同訴訟を起こし、賠償責任を請求するとの情報、扱う法律事務所は”テサン”、サイトで参加者を募集している。

請求額一人10万ウォン、4000万人が請求すれば4兆ウォンである。そんなことになれば倒産してしまうとぺ・インチョル氏。

チャン氏が「民事訴訟を通じて、司法的責任も問われている」と説明すると、ヨンウが「私法です。”司法”と”私法”ではアクセントが異なる」と主張した。チャン氏が「今、言うことか!」と大声で怒鳴った。


裁判を傍聴していた記者たちの記事がネットに上がり、原告及びハンバダの弁護を辛辣に批判していた。代表のハン・ソニョンは、チャン弁護士をキツく叱責し、第2ラウンドの共同訴訟、テサンにうちが負けるようなことがあってはならない、とプレッシャーをかけた。


ぺ氏は、裁判長もハナ大卒であることを利用できないかとチャン弁護士に相談し、接待の席を設けた。

ぺ氏、チャン弁護士、ミヌが裁判長を待っていた。ぺ氏は賄賂まで用意。後輩が困っていると聞いて来た裁判長は3人を見て「明らかに不正信託、今日は見逃すので二度としないように」とキツく言いすぐに帰った。


法廷:

チャン弁護士に代わり、スヨンが「アイドルタイムアウト未設定とハッキングに因果関係がない為、3000億の課徴金は不当」と訴えた。

これに対し被告側の弁護士は以下のように言った。

因果関係は重要ではない。ハッカーがサーバーに入り個人情報を流出させた2022年1月19日、情報通信網法が一部改正された

  • 改正前:”保護措置を講じなかったせいで個人情報が流出した場合 課徴金を課す”(因果関係が必要)
  • 改正後:”流出した場合のうち、保護措置を講じていなかった場合は課徴金を課す”(因果関係は必要なし)

ハンバダは論破されてしまった。

突然、ぺ・インチョル氏が立ち上がり「裁判長、毎日数百万人が退会し、共同訴訟の参加者は1000万人を越えた。アイドルタイムアウトを設定しなかっただけで、課徴金3000億?ラオンは顧客に尽くしてきた、ハッカーを完璧に防ぐ方法などない。悔しいです」と言い、青酸カリを服毒して倒れた。

ぺ氏は病院に運ばれ応急処置を受けたが、、。


スヨンの「ハッキングが1日早ければ、過料で済んだのに」に閃いたヨンウ、以下のように整理した。

  • 2022年1月19日に法が改正、ハッカーが個人情報を盗んだのも2022年1月19日。
  • ハッカーがメールを送ったのは、2022年1月18日午後11時14分。
  • ファイルをダウンロードしたのは2022年1月18日午後11時48分。
  • ハッキングが始まったのは、法が改正される前日だった。

ヨンウ、スヨン、ミヌの3人で、チャン弁護士に上記を話し「旧法を適用したほうが原告に有利なので、裁判長の判断次第で、、」とヨンウは続けたが、チャン弁護士は「いい加減にしろ」と怒鳴り、ヨンウを担当から外した。

納得いかないスヨンに、ミヌは「ウ弁護士は天才。勝手なことをしても、天才だから仕方ないで済む。でも僕らは違う。同じことをしたら面倒な後輩扱いをされる」と説得した。

スヨンは「そうだけど、同僚のために正しいことのために、処世術や政治は忘れてバカになれないの?なぜなら、私はそういう男が好きだから」と言った。ミヌは驚いた。


ヨンウは、家の前で待っていたジュノに会った。

「なぜ別れるんですか?」と訊くジュノ。ヨンウは「私がジュノさんを幸せにできる人なのか、”面倒を見なきゃいけない人”のようで」と。

ジュノは「僕は一緒にいるだけで幸せです」と言ったが、「私の頭は自分のことでいっぱいで、そばにいる人を孤独にさせます。私はジュノさんを好きですが、孤独を感じさせない自信がありません」と話すヨンウに、何も言えないジュノ、、。


翌日、担当を外されたヨンウは事務所に。スヨンたちは裁判所へに向かった。

法廷:

最終弁論で、チャン弁護士が「公的責任と、司法的責任を負うべき、、」と話し出しのを、裁判長が「私法です」と発音を訂正した。ヨンウと同じ指摘を裁判長がしたのだ。

チャン弁護士は何も喋れず、突っ立っていた。

その時、スヨンが起立して、ヨンウの法的根拠を話した。〔前述の黒枠の部分〕

相手の弁護士の反論に、スヨンを制してミヌが「今回は旧法を適用したほうが原告に有利です。”疑わしきは被告人の利益に”は刑事法以外にも通ずる原則です。原告の事情を酌んでください」と訴えた。


