2022年6月18日から配信の韓国ドラマ『還魂』。架空の”デホ国”を舞台に繰り広げられるファンタジー時代劇。物語の初めに行われる”還魂術”、これが物語の発端のようです。素晴らしい映像と共にどんなファンタジードラマが展開していくのか、ワクワクします!
*ネタバレあり
ドラマ独特の”用語”を以下で解説しています。鑑賞のガイドになれば幸いです。アップデートしました!
登場人物( )はキャスト
【チャン氏】
チャン・ウク(イ・ジェウク):チャン家のお坊ちゃん
チャン・ガン(チュ・サンウク):チャン・ウクの父、チョンブ館の館主
キム・ドジュ(オ・ナラ):チャン家の執事
トファ:チャン・ウクの母(ウクを出産した後、亡くなる)
ムドク(チョン・ソミン):チャン・ウクの世話係・師匠
ナスク(コ・ユンジュン):刺客、還魂術で、ムドクの中に還魂した
【パク氏】
パク・ジン(ユ・ジュンサン):パク家が率いる”松林(ソンニム)”の総帥
パク・ダング(ユ・インス):パク・ジンの甥。松林(ソンニム)の後継者
【ソ氏】
ソ・ユル(ファン・ミンヒョン):ソ家の貴公子
【チン氏】
チン・ホギョン(パク・ウネ):チン家の首長、鎮妖院の院長
チン・ウタク(チュ・ソクテ):チン・ホギョンの夫
チン・チョヨン(アリン):チン家の末娘
【セジュク院】
ホ・ヨム院長:デホ国の最高医療機関、セジュク院の院長
【宮 殿】
コ・ウォン(シン・スンホ):テホ国の世子
コ・スン:デホ国王。コ・ソンの弟。跡継ぎのない兄を継いで国王になった
コ・ソン:デホ国の先王。亡くなる前に、チャン・ガンに隠密の要求をした
チン・ム(チェ・ジェユン):チョンブ館の副館主、チン・ホギョンの義理弟
第1話 あらすじ
チャン・ガンは、コ・ソン王に呼ばれた。王は病で余命が長くない。王は「世継ぎがないのが心残りだ」と、チャン・ガンだけが使える特別な術 ”還魂術”を使って、7日間だけ魂を入れ替えたいと頼んだ。断ることができず、、、
チャン・ガンが目覚めた時、自分の体がコ王であることに愕然とした。その頃、チャン・ガンの体に入ったコ・ソン王の魂が、愛する妻、トファを抱いていた。コ王(チャン・ガン)は吐血した。
ーー20年後ーー
何者かに送られた刺客、ナクスは、”松林(ソンニム)”の総帥、パク・ジンの命をとるために彼が率いる軍勢と戦っていた。
ナスクは善戦したが、パク・ジンの刀で、瀕死の重傷を負った。彼女は、最後の力を振り絞って逃れ、村の居酒屋で、’還魂術’ を使い、自分の魂を一人の女に入れた。しかしなぜか、避けたはずの目が見えない女”ムドク”に魂が入った。
パク・ジンたちは、居酒屋でナクスの死体を見つけた。左胸の上には、”還魂”の証しの”丸い青いあざ”が残っていた。しかし還魂された人物がいない。
パクたちは、ナクスの遺体を松林の”精進閣”に移した。還魂された人物がいれば、彼女の剣を取りに来るはずだと。
「”還魂術”が行われたのなら、20年ぶりのこと」と、既に噂が広まっていた。
ソ・ユルは、ナクスの遺体を見るために呼ばれた。彼は衣服に、”鳥の笛”が付いていることに気づき、取り上げた。それは彼が作り、幼い時にある少女にあげた笛だった。
チャン・ウクは、パク・ジンの命令で、山で修行を受けていたが、何一つ術を教えてもらうことができない。それに不満を持ち、自分から師匠を破門し、町に戻り”チソル楼”に行った。
ムドクは、目が見えず、身体も弱かった。彼女は村から”チソル楼”(妓楼)に売られて行くところだった。ナクスの魂が入ってから、なぜか目が見えるようになった。しかし、体は弱いままである。目が見えることは誰にも内緒にしていた。
チソル楼の主人が「ここには高貴な方々が来られる。天下四季の若様方も」と話した。
- 春の生気のようなチン家の令嬢、チン・チョヨン
- 夏の活気あふれるパク家の後継者、パク・ダング
- 黄金の秋のように高潔なソ家の天才、ソ・ユル
- 冬の雪のようにまぶしく輝くチャン家のチャン・ウク
チン氏、パク氏、ソ氏、チャン氏、四大術士の家系である。
部屋に案内されたムドクは、金目の物を盗み出そうとしたが、目が見えることがバレて逃げた。
1つの部屋に迷い込んだ。そこにチャン・ウクが居た。ムドクは、咄嗟に術を使って、カニの足を彼の喉元に突きつけた。チャン・ウクは「目がきれいだ」と彼女に言った。
ウクは、逃げるなら資金が必要だろうと、腰につけていた”蒼い玉石”をムドクに投げた。キャッチできず、窓から後ろ向きに落ちた、、どんくさいムドクである。
ムドクは、町でソ・ユルを見かけた。ナクスの魂が彼を覚えていた、”鳥の笛”をくれたことを。
彼女は、ウクがくれた”蒼い石”をお金に変えようと鑑定してもらっていたが、追ってが来て捕まった。チャン家の宝石を盗んだとして、、、。
目覚めたのは、チャン・ガン氏の屋敷だった。
執事のキム・ドジュが着替えを持ってきた。「チャン・ウク坊ちゃんが、お前を妓楼から買った。今日から坊ちゃんのお世話をするように」と言った。
ムドクは、チャン・ウクの身の回りのお世話を次々と言いつけられた。
チャン・ウクは、松林で術を学ぶことができない。父が気門を塞ぎ、家を出て行ったのだ。パク・ジン総帥に気門を開けてくださいとお願いしたが「お前の父にそむく術師はこの国にはいない。一生術が使えない、それがお前の父が決めたお前の運命だ」と彼は言った。その時から、ウクは”気門を開き、術を教えてくれる師匠を探し出す”と誓っていた。
ムドクは、チャン・ウクに着替えを出した時、松林の結界を解くための令牌(ヨンペ)を見た。
彼が眠った後、令牌を見つけたムドクは、結界を解き、”松林”の中に入って行った。ナクスの剣を取り戻し、術を使えるようにするために。
何者かが、松林に侵入して、”訓練館”に火を放った。”精進閣”にいたパク・ダング、ソ・ユルは、外に出て、侵入者たちと激しく戦った。敵は退散し、訓練館の火事は総帥パク・ジンが術を使い消したが。
精進閣から、ナクスの死体と剣が消えていた。
隠れていたムドク(ナクス)は、”タンジュの手先か?私の死体を取り戻しに来た”と確信した。彼女は、ソ・ユルに見つかりそうになり逃げた。その時、チャン・ウクが彼女の手を掴み匿った。
「その目だ。一目で気づいた。俺の師匠」ウクは、ムドクに言った。
感 想
いやぁ~、めっちゃ面白いじゃないですか!!
- まず映像! チャン・ガンと王が、還魂術で魂が入れ替わる映像、刺客ナクスと”松林”の総帥パク・ジンが戦う場面(下は氷?)の映像とスピード感、、、圧倒されました。
- それから、言葉の面白さ、独特の単語や命名:「還魂術」「左胸の青いあざ」「松林(ソンニム)」「精進閣」「気門を塞ぐ」(どういう意味?)「松林の結界を解く令牌(ヨンペ)」
- 四大術士:チン氏、パク氏、ソ氏、チャン氏と4人の”天下四季”の若様も紹介されました。
- 主人公の2人:チャン・ウク役のイ・ジェウクさんと、ムドク役のチョン・ソミンさんの相性も良さそう。緊張と緩和、二人のコメディシーンも楽しいです!