ハン・ソニョンがヨンウの父に会いにきて「ヨンウがテ・スミの隠し子だとマスコミに暴露する。社員が利用できるリゾートで、ヨンウと数ヶ月休んできて。これが二人にできる最大限の配慮」と話した。


4000万人の個人情報が漏えいしたラオンが、放通委を相手取った課徴金処分の取り消し訴訟で勝訴しました” と言うニュースを見てる男子、”ぺ・インチョル共同代表がまだ意識不明” との報道に動揺していた。兄貴という人物に電話するが出ない、、。

その部屋をノックした女性は、テ・スミだった。

感 想

今回もよくできたストリーでした。

ヨンウさんの膨大な知識と応用力、”彼女は天才”とミヌも認めましたね。

人口の80%、”司法”と”私法”のアクセントの違い、ヨンウが指摘したと同じところを裁判長も指摘するのが心地よかったです。

チャン弁護士、結局、ヨンウとスヨン、ミヌの3人に助けられました、、。

ミヌはいつの間にか、いい人になっています。スヨンが「バカになれない?私はそんな男が好きだから」と彼に言ったのは告白。ミヌもバカになり、裁判でスヨンに応えましたね、良かったです。

ヨンウとジュノ、なんとかまたうまくいってほしいです。

最後、男の子がハッカー、犯人なの?テ・スミの息子のようだけど。

ヨンウを、テ・スミの隠し子とマスコミに暴露する前に、違った解決になりそうな予感です。


第16話 風変わりだけど

息子チェ・サンヒョンは、母親のテ・スミに「僕がラオンをハッキングした」と告白したが、母は「誰にも言わないで、私が何とかする」と口止めした。

自分がしたことの影響力の大きさに怯え、ラオンと代表のぺ・インチョルへの罪悪感で、警察に自首したいと相談しているのに、母は息子のことより、法務長官の聴聞会への影響を心配していていた。サンヒョンは「ウ・ヨンウのことを知っている」と言って、母を動揺させた。


ハンバダ事務所、次は”共同訴訟”が待ち受けている。

チャン弁護士に招集されたソヌ、スヨン、そしてヨンウもチームに戻ったようだ。

そこにハン代表が入ってきて「私もラオンの訴訟に加わる」と言った。課徴金の取り下げで勝訴したので機嫌がいい。

ラオンは、ぺ代表の意識が戻らないため、キム・チャノン代表が、単独代表となっていた。


ミヌは、テ・スミと会い、”ウ弁護士にハンバダを辞めさせるなら今だ” と伝えた。自分で辞めさせる約束だったが、無理だったと認め「これからは、バカになろうかと」と言った。


ヨンウは、テ・スミの使いの男から、テサン・ボストン事務所のパンフレットが入った封筒を渡され、好条件の話を聞いた。

家に戻ったヨンウに、父が話があると言った。

ハン代表が数日前に来て、”テ・スミの聴聞会の前に、ヨンウが彼女の隠し子だとマスコミに暴露する。しばらく会社のリゾートに身を隠しておくように” と話があったと伝えた。

ボストン事務所のパンフレットを持っているヨンウに、テ・スミに従いたくないが、暴露された後では、働くのも大変だろうから、アメリカへ行くほうがいいかもしれないと言う父。

ヨンウは「テ・スミ弁護士とは何の関係もない人生だったのに、どうして急に私が隠れて、アメリカへいくべきなのか、よく分かりません」と言った。


事務所に ”ヨンウの弟” と名乗る人が来て、ヨンウは会うことにした。

誰かと尋ねると「チェ・サンヒョン、テ・スミの息子」と言った。いつもルービックキューブをしている。

会いに来た理由を尋ねると「自首したいけど どうすべきかわかりません」と言った。彼の話はこうだった。

ラオンをハッキングした。チャノンさんの頼みで。

チャノンさんは、僕が優勝したセキュリー大会で、審査員をしていた。

それから親しくなり、ラオンを案内してくれて、インチェルさんにも会った。

ある日チャノンさんに、”ラオンをハッキングして個人情報を盗めるか”と聞かれた。

彼は、”インチェルの目を覚ませたい。ラオンは二人で作ったが、インチェルはソフトウエアの開発やセキュリティに無関心。君がハッキングして個人情報を盗めば、あいつを説得する。安全対策を軽視するからやられたと。大丈夫だ、1億ウォンぐらいの罰金を払って、ホームページに謝罪文を載せればいい”と言った。

だからハッキングした。

盗んだ個人情報は、暗号化してチャノンさんに渡した。「解除しろ」と言ってきたが、無視した。売り飛ばせないように。

ヨンウは、なぜ自首しようとしたのか尋ねた。

インチョルさんが、自殺を図ったでしょ。罰金で済むと聞いたらからやったのに。インチョルさんやラオンを追い詰めるつもりはなかった。

母さんに話したら何もするなと怒られた。

警察へ行ったけど、すぐに母さんに連絡された。僕を相手にしなかった。

母さんには力がある、みんなして言いなりだ。

だから会いに来た。姉さんはみんなと違う。

母親が一緒だから、”姉さん”でしょ。

姉さんと分かったのは噂から母さんが結婚前に子供を産んだと。

母さんの様子が変だった、部屋でコソコソ何かを見てた。だからハッキングして確かめたら、姉さんについてあれこれ調べてた。

ヨンウは、私にどう助けてほしいかと聞いた。

自白した動画を撮った、これを裁判で使えないか?とUSBを出した。

ヨンウは、キム・チャノンさんは依頼人なので、ハッキングは自作自演だと明かすことはできないと説明したが、、。

母さんはどんな人?裕福な家の人は、罰せられないと思われている。でも母さんは違った。ちゃんと叱ってくれたんだ。だけどいざ大ごとになったら、母さんも同じだ。ニュースで見る金持ちみたい、同じことをしている。


ヨンウは、入院中のチョン弁護士にまた相談に来た。

「依頼人の犯罪行為を知った。犯罪に関与したある人は自首を望んでいるが、手助けをすれば、依頼人の利益に反する」とヨンウ。

「真実を明らかにして社会正義を実現するか、依頼人の利益を優先すべきか、避けられないジレンマだ。私はいつも依頼人の利益を優先させてきた。でも君は私とは全く別人、アドバイスできないよ。ただ、君の決断が知りたい、だってウ弁護士は、普通の弁護士じゃないから」

チョン弁護士は優しくヨンウに言った。


”チェ・サンヒョンの自首動画”を、ハンバダの弁護士たちが見た。

チャン弁護士とミヌは、この動画は、依頼人キム・チャノン及びハンバダに多大な不利益をもたらすと言い、ヨンウとスヨンは、真実を隠蔽してはならない、と意見が2つに分かれた。

ハン代表は別のことを考えていた。「これには力がある、不適任者が長官になるのを防げるわ。4000万人もの個人情報を盗んだ者の母親が法務長官になれるわけない」と。

問題は、依頼人の利益を守りつつ、真実を明かすには、、、

その時、またヨンウは閃いた!

キム・チャノン本人” と ”その人が代表であるラオン” は別の個体。私たちはラオンの代理であり、キム・チャノンではない。ラオンの利益と事件の真実はぶつからない。

サンヒョン君は個人情報をキムさんに渡したが、暗号されていたため誰にも悪用されていない。個人情報流出により被害は起きていない。

ハン代表は、記者に電話して、ヨンウがテ・スミの隠し子という暴露記事を止めた。


法廷:

被告代理人が申請した動画は、未成年であるため、傍聴人を退席させてから再生された。

そして、ラオンの理事会が、キム・チャノンを解任した決議書が届いた。

裁判長は、動画の証拠能力は認めない。被告代理人が本人に証言の意思があるか確認し、証人として申請するなら受け入れる、と言った。


ハンバダ事務所:

チェ・サンヒョンからヨンウへ、”姉さん、証言はできません。アメリカに行くため空港にいます” とテキストが届いた。

ハン代表は「動画を公開して世論に訴えよう、警察も動き、息子も韓国に呼び戻されるはず。テ・スミの聴聞会がすぐに開かれる、動画を流すなら今」と言ったが、ヨンウは

「それはダメです。動画をマスコミに渡せば、サンヒョン君は自白する機会を奪われます。自分の過ちを明らかにしたいと私を訪ねて来ました。そんな子を国外逃亡して捕まった金持ちの子に仕立てることはできません」と必死で訴えた。

「私が説得します、テ・スミ弁護士を。サンヒョン君を法廷で証言させてほしいとお願いします」と言うと、代表は許可した。

ジュノが、国会まで一緒に行ってくれることになった。


ジュノは車から、テ・スミの”キム秘書”に「緊急なんです。ウ・ヨンウ弁護士から話があると伝えてください」と電話をかけた。

国会の前に着き、キム秘書からの連絡を待つ二人。

ジュノは「僕も勇気を出して話そうと決心したんです。ウ弁護士への僕の気持ちは、猫に片思いしてる飼い主と似てます。猫は時々飼い主を悲しませるけど、同じくらい幸せにしてくれる」と、これまでヨンウと過ごした時間を話し「僕は幸せです。だから別れるのはやめましょう」と。