物語の始まりは、チャン・ガンと王が、還魂術で魂が入れ替ったこと。
チャン・ウクの出生の秘密。父、肉体はチャン・ガンだが、魂は、コ・ソン王、複雑です。その父は「気門を塞いで」家を出たままで、その為、ウクは、”術”を学ぶことができない。父に背くことができる術師はこの国にいない、と総帥ですら言う。
この意味は、現時点では分かりませんが、だんだんとわかってくるのでしょう。
いずれにせよ、チャン・ウクは、師匠を見つけたようです。
どんな物語が展開されるのか、すごーく楽しみです!
第2話 あらすじ
20年前、チャン・ウクの出産と同時に、母のトファは亡くなった。チャン・ガンは、先王の「トファを摘みに行く。実れば余のものだと思え」を思い出し、生まれたばかりの男の子に術を掛け、気門を塞いだ。その狂気の沙汰に、パク・ジンが赤ん坊を救い上げ、「なぜ我が子にこんなことを?」と問うたが、「我が子?」とチャン・ガンは怒りと共に去った。
チャン・ウクは、ムドクの正体が”ナクス”であると見抜いていた。「瞳の中に”還魂人の青い花の痕がある」と言った。
パク・ジン総帥は、松林(ソンニム)の中に、ナクス一味の諜者がいることを突き止め、全員が、”訓練館”に集められた。
還魂人を見つける為に、チャン家の末娘のチョンヨンが、家宝”鬼狗”を持って現れ、術をかけた。還魂術の欠点、魂と体の隙間から邪術の悪気が漏れるのを、鬼狗が嗅ぎつけるのである。
ウクとムドクは緊張した。陶器から煙と共に出て来た鬼狗が唸り、目から火を吹いて向かってきたのだ。しかし、狗は別の還魂人を追った。逃げる還魂人をソ・ユンが始末した。
ムドクは、タンジュを探して一人で歩いていた。ウクが彼女を見つけた時、鬼狗の気配がした、、狗はムドクを追ってきた。ウクは、ムドクに逃げるように言い、訓練館に戻り、”陶器の鬼狗”を地面に叩きつけて壊した。ムドクを追っていた狗は煙と共に消えた。
大きな音に驚き、パク総帥、チョンヨンたちが戻ってきた。ウクは「手が滑った。術を教わっていたら壊さなかったのに」と悪びれない。総帥は、密室の入り口を壊したのもウクだと聞き、ウクを外の広間に座らせ、「そこから一歩も動くな」と命令した。
ムドクが「お茶は許された」とウクの前に出し「今まで常に命を狙われてきた。私を守ってくれたのは、お前が初めてだった」と言い、ウクの元から去った。
翌朝、執事のキム・ドジュがウクを迎えに来た。
ウクは、ムドクが「剣が必要、還魂して弱くなった。お前の気門は剣気で開くしかない」と言ったことを思い出していた。
ナクスの死体を盗むように指示したのは、天附官の館主、チン・ムだった。彼は口封じのため部下たちを皆殺しにし、その屍を「ナクス一味を捕らえた」と宮廷に運び込んだ。
パク総帥、セジュク院のホ院長、ジニョ院のチン・ホギョンが宮廷に呼ばれた。
コ国王は「天附官のチン・ムが、松林が逃した刺客どもを捕らえた。チン・ムを官主にしては?」と提案した。
しかし、セジュク院長は「官主は”チャン・ガン”。先王が、法衣と宝剣を授けた官主。息子ウクもいる」と反対し、チン・ホギョンも「チン・ムが皆殺しにしたため、還魂術士を逃した」とチンのやり方に抗議した。総帥は、別の褒美を与えるように提言した。
何が望みか?と王から聞かれたチン・ムは「ナクスの死体は火でもやし、ナクスの剣は、天附官が保管する」と述べ、許可された。
ムドクは、”チソル楼”に行き、ウソの理由をつけ、’爆竹’を用意してもらった。”松林の結界を解く令牌”を見せ、売りたいと言った。楼の当主は、売れる場所を紹介すると言った。それを扉の隙間から一人の娼妓が見ていた。
ムドクは、タンジュの正体を知らない。ナクスの死体が置かれていた”タニャン谷”から狼煙をあげ、タンジュ一味に連絡した。タンジュ(チン・ム)の部下が、タニャン谷に行き、”令牌”の絵と、これを売る店で会おう、と書いた紙を見つけた。
当日ムドクが令牌を取りにチソル楼に行くと「盗まれた」と。ムドクと当主が店に行くと、2階で商談中、、その時、女の悲鳴が聞こえた。令牌を盗んだ女は殺された、ムドクの代わりに。
チャン・ウクは、ナクスの剣が天附官に保管されていると聞き、「ナクスの剣をください。官主であるチャン家が保管すべきだ」と受け取って戻った。
ナクスの死体が、天附官の前で焼かれた。ムドクは自分の死体が焼かれているの見、ダンジュ(チン・ム)の顔を見た。
ウクがムドクを見つけて、取り戻した”剣”を渡したが、彼女は剣を抜くことさえできなかった。
絶望したムドクは、還魂人たちが捨てられる断崖から湖に飛び込んだ、、、湖の底では、水の力によって、剣を抜くことができたのだった。
ウクは、抜いた剣を持っているムドクを海岸で見つけたが、彼女は倒れてしまった。ウクは、セジュク院に連れていき、手当を受けさせた。
目覚めたムドク、再び剣を抜こうとしたが、、抜けない。
「強い水の気を持った者が私の力を押し上げてくれればいい」とムドクは言った。
ウクがムドクの入れたお茶を飲んだ。ムドクは「私の敬天太湖になれ。命を差し出せ」と言うと、ウクの手が震え茶椀を落とした。ムドクが毒草を入れたのだ。ウクの顔は見る間に赤く腫れ上がり、苦しそうに喉を抑えた。「お前に全てを懸けた。生きて戻れば師匠になってやろう」と彼女は言った。
ホ・ヨム院長とパク総帥が、血相を変えて来た。「服毒した。6時間後に心臓は止まる。解毒剤を作る時間はない。助ける方法はただ一つ、気門を開け毒気を抜くのです」とムドクは二人に言った。
パク総帥は、毒の種類を吐かせるために、ムドクを拷問にかけた。
ウクは苦しんでいた。キム・ドジュが、ホ院長に「気門をお開けに」と懇願し、院長は術を使って気門を開けた、、。
ウクは目覚めた。吊るされていたムドクの綱を外した。「生きて戻ったか、我が弟子よ」ムドクは言い、ウクの体に倒れ込んだ、、、。
感 想
チャン・ガンと先王との還魂は、7日間だけで終わり、チャン・ガンの体に彼の魂も戻ってきていたようです。しかし、生まれた子供は、先王の魂が宿っていた時の子供のようで。
母は出産と同時に亡くなり、父からは生まれた日に気門を塞がれ、、、チャン・ウクは過酷な人生を歩んできたようです。
還魂の青い印が、ムドクの目の中の青い痕、と言うのは、なかなか素敵だなと思いました。
ナクスを刺客にして、パク総帥の命を狙った黒幕は、チン・ム、すごくあっさりわかりましたね。ウクは、ナクスの剣を、あっさり受け取ることができました。
ウクが、毒をもられて、顔が赤くなり腫れ上がっていくのがすごーーくリアルでした。
ただ、最後の場面の意味が分かりません。ウクが、死の淵から戻ってきたら、ムドク(ナクス)は、力を取り戻すことができると言うことなの?
ウクの気門は開かれました。チャン・ガンは多分戻ってくるでしょう。その時に、どんなことが起きるのでしょうか?
第3話 あらすじ
ホ・ヨム院長に気門を開けてもらい命を取り留めたチャン・ウクは、拷問で瀕死のムドクを連れて、ウク総帥の前に現れた。ウクは、総帥に騒動を陳謝し、ムドクをセジュク院で治療を受けさせたいとお願いした。総帥は「顔も見たくない、勝手にしろ」と去った。
総帥は、ホ・ヨム院長に「気門は開けずに解毒すべきだった」と言ったが、院長は「パクは死を覚悟していた。10年分の気を抜いたので疲れている」と。総帥は、院長が、10年分の”真気”まで授けたと知り「回復したらすぐに回収してください」とお願いした。
ウクが、ムドクの看病をした。彼女の瞳の中の”還魂の青い痕”を誰にも知られてはいけないから。彼は自分の気門を開くために、ムドクが命を懸けたことを感謝し「生きて戻ってきた、師匠になってください」とお願いした。
ムドクは、2つの条件を与えた。
- 二人の師弟関係を口外しないこと。お前は主人で、私は侍女のムドク。
- この師弟関係は、お前が術士の道を極め、私の力が戻ったら終わる。
チン・ムは、部下に「ナクスの魂が入った妓生に青い痕を確認したか?」と聞いた。部下は「確認しました」とウソをついた。(ムドクが預けた令牌を盗み、売ろうとして、ムドクの代わりに殺された女である)
チン・ムは、以前のナクスなら簡単に殺されなかったはず、還魂して力を失ったのだろう、と言い、過去の自分におとづれた幸運を回想した。
チン・ムは、病床の先王に呼ばれたが、王は、還魂したチャン・ガンだった。チン・ムはチャンの弟子だった。チャン・ガンは、王の体が弱すぎて、元の体を取り戻す力が使えない。彼は、チョンブ官の密室にある追魂香(チュホニャン)を持って来させて、チン・ムに還魂術を伝授したのだった。
キム・ドジュとパク総帥が話していた。
「ホ先生のお陰で、気門が開き薬の巡りも良くなった」とドジュは言い、ウクを助けなかった総帥を非難した。総帥は「気門を開けず助けるべきだった」と主張した。
二人はお互いに、”(総帥は)トファに思いを寄せていた” ”(ドジュは)チャン・ガンに想いを寄せていた”と言い出し、小競り合いになったが、、お互いの若い時の辛い恋に思いを馳せ、慰め合った。
総帥は「私もウクのことを思っているが、気門が開いたことで、あの子を守る結界が壊れた気がして不安だ。今後あの子の意志をくじき、道を阻むことになるかもしれないが、あまり私を憎まず見守ってください」と心の内を話した。
ムドクは、ホ院長がウクに ”10年分の真気を与えた”ことを知った。
驚いたムドクは、急いでウクのところに行き、お腹に手を置き、確認した。
ウクは、最高の術師から、10年分の真気をもらった。しかし、体が回復したら回収するつもりだろう。真気を巡らせなければいつでも奪われる。巡らせるためには、適切な呼吸法が必須。呼吸で身水源の真気を巡らすのだ。持ち主と同じ呼吸法を使わなければならない。基本的な呼吸法は代々受け継いていく。ホ・ヨムはソ家の者、つまりソ・ユルと同じはず、と二人は思った。
ウクとムドクは、ユルの様子を見に行った。2人に会ったダングは、「ムドクがユルに片想い」と聞き、ユルの手伝いをすればいいと連れて行った。
ホ院長がウクを呼んでいた。ウクは、ホ院長が ”真気を回収” するつもりだと分かり、院長の大好きな高級なお酒を何本も用意した。すっかり、上機嫌で酔い潰れたホ院長を、ウクは背負って家まで送った。背負っている時に、ホ・ヨルの呼吸法が分かった。
ムドクは、ユルから、呼吸法を得ようとしたが難しい。しかし、彼の持っている”鳥の笛”に気づき、それを取って笛を吹いた。ユルはその音色に少女のナクスを思い出した。ムドクは、笛を返す代わりに呼吸法を教えてください、と頼んだ。ユルは彼女の手を取り自分のお腹に当てた。ウクは、見つめ合う2人を見た。
ユルが行った後でムドクに「呼吸法がわかった」と言った。ムドクが、ウクのお腹に手を置くと、真気が巡っていた。ウクは「この距離は俺だけ、目の中の痕がバレるぞ」と言った。
チン・ムの屋敷の庭で、デホ国の世子、コ・ウォンが、チン部下たちを相手に、見事な剣さばきを見せていた。
チンは「流水を極められたようですね。その域に達した同世代の者はソ・ユルぐらいかと」と言い、「ウクが気門が開いたので、術を使える。官主の子なので侮れない。先日、ナクスの剣を取りに来た。官主の座はチャン家、拒めません」と言い、「私を見下しています。官主の弟子でしたが、正式な弟子とは言えませんでした。チン家を追い出された私を、下男にしたのですから」と。
「世子の師匠に失礼な、私への冒とくだ。近いうちに、チャン・ウクの鼻柱を折ってやる」と世子は憤った。
パク総帥は、チャン・ガンの剣を出し、難しい顔をしていた。弟子が来た。
「ウクに、この剣を抜いたら、松林に入れると約束した。ウクを連れて来てくれ」と言った。総帥は、チャン・ガンが話したウクの出生について思い出していた。
「この子の父親は誰なんだ」とパク総帥は、チャン・ガンに聞いた。
「先王だ。その子は王の息子だ。この子が生まれた日、帝王星が空に昇った。既に先王の弟君が王となり、世継ぎの世子もいる。帝王星の下に生まれた子の存在は、今の王室において謀反(むほん)だ。存在するだけで混沌を招く。誰にも注目されず誰とも争わない、平凡な人間にせねばならぬ」
ウクが、総帥の前に来て、「松林に騒ぎをもたらして申し訳ありません」と謝った。
「私、チャン・ウクを受け入れてくださるなら、修行に精進いたします。覚悟の証として、副官主から取り戻したナクスの剣を松林に預けます」とウクは言った。
「必要ない。そのままチャン家で保管せよ。お前の父の剣も持っていけ」父の剣が前の台に置かれた。
「チャン・ウクの松林への出入りを禁ずる。術士としてここに出入りする資格はない。令牌を返しなさい」と総帥は言った。
「ありません。無くしました」ウクは言った。
「チャン・ウクには、令牌を無くした者が受ける罰、杖打ち100回を」総帥は言った。
ウクは、庭で、杖打ちの罰を受けた。
「このまま松林を出て、二度と足を踏み入れるな」と総帥が言ったが、「いいえ、まだ99回です。最後の1回は、どうぞ総帥が」とウク。
総帥がウクに近寄り、杖を受け取った。
「私はこの子を助ける。気門を塞げば私の息子として生きられる。だが、己の運命を見いだそうとしたら、生きるのは難しい」チャン・ガンの言葉が蘇った。
総帥は、最後の1回をウクの背中に打った、、ウクは前に倒れた。
”ウク、そのまま諦めて、何者にもなるな。生きるために、、” 総帥は心の中で言った。
ウクは立ち上がり、総帥を見ながら、「ムドク、剣をもらえ」ムドクが剣をもらった。「行こう」ウクとムドクは松林を出て行った。
感 想
最後の場面、拍手です、、、ウクに、、。
”なぜだ、どうしてだ、気門が開いたのに、なぜ松林で術を学べないんだ、、” そんなウクの苦しい悲鳴が聞こえそうでした。
でも、ウクは何も言わずに、大声を出すことも、怒ることも、泣くこともなくなく、100回杖打ちに耐え、父の剣をムドクに持たせて、松林を出たのでした、淡々と。
凄すぎる!
ドラマの前半には、総帥のコミカルな一面が見られて、ハハハ、、、と愉快でしたが、最後はまた、最高にクールな総帥でした。
パク総帥と、ウクの父、チャン・ガンとは、盟友だったのでしょう。剣の腕も、リーダーとしての資質も、デホ国で、双璧だったのではないかと思います。
チャン・ガンは、ウクの出生の秘密をパク総帥にだけ話して、どこかに行ってしまった。
そんな重い秘密を知ってしまった総帥も辛いですよね。ウクを生かすため、国の平穏を守ために、ウクに、辛い仕打ちをしなくてはならない、、。
3話も最高に面白かったです!
それぞれの人物の衣装も素敵だし、面白い仕掛けもあるし、、、
ウク役のイ・ジェウクさん、本当に魅力的。飄々とした軽やかさがあるので、余計に最後の場面に、グッときてしまいました。
第4話 あらすじ
松林で、杖打ち100回の罰を受け、松林の出入りを禁止されたウクは、体が”火”のように熱くなった。ムドクが、湯船に水を足し、ウクの体を冷やした。
次は、耐えきれない”寒気”である。まるで氷の中にいるよう。ムドクは「眠るな、凍死してしまう」と彼の頬を叩き、火鉢で部屋を温め、横に寝てウクの体を温めた。”呼吸を整えろ”とウクに言った。
強烈な”熱”と”寒気”は、真気が巡っている証、松林での”杖打ち’で、真気の巡りが速まった、とムドクはウクに言った。
松林では、ダングとユルが、総帥に、ウクの追放を解くようにお願いしたが、総帥は聞き入れない。
「還魂人の事件に集中せよ」と言った。石化した人が松林に運ばれていた。暴走した還魂人に水気を抜き取られたのである。「悪鬼も同様、だから還魂術を禁止したのか」とユルが言うと、
ヨム院長は「還魂術は邪術ではない。集水 → 流水 → 治水 の次、換水の境地にならねば使えない」と言った。
”換水は、水を火に、火を石に変える神の境地” 松林を創設したソ・ギョン先生ともう一人だけがその境地に行ったようだが、、。
「この者は、職が決まったので天附官にずっと出入りしてました」総帥の部下が言った。
「ナクス一味も天附官が捕まえた。この還魂術を使ったのものは、天附官と関連がある」院長は言った。総帥は、ユルとダングに天附官周辺を見張るように命じた。
ある男が、チン家の前に来た。「鬼狗(キグ)よ、出てこい」と、家宝の鬼狗(ウクに壊されたが、修復された)を呼んだ。煙となって、鬼狗は空を飛び、男の横で眠っていた”犬”の中に入った。犬は起き上がった。「還魂人を仲良く探そう」と男は犬に言った。
ウクの体は、正常に戻ったが、まだ父の剣を抜くことはできない。「流水の段階まで上がれ」とムドクは言った。「抜いて松林に戻りたい」とウクが言うと「気勢だ。くじけてはならぬ」と励ました。
ウクへ来客があった。”世子”のコ・ウォンが、ナクスの剣を取りに来た。「王様は天附官に託した。官主の留守中、副官主が保管する」と世子は言い、ウクは快く応じた。
世子は、もう一本、”先王が天附官の官主に授けた剣”、チャン・ガン(ウクの父)の剣も要求した。
ウクは「お断りします」と拒んだ。「父の子ではないと思われている私が剣まで失ったら、立場を失います」と。「仕方ない、勝負で決めよう」と世子は言った。
庭で、世子とウクの対決が始まった。
世子は木刀で線を引き「線の外に私を押し出せば帰ってやろう」と言った。二人の勝負が始まった。
”叩かれ真気の巡りが速まった、思いっきり打たれてやろう”、気概でウクは挑んだ。何度も何度も打たれ倒れ、立ち上がったが、、、倒れ、世子がトドメの刺そうとした時、ムドクが走ってきて、「おどきください。これは糞ですよ!」と叫び、容器に入った汚水を投げ捨てた。世子は慌てて後ろに下り、ウクは身を起こした。
ウクは、ムドクの無礼を詫びた。そして「早くお戻りに。線から出ました。世子様の負けです」と。
そこに、ダング、ユルと、チン家の娘のチョヨンの3人が入ってきた。
世子は「剣は置いていく。だがその娘は許せぬ」と刀を抜いて、ムドクに斬りかかろうとした。その剣を、ウクの剣が咄嗟に阻止し、世子の剣が折れた、、ウクは、父の剣を抜いたのだ。
「チャン・ウク、術を使えないと言うのはウソだったのだな」と世子は怒った。その時、ウクの右腕が勝手に動き出した。片方の腕に気が偏り、制御できない。世子に剣先を向け、暴走するウクの右腕。世子が怒り、ウクを殺そうとしたのを、ユルの剣が止めた。チョヨンが 結縛鈴 を投げ、ウクの右腕に巻きつけ、重みで動かなくした。
怒りが収まらない世子が、勝負続行を宣言し、ユル、ダング、チョヨンがそれに反発、世子はますます怒り、王室と四大名家の対決か?と言う雰囲気になった、、。
ムドクが、世子の前に来て土下座して謝り、残った汚水を呑みますと言い出した、、、。一悶着あったが、ユルが何とかその場を収めた。ナクスの剣があることに気づいたムドクが、帰ろうとしていた世子に持って行った。
ウクは父の剣が抜けたことで興奮していた。「師匠、ついに弟子はやったぞ」とムドクを抱きしめた。
松林では、パク総帥、ホ・ヨム院長、チン・ホギョン、チン・ムの4人が集まり、鎮妖院の”鬼狗”が盗まれたことを話していた。
そこに、チャン・ウクが来ました、と部下が呼びにきた。
ウクの他、ムドク、ドジュ、ユル、ダング、チェヨンも一緒だった。
ウクは「父上の剣です。これを抜けば受けれてくれる約束です」と抜いて見せ、「私を受けれてください」と言った
総帥は、右腕の結縛鈴に気付いた。まだ気が操れないので縛っています、とユルが答えた。
総帥はウクの前に来て、外せ、と命令した。ウクが外すと「剣を構えてみろ」と総帥が言ったが、ウクの右腕が暴走、総帥の左胸を刺してしまった、、。ユルがウクの剣を止め、チェヨンが結縛鈴をウクの右腕に投げ縛った。
「剣が抜けたらから何だ」と総帥が言うと「修行不足なだけです。ウクはその剣で世子様にも勝ちました」とチェヨンが余計なことを言った。その場が不穏な空気に、、、。
総帥はウクに「世子様と戦ったのか」と問い詰めた。「はい」とウク。総帥は「ウクを閉じ込めろ」と命令し、部下が連れて行った。
「ウクは、世子様に刃を向けました。天附官は黙認できません」と、チン・ムは総帥に言って去った。
閉じ込めらているウクのところに、総帥がやってきた。
「腕は大丈夫か」と優しく聞き、「ヨム先生の真気を短期間でモノにするとは素晴らしい」
「火のように熱くなり、氷のように冷たくなりました。叩かれて気が速く巡りました。世子様にもたたかれ、すると体内で何かが波打って、、剣が抜けました」とウクは答えた。
「そうか、お前は幼い時なら何でも早くできた。お前は頭もいいし何でもすぐ習得する。松林商団に入って商売してみたらどうだ、あるいはヨム先生に医術を習うといい」と総帥は言ったが、「嫌です。精進閣で修行して術師になります。父を継いで、天附官の官主になり、私が父上の子でないという奴らを黙らせます」とウクは言った。
「お前は、チャン・ガンの息子ではない。お前は、トファが不貞を働いて出来た子だ。父親の後は継がせられぬ。父と同じ道を歩むと言う夢は捨てろ」と総帥は言って去ろうとした。「では、父親は誰ですか?」と聞くウクに「死んだ母親が誰と不貞を働いたかなど、誰もわからない」と言って去った。
ウクは、呆然とただ泣いていた、、、。
ムドクが食事を持ってきた。後ろを向いたまま、、、涙を流しているウクを見た。
チン・ムの部下は、娼妓から奪った令牌が、チャン・ウクのもので、侍女がチソル楼に出入りしていたと聞いた。松林であったムドクが、客桟にも現れたことを思い出し、ナクスか?と疑い始めた。
ウクを見舞ったヨム院長は、「こんな短期間で”流水”の境地に達したとは、さすが天才チャン・ガンの息子だ」と褒め称え、ダングは「チン・ムが官主になれないからケンカを売ってきたんだ」と言い、ヨム院長は「私がチン・ムに話をつけよう」と言って帰った。
ムドクは、修行をする気がないウクの為に、またまた危ない企てをした。
ムドクは、ダングを丸め込み、ホ・ヨム先生がチン・ムに早く会うように進言してほしいと頼み、自分も会合について行った。ムドクは、チン・ムがウクを潰し、官主の座を狙っていることを利用した。
「世子様の命を狙った罪は重い。首をはねる代わりに、腕を切り落とす」というチン・ムに、「命を狙ったのではなく正当な対決でした。信じられなければ、もう一度対決しては?」と誘いかけ、チン・ムは誘いに乗った。
チン・ムはウクと対決するように世子を説得した。チン・ムの部下が、松林に”果たし状”を持ってきた。
パク総帥に「対決しない場合は、天附官にウクを引き渡してください」と言った。
ダングとユルがやってきて、ウクを逃すために連れ出した。ムドクは「私の故郷に行きます」とウクと舟に乗った。
パク総帥は、王室に行った。「来月15日に世子とウクが対決することにする。当日、ウクが現れなければ、天附官 官主の後継者の座を剥奪する」と王は言った。
パク総帥は「それで結構です、王様」と言った。
舟の上の二人。ムドクは刀を持っている。ウクが「なぜ刀を持っている?」と聞くと「修行をする。チャン・ウク、私の修行場へ行くぞ、覚悟せよ。ナクスがいたタニャン谷だ」とムドクは言った。
感 想
ウクは、気門を塞がれ、何回も修行を破門されても、師匠を見つけ、父の剣を抜くことができれば、松林で修行して術を習得できる、、それを望みに生きてきた。
「術士になり、父の後を継いで天附官の官主になり、私が父上の子でないという奴らを黙らせます」
そのウクに、総帥は「お前は、チャン・ガンの息子ではない。お前は、トファが不貞を働いて出来た子だ」と言ったのです、、、。ウクの絶望は計り知れません、、、。
ウクは、ムドクの弟子として修行する理由は無くなったのです。しかし、ムドクは、ウクが総帥に言われたことを知らない、、、彼女は彼に懸けている。
ムドクはまた仕掛けました、ウクの知らないところで、色々な思惑がうごめいています。
4話、新たな登場人物がいましたね。チン家の家宝の”鬼狗”を盗んだ男、今後の重要人物の予感です。
第5話 あらすじ
ナクスの父は、天附官で、星の記録と管理をする”数星職”だった。父が四大名家の手で殺された日、まだ幼少のナクスはチン・ムに連れられ、この世と思えない深く険しいタニャン谷に置き去りにされた。彼女と父の存在が忘れさられた頃、ナクスとして世に出た。
ナクスは死に、ムドクとしてタニャン谷に戻ってきた、弟子のチャン・ウクと共に。
険しい渓谷、ウクは鶏肉を焼く良い匂いに導かれてきた、、。そこはナクスが幼少の頃住んでいた厳しい場所ではなかった。食料は豊富で立派な風呂、フカフカの布団もあった。誰かが住んでいる気配。
外の犬(”鬼狗”が憑依した犬)が、ムドクを見て唸り飛びかかろうとしたが、ウクの「動くな」と命令で大人しくなった、、ウクに本体(陶器”鬼狗”)を壊された記憶が蘇ったから。
土瓶に入った”茶”が湧いていた。
松林では、王命により、チン院長の主導で、術師たちの万長会(術士家系の首長の集まり)が開かれ、チャン家を除く11家門が勢ぞろい、世子とウクの対決についての話し合いが行われた。
”王室と術士の対決は数百年ぶり”の大ごとであり、万長会で承認されれば決闘することになる。
術士たちは、ウクが対決を前に逃亡を恥といい、術師の資格を剥奪してはと言った。「術士剥奪」は、気脈を断ち、術を使える体にする、つまり廃人にすることを意味する。
ホ・ヨム院長とパク総帥は、かつては弟子だったウクを廃人にしようとする術士たちを批判し、「全ての汚名は松林がかぶります」と言った。
ウクは、タニャン谷の”誰か”の住まいのお湯に入り満足。疲れて眠っていたムドクを柔らかい寝床に移し、自分は床にゴザを敷いて寝た。
夜中、雨の中、住人が戻ってきた。ムドクの横に立ち、暴走して石化する前に術で葬ろうしたが、”ただならぬ奴が入っている”と見抜いた。
ウクが後ろで、剣を構えていた。右腕の結縛鈴を外し、襲いかかったが、簡単にいなされ、雨の降る外に投げ出された。「なぜ、王が授ける剣を持って、あんな女とおる」とその男は聞いた。入口の前にムドクが立っていた、ウクは咄嗟に彼女を庇った。
目覚めがムドクが外に出ると、ウクと男が仲良く話していた。
ムドクは、ウクと男が昨夜闘っていたことを全く覚えていなかった。男は「イ先生とよべ」と言った。イ先生は、犬に「あの還魂人は特殊だ。ただならぬ魂が入っている。様子を見よう」と言った。
イ先生は、木を手で割り薪にした。「水の気がみなぎっている。集水を極めてる」
次は薪を焼べ、手のひらを近づけて火を大きくした。「流水も極めてる」
次は、雨で濡れた洗濯物に手のひろをかざして、水気をはじき飛ばして乾かした。「治水の高い域だ。(大気中の水を操れる段階)」
ムドクはイ先生の術の高さに驚き、ウクは、お茶を飲みながら「命拾いした」と絶句状態。
イ先生がウクが茶を飲んでいるのに気づき「体に異常はないか?断根草だ」と。
「術の妨げとなる情念を断つため、断根茶を飲む術士がいると聞きました」とムドク。
「情念って何だ?」とウク、「五欲のうちの1つ、色欲だ」と先生、焦るウク、、(笑)
ムドクは、”色欲を経って術を磨いたすごい術士、麻のイ先生と呼ばれてる” と聞いたことを思い出し、「ウクに術を教えてあげてください」と頼んだ。
先生は「断根茶を飲めば、教える」と言ったが、ウクは飲まないと拒否。
ムドクは「先生に教われば、偏った気もすぐに巡らせられる。千載一遇の好機だ」と諦めない。
ウクが怒って、テーブルを叩くと、茶碗が飛んで、ムドクのおでこに当たり、割れた。
ムドクは「流水だ。気が外に流れ出た」と笑っているが、額から血が、、。
「今は滴ほどの力だが、それが小川となり大河となり、いつか敬天大湖のような大きな力を得る。そして私も力を取り戻す」と笑って言った。
「コ・スン1年、4月1日、子が生まれた夜、帝王生が空に昇った。誰にも知られてはならぬ」チャン・ガンの言葉を思い出しながら、天附官の記録をみるパク総帥、しかし、それは帝王星を消した偽物であることを知っている。
チン・ムが入ってきた。総帥は「松林にいた還魂人は、天附官の数星職だった。精進閣の術士にここを調べさせてください」と言い、術士たちが入ってきた。行方不明のものが数名いることがわかった。
チンは、キム内官が気を吸った死体が密室にあることを思い出し、すぐに部下に運び出させた。
外で見張っていたダングとユルが、運び出される荷車に気付き、阻止しようとしたが、逃げられてしまった。二人は、残された荷台の箱の中にあった”令牌”を松林に持ち帰った。
総帥とヨム院長に見せ「ウクの”令牌”のようです」と言った。
総帥が、二人に、ウクに会って”令牌”を無くした経緯を聞いてこい、と命令した。
還魂人の遺体は川に流された。
チン・ムは「あの方への献上品です。いつも通りお伝えを」とキム内官に箱を渡した。
キム内官は、王家の妃に、”献上品” を持ってきた。王が何かと聞くと、「私の健康を心配して”薬草を”」と妃は答えた。
タニャン谷では、ウクとイ先生が意気投合。ウクは先生の手伝いで、薬草探し、DIY、夕食の魚釣り、炊事をしていた。ムドクは、修行をしないウクに腹を立てていた。
ウクは「ここでの平和な暮らしが気に入った」と言うと、ムドクは怒って出て行った。
チン・ムの部下が流した死体が、川を流れてきた。イ先生の犬が、先生を呼びに来た。
チン家のホギョンが、娘のチョヨンと共に、チャン家のキム・ドジュを訪ねて来ていた。
「世子との対決を避け、官主の座を守るすべがある。我が家には、王命を退けられる傍牌がある。全術士が賛成すれば、王を失脚させることも可能。ウクがチョヨンと婚姻し、うちに婿入りしていただければ、官主の座を剥奪するという王命も阻止できる」と言った。
「突然なので、準備できるかどうか分かりませんが」とドジュは答えた。
ムドクは、チソル楼に来た帰り、チン・ムの部下に呼び止められ、天俯官に連れていかれそうになった。そこに現れた世子を見つけて走り寄り、「世子様、私です。糞ムドクです」とあいさつし、世子の機嫌をとり、外の者から守ってくださいと匂い袋をもらった。ムドクは、世子から注がれたお酒を飲み、酔いつぶれた。
イ先生とウクは、犬の案内で、還魂人の死体が置かれている場所にきた。天俯官の部下たちが死体を引き取りに来たので、ウクはその場を去った。
死体は荷車に乗せられた。「虹が出てる」とみんなが虹に気を取られた隙に、荷車が消えた、、焦る天俯官の部下たち、、。
イ先生が、術を使って虹を出し、術を使って荷車を引き去って行った。
ウクは、チソル楼で酔い潰れているムドクを迎えに行き、舟に乗り、タニャン谷へと戻った。
ダングとユルが、タニャン谷のウクたちの住まいに来た。
2人は「令牌を奪われたり貸したりしなかったか」と聞いたが、ウクは「いや、俺が無くした」と言った。
松林の入り口に来たイ先生は、令牌なしで、扉を開けて、荷車と共に中に入った。
”チョヨンとウクの婚礼” の話に、ヨム院長は、それは名案だ上機嫌だが、ドジュと総帥は反対していた。そこに、見知らぬ者が侵入、と部下が言いにきた。
「ホ・ヨムどこだ」と院長を呼び捨てる声に、怒って出て行ったヨム院長だが、、「師匠!」と走り寄った。
ムドクは、大きな木の前に来ていた。昔、てっぺんまで上がれた木だ、しかし今は上がれない。ウクが来た。
「また登りたい。てっぺんから見る月は美しかった」ムドクが言った。ウクは「俺は弱いから、師匠のためには何もできない、でも、この木には登れそうな気がする」と言った。「治水を会得すれば、水の気で足場を作れるが、今は到底無理だ」というムドクに、「何もしたくなかったが、この木には登ってみたい。月が見たいんだろ。お前をてっぺんに連れて行く」とウクは約束した。
感 想
ナクスの父は、四大名家に殺されていたんですね。父が殺された理由は、これから明らかにされるでしょう。
ムドク(ナクス)は、生きるために、壮絶な修行をした”タニャン谷”にウクを連れてきたが、そこに別の住人がいました、第4話で出てきた人物、医者のホ・ヨム先生の師匠で、最高の術士のようです。
このイ先生が、これから、ウクとムドクを助けてくれる気がします。
チン・ムが、還魂人のキム内官に、王家の妃に ”献上品” を持っていかせました。いつも献上している品のようですが、王も何か知らない。「薬草」と妃は答えたが、違うでしょう、何なのか気になります。
ウクは、チャン・ガンが自分の父ではない、と総帥から聞いて以来、術士になる気力を失っている。しかしムドクに「あの大きな高い木のてっぺんに連れて行く」と約束しました。ウクの原動力は、ムドクのためのようです。
しかし、ウクの知らないところで、チン・チョヨンとの縁談が進んでいます、どうなるのでしょう。
第6話 あらすじ
ユルは、少年の頃、タニャン谷で一人の少女に会った。彼女に会いたくて、タニャン谷に通った。ユルは少女に”鳥の笛”をあげた。しかし少女は、ユルがソ家の者だと知った時「二度と会わない。私の前に現れたら殺す」と言い、ユルが差し出した”花束”の花の部分を刀で切り落とし、去って行った。
ユルは、その少女が「ナクス」だったことを後から知った。
一晩、ウクたちの住まいに滞在したユルとダング。ユルは、朝食の準備を手伝った。ムドクに怒られながら、ご飯を炊き、汁物を作った。ダングが「ユルは、師匠に教わる弟子のようだ」と。それを聞いたウクは気に入らない。ムドクに「俺の師匠が、他の弟子に教えるな」と怒った。
4人は、大きな木の下に来た。ユルは「本当にあったんだ」と言った。少女から聞いていたのだ。彼はムドクに「登ろうか、連れて行ってやる」と言ったが、「いやです。一緒に登る相手は軽々しく選べません」と言い、ウクは喜んだ。
ダングが、ウクの父親の剣を見つけ「修行もしないのにこんな大事な物を。持ち帰ろうか」と聞いた。ウクは承諾した。ダングとユルを送った別れ際、「総帥からの伝言、”言うことを聞け”」と聞いたウクは「言うことなんて聞かない」と怒ってダングから剣を奪い返した。
松林に戻ったダングとユルは、総帥に、ウクの令牌は落としたのだと思う、と報告した。
松林では、イ先生、ホ院長、パク総帥が、石化した死体を見ていた。身元が天附官の下僕と分かった。
「還魂人が至る所にいるので、どうすれば」とホ院長はイ先生に聞いた。「還魂人よりもまず邪悪の根源を見つけよ」と先生は言った。パク総帥は「天附官の可能性が。松林に潜んでいた還魂人も天附官の者、ナクスとその一味を皆殺しにしたのも天附官、副官主のチン・ムです。密かに探りましょう」と言った。
イ先生は、松林を作ったソ・ギョン先生の直弟子で、若く見えるが、100歳をとうに超えているようである。
ホ院長は、イ先生のむく犬を見て、”鬼狗”と見抜いた。イ先生は、ムドクの体の中に入っているのが”ナクス”だと見当をつけた。院長に「結縛鈴を付けた奴と侍女を見た」と言った。
ユルは、パク総帥とホ院長に、子供の頃、ナクスに会ったと話した。
「死体を見てもわからなかったので、タニャン谷に行き、記憶を確かめてきた。私が何者かを話してから、会えなくなった。残念ながら、名前も年も知らない。ただ、父親が星を記録する人だったと聞いた。天附官の数星職、その中に恨みを持つ者が?」と聞いた。
「20年前、四大名家に殺された数星職の術士がいた」と総帥が言い、
「その一家は全員死んだ。ただ1人、一人娘だけ生き残った」とホ院長が言った。
ムドクは、ユルが置いて行った”鳥の笛”を見つけて、焚き火に入れ燃やそうとしたが、彼の言葉「足の痛みも感じず、説教も怖くなかった。すごく好きだった」を思い出し、燃やせなかった。
ムドクはウクに「世子様に勝ち、生き残るためには、弾水法しかない」と言い、特訓を始めた。
特訓で、ウクの右手は真っ赤になった。それを見たイ先生は「無理に気力を引き上げたせいだ。腕が裂けるかもしれぬ、腐ったら切ることになる。腐った気が身体中を回ったら死ぬ」と警告した。
ウクは、自分を苦しめる非情なムドクを責めながらも、彼女を心配していた。
世子は、王家にまた新しい側室が入ってきたのを見ていた。
「帝王星が欲しいのです。先王が即位するとき、次の王は帝王星を持つとの神占が出ました。しかし、王様も世子様も星回りに帝王星がありません。それが噂に、、」とチン・ムは言った。世子は「神占いの間違いだろう」と言いながら、恐れていた。
チンは「じきにウクとの対決。神占いを出した男の息子を殺すのです」と世子を洗脳した。
キム・ドジュは、ウクの命と天附官 官主の家を守るため、ウクとチン・チョヨンとの婚姻を承諾した。
チョヨンは、母に結婚したら、空き部屋になっている姉のブヨンの部屋を使いたいと言って断られた。しかし母は「陰陽玉で、結婚指輪を作るといい。お互いの愛が深くなるから」と言った。
チャヨンが、財宝の部屋から”陰陽玉”を持って出ようとした時、転び、箱が転がった。鏡にチャヨンが映っていた。
ウクとムドクは、イ先生から「名門家の婚礼があるらしい。チン院長の娘と天附官 官主の息子だ、、お前だろ?」と聞き、仰天した。2人は、舟で町に向かった。
一人でチソル楼に来たムドクは、チン・ムの手下に捉えられ、世子様の住まいに連れて行かれた。
ムドクは楼妓に勘違いされ、絹の着物に着替えさせられていた。世子はムドクに
「対決に来るなとお前の主人に伝えろ。闘ったら死ぬぞ。鎮妖院に婿入りしろと言え」と言った。そして、お前も一緒に行くのかと聞いた。ムドクが行かない、と言うと「宮殿に来るか?お前にできる仕事もある」と言ったが「嫌です」とムドクは速攻で断った。
ユルは、ムドクが、ウクの令牌を売ろうとしたことを突き止めた。偶然、ムドクに会い問い詰めたが「お金のためです」と言うだけ。ユルはムドクがわからない、、。
これを聞いてたチン・ムの手下、ナクスが、ムドクに還魂したと気づいた。
ウクは家に戻り、ドジュに婚姻は無理だから、話をつけて断ってくれと頼んだ。その時、傷ついた右手を見られてしまった。
ウクは「俺は父上の息子だと思うか?実の父親を知っているのか?」とドジュに聞いた。「何を言うのです。坊ちゃまは官主の息子です」「俺もそう信じてきた。今更否定したくない。だから、ただの坊ちゃまではいない。何をしようと俺を止めるな」と言った。
ムドクは、チソル楼に絹の服を売りに来たが、女将はチン・チョヨンの相手をしていた。
チョヨンは、婚礼用の宝石の細工工を紹介していてもらおうと宝石を見せたが、宝石は割れていた。転んだ時に壊れた、と彼女は思った。
帰り際、ムドクのそばにきた。「お前のお坊ちゃんと結婚するので、これからは私も主人、これを運びなさい」と宝石が入った箱をムドクに差し出した。ムドクの気が騒ぎ、割れた石が蓋をした箱の上から見えたが、チョヨンは「大事な宝石よ。もし割ったらただじゃおかないわ」と言った。
彼女に連れられチン家に入ったムドク、彼女が入ると家の中の空気が不穏になった、、。
ウクとドジュの元に、チン家から使者が来て、問題が起きたと。二人はすぐに向かった。
チン家には、ダングとユル、そして世子も来ていた。
「当家の大事な宝が消えました。宝と共に消えた者がいます」と鎮妖院チン・ホギョンが言った。
「ムドクという娘が、宝石を盗んで逃げました」と。
ムドクは、鎮妖院の中に入っていた。宝が置いてある場所。
大きな鏡が「ねえ」と話しかけてきた、映っているのはムドク。「あの子ね」と鏡が微笑んだ。右手を差し出すと、鏡のムドクは左手を差し出し、、ムドクの右手を掴んで鏡の中に引っ張り込んだ、、、。
感 想
6話は、ユルが、タニャン谷で会っていたナクスを思い出すシーンが多く出てきて、ユルとムドク間に、微妙なケミストリーが漂ってました。しかしナクスの体はもうこの世にはなく、魂だけがムドクの体に入っている。ユルとナクス(ムドク)、ウクとムドク(ナクス)、、複雑です。
鎮妖院、王の決定さえも阻止できるすごい力を持っています!行方不明の長女ブヨンが、今後関係してくるのでしょう。
この摩訶不思議な”鎮妖院”で、ムドクは鏡の中に取り込まれてしまいました。ディズニーの映画に出てきそうな部屋と財宝で、楽しいですね😍 鏡の中にいるのが ”ブヨン”?
世子は”次の王は帝王星を持つとの神占”を恐れています。そして、ムドクに気がありそう(笑)
物語は、複雑に絡み合ってきました。
第7話 あらすじ
太湖国で謎の干ばつが続いた。敬天大湖が干上がるほど深刻だった。術士たちは水の気で湖を満たす為、大規模な祭儀を行った。天から大きな雹が降ってきた。雹の中に”溶けない氷”があった。
溶けない氷 → 火になり → 石になり → 水になり → 氷 に戻った。その時に出た黒い粉が 還魂術使われる ”追魂香”。
追魂香の力はすざまじく、死者の魂を生き返らせたり、魂を入れ替えることもできた。魂を抜いたり、気を奪うこともできた。その力は混沌を招いた。
追魂香を作り出す氷の石を手に入れるため、大湖国は戦乱が続き、生き地獄となった。
この戦いを終わらせ、精進閣 を創立したのがソ・ギョン先生。
ムドクは鎮妖院の鏡に閉じ込められていた。鎮妖院には危険な妖器が多い。
世子は、昼間ムドクに会ったことを思い出していた。するとムドクがどこからか現れた。しかし世子が偽者と気づいた途端に、鏡が割れ幻は消えた。世子はムドクがチン家にいると聞き、訪れた。
ソ・ユルも、ムドクの幻を見た、とダングと一緒にチン家に来た。ユルがナクスのことを考えていると、突然現れ、ユルが幻だと気づき倒すと、鏡が割れムドクは消えたのだ。
総帥は、ホ院長に、イ先生の居場所を聞いたが、むく犬を置いてどこかへ行ったまま。「鬼狗も氷の石で作られたのか?」と聞く総帥に「ソ先生が氷の力で作った」と院長は言ったが、ソ先生が封印した”氷の石”のありかは知らなかった。
氷の石があれば、換水の域に至らぬ者でも”還魂術”を使える。総帥は「誰かが、氷の石の封印を解いて持ち出し、還魂術が行われている。200年前の争乱を繰り返してはならない。氷の行方を確かめなければ」と言った。
その頃、キム内官が、チン・ムに「あの方から贈り物です」と箱を差し出した。そこには10個の追魂香が入っていた。あの方とは、王妃だと思われる。
キムが去った後、チン・ムは「お前が入る代わりの内官を早急に探せ」と部下のキルチュに言った。
彼は、ナクスを利用して欲しい体を得ようと目論んでいた。
チン家に、ウクとドジュが来た。
ウクは、ムドクが陰陽玉を盗んで姿を消したことを詫び、「ムドクと玉を捜す許可をください」と”鎮妖院”を開けてもらった。
鎮妖院の扉は、チン家の当主、チン・ホギョンと娘のチョヨンにしか開けることができない。
ホギョンは「危険な妖器や法器が揃っている」と1時間だけ与えた。
ウクとユルと世子の3人が中に入った。
ムドクは、鏡の中で、たくさんの鏡に囲まれていた。後悔していた。チョヨンに陰陽玉を割った責任を押し付けられたので「陰陽玉を割った者は、意中の人とは結ばれない」と言い、チョヨンを怒らせたことを。チョヨンが”陰陽玉”を置いて出て行った隙に、隔離された部屋から逃げようとして、鎮妖院に迷い込んでしまい(ムドクは扉を開けることができた)、鏡に閉じ込められてしまったのだ。
戻ってきたチョヨンが、陰陽玉を隠し、ムドクが盗んで逃げたと母にウソを言ったのだ。
ウクは、世子とユルに幻が現れた経緯を聞いた。二人とも「鏡が割れた」と言ったので、大きな鏡の前に来た。ウクの姿が映ったが、ユルが「お前ではない、幻だ」と言った。
世子とユルは外に出て、ホギョンに、ムドクは鏡の中にいると言った。
「通鏡、虚像を作り出す妖器です。危険だから外には出せない」と彼女は言い「約束の時間が来たら、二人とも閉じ込めます」と言った。
ウクは、通鏡に映る自分の虚像に「人間が己の姿を見るには鏡しかない。お前が知る己の姿は虚像だ。他人に映るお前も虚像で幻だ。水の気をくれたら完璧なお前を作ってやる」と誘われた。ウクは「何も写さなければ鏡は意味がない」と通鏡に大きな布を被せた。その時、鏡の中にいるムドクを囲っていた鏡たちが消えた。
ウクの「ムドク」という声が聞こえた。「私はここにいる」とムドクは答えた。
二人は鏡に手を置き、お互いのことを思った、これまでの時間、二人で乗り越えてきた数々のことを、、、「あの子がいる」「氷の石」妖器たちが声を上げた。
「鏡が割れる、、、」
すごい光が、外にまで溢れ出し、扉が開いた。ムドクを背負ったウクが出てきた。
鏡が割れる時、大量の光を浴びたムドクは、しばらく目隠しをして過ごしたが、外す日が来た。
ウクはムドクに「弟子を犠牲するしか策がなければ、師匠も死ぬ覚悟を」と言い、ムドクは「肝に銘じておく」と答えた。「師匠が死にかけたので、弟子も死ぬ覚悟をします。婚姻はしない」と言った。
ウクは、チン・ホギョンに会いに行き「私は官主の子ではないそうです。その懸念があっても私を婿にしたいかよくお考えを」と言った。
チン・ムが、鎮妖院に来た。彼は、ホギョンの腹違いの弟で、チンの姓をもらったが、ホギョンが院長になるとすぐ家から追い出された。
姉に「チャン・ウクとチョヨンの婚姻は中止に。長女ブヨンを捜し出し院長にし、チョヨンを世子と婚姻させ王妃にしましょう。天附官がブヨンを見つけます。弟の私が、官主の座につき、鎮妖院の力になります」と言った。
ユルは、鳥の笛を聞いた。音色を辿るとムドクが吹いていた。「私を思っていた」とムドクの幻は言ったが、ユルはナクスのことを考えていたのだ。「ムドクがナクスなのか」と気づくユル。
ムドクは、チン・ムの部下、キルチュに捕まり「ナクス」と見破られてしまった。
「今夜、チャン・ウクを連れてきたらお前を見逃す」と彼は言った。
ウクはタニャン谷に戻るつもりだったが、ムドクは「別の場所へ。東の森のそばに廃寺が、そこに行こう」と言った。
ウクは、ドジュがもらった”陰陽玉”で、赤と青の”鳥の卵”を作っていた。「1つずつ持って、義理と道理を通そう」と言い、青い方をムドクに渡した。
パク総帥は、内密でチン・ムを訪問し、20年前、天附官の術士だったチョ・チュンについて聞いた。ナクスの父である。チン・ムは話した。
「ある日、夜中に記録した星座盤が消えた。すぐに見つかったので騒ぎにはならなかったが、、その日は、トファが死にウクが生まれた。チョ・チュンが記録し、無くなった星座盤を私が見つけた」
「ウクが生まれた日、何があったのか知っていると?」総帥は聞いた。
「世に争乱をもたらす星が昇りました。帝王星。チョ・チュンが死に、秘密は守られた。でも、誰が彼を還魂人にしたのでしょう。聞きたくなければ話は終わりに」とチン・ムは言った。
総帥は遅くに、キム・ドジュを尋ね、「ウクが生まれる前、チャン・ガンは邪術を磨いたか?還魂術を?」と聞いた。
その頃、セジュク院では、ホ院長がユルに、ナクスの父のことを話していた。「彼は、還魂人だった。我々が着いた時、暴走して己の家族を皆殺しにした後だった。殺生を止めるため、四大名家が乗り出した。子供の目には、我々が殺人鬼に映ったかも知れぬ。ナクスは、恨みを晴らすために、刺客として松林に来たようだ」と言った。
キルチュはムドクとウクを待っていた。追魂香を持っている。
ムドクが現れ、ウクはもうすぐ来ると言った。雨が降ってきた。ウクが現れた。大雨の外に出て、ウクは、ムドクから習った”弾水法”を使いキルチュを倒したが、、、その時、彼は、右手から気を出し、追魂香を握りつぶし投げた、、。
”還魂術”だ!ウクの体とキジョンの体が宙に舞った、、「俺は還魂されるのか」とウクは言った、、。
感 想
7話、盛り沢山で、新情報がいっぱいでした。
チン・ムは、王妃から、還魂術が使える追魂香を大量にもらっていましたよね。王妃は、一体何者なのでしょう?
チン家の者しか開けられない鎮妖院の扉を、なぜムドクは開けることができたのでしょう。力が戻ってきているということ?
ナクスの父は、還魂人にされ、暴走し、自分で家族を殺してしまったという悲しい話でした。ただ、幼いナクスは、父がパク総帥に殺されるのを見て、彼を父の仇と思いこんだ、仕方ないですね。刺客となって彼と闘った、、これが第1話の序盤でした。
全ては、チン・ムの企みのようです。師匠のチャン・ガンが、体の弱い王と還魂し、元に戻るために、チン・ムに追魂香を使わせてしまったことから、全ては始まったようで、、。
チン・ムは帝王星のことも知っている、、悪いヤツは、何でも知ってますね。
そして、最後、ウクは、キルチュに還魂されてしまった、、、えーー、どういう展開?
どうなるの?
第8話 あらすじ
ウクが、キルチュに還元術を使われ宙に舞った時、目隠しをしたムドクが横に現れた。
そして地面に倒れ、再び気が付いた時、左胸の上には青い痕はなく、ウクのままだった、、。
ムドクも失神し気がついた。キルチュの左胸の上に青い痕があり、ウクが還元されてしまったと思った彼女は、ウクに刀を向けた。しかしウクが「還元されていない、俺だ」と言うとウクに抱きつき、安堵の涙を流した。ウクは、ムドクが自分のことを本当に心配してくれていたことに感動した。
キルチュは、ウクへの還魂に失敗したが、自分は還魂人になってしまった。
彼は、ムドクがナクスだと知っていた。「お前の父チョ・チュンも還魂人にさせられた。暴走して己の家族を皆殺しにした。父を殺したのは四大名家ではない。父もお前も利用されたのだ」と言いながら、ムドクの左胸を強く抑えた。傷痕がつき、そこから毒気が入ってきた。キルチュは「ソン・ムは団主ではない、他におられる。その方は”氷の石”を持っていて暴走を止めてくれる」と言いその場から逃げた。
ムドクは、ウクにキルチュを追うように指示した。
還魂の光を目にした精進閣の術師たちが、”鬼狗”が入ったむく犬を連れてやってきた。犬は、還魂人(ムドク)が近くにいるので盛んに吠えた。ウクが外した”結縛鈴”を見つけたダングたちは、ウクの屋敷へ行き、ユルは残って辺りを探った。
逃げる人影を見たユルは術を仕掛け、人は倒れた。近づいたユルは、倒れた人がムドクで、胸に傷を負っていることに気づいた。彼は右手に気を集め、その手を彼女の傷に当てた。傷は薄くなっていったが、ユルの右手が毒気を吸い、赤くただれた。
一方、キルチュは、人の気を求めて都を彷徨っていた。追うウクは、ある宿で若い娘と奉公人から「後をつけないでください」と言いがかりをつけられた。身に覚えのないウクは「つけていない」と否定し、キルチュを捜し続けた。娘が部屋に入ると、キルチュが潜んでいて、襲いかかった。ウクが娘を助け「体調が悪くなったらセジュク院へ」と言って部屋