キム秘書から「国会の5番ゲートへ」と電話があった。車を回した。ヨンウは車を降りる前に

「”猫に片思い”という表現は不適切です。猫も飼い主を愛してます。だから別れるのはやめましょ」と言って車を降りた。


テ・スミと会ったヨンウ。

ハンバダはつらいんじゃない?と聞かれたヨンウは、

「迷子のイッカクが、シロイルカの群れに交わり一緒に暮らすドキュメンタリーを見ましたが、私はそのイッカクにそっくりです。慣れない海で慣れないシロイルカと暮らしています。

私はみんなと違うからなかなか溶け込めないし嫌われることも多いです。それでも平気です。

これが私の人生だから。私の人生はおかしくて風変わりだけど 価値があって美しいです

時間だと立ち上がったテ・スミに

「サンヒョン君に過ちを証言させてあげてください。ラオンをハッキングして個人情報を盗んだことです。サヒョン君は、テ・スミ弁護士をいい母親だと信じています。子供が過ちを犯したらきちんと叱ってくれて、罰を受けさせてくれると。自分の利益のために、お母さんは良い人だと信じる息子を、裏切らないでください。私には良い母親じゃなかったけど、サヒョン君にとってはいいお母さんになってください」と一生懸命話した。

テ・スミは何も言わず、聴聞委員会に出席した。


法廷:

チェ・サンヒョンが証人として呼ばれた。

被告代理人の尋問は、ヨンウである。テ・スミが入ってきて傍聴席に座った。

ヨンウは、過不足のない適切な尋問をし、サンヒョンは、ヨンウの尋問に正直に誠実に答えた。

裁判所の外では、テ・スミが記者に囲まれていた。

これまでの経緯と、長官への立候補を辞退したことを話し、国民に謝罪した。

遠くから車で見ていたハンバダのハン代表は、今回は大目に見るわ、とその場を去った。


ヒゲ社長の店でテレビニュースを見ているヨンウとハンバダの弁護士たち。

『ラオンの元代表、キム・チャノンが、ハッキングさせたことを認め、警察は、暗号化された個人情報を押収し、第三者への流出がないことも明らかにした。

裁判所は個人情報が警察に押収されたことで、ラオン利用者の精神的損害は認められないと判断、原告の請求を棄却した』

ハンバダの勝訴、みんなで乾杯した。

そこに、退院したチョン弁護士が、元奥さんと一緒に来た。この二人は復縁しそうである。

チョン弁護士のために、あわび粥が作られていた。

弁護士は、三人の新人たちの成長を喜んだ。


ヨンウは、今まで知らなかった”新しい感情”の朝を迎えた。

父に「今日から私は法律事務所ハンバダの正規の弁護士です」と誇らしく言った。

父は心から喜んだ。

事務所の回転ドアの前で、、、一人で入ることができた!

そこにジュノが来た。

”達成感”、ヨンウは「私が今朝抱いた感情は、”達成感”です」と満面の笑顔でジュノに言った。

感 想

良い最終回でしたね!

ヨンウの”弟”、高校1年生のチェ・サンヒョン君、すごく良い子だった。部屋にたくさんのメダルがあり、頭もよく、そして性格も素直で真っ直ぐの子でしたね。

大人が彼のコンピューターの能力を利用したわけで、彼の罪は重くないことを願います。

たくさんのいい場面、いいセリフがありました。

  • ミヌがテ・サンに「これからはバカになろうかと」と話す場面
  • サンヒョン君が、ヨンウに会いに来て、素直に話す場面
  • ヨンウが、入院中のチョン弁護士に相談する場面
  • ヨンウが、サンヒョン君の自首動画をマスコミに流すという代表を止め、テ・スミを説得するという場面
  • ジュノが車の中でヨンウに勇気を持って話す場面
  • テ・スミに会いに行き、ヨンウが、自分の人生は価値があり美しいと言い、サンヒョン君のいい母親になってくださいと言う場面

書き出すと、ほとんどがいい場面でした。

ヨンウが、テ・スミの隠し子だとマスコミに暴露されませんでした。悪人が出てこないドラマでしたね。

それぞれのエピソードが、上手く作られていました。法律や法廷用語も、脚本家さんはすごいです。

それぞれの俳優さんの演技も素晴らしかったですね。良いドラマをありがとうございました。

最後までお読みいただきありがとうございました。


Drama
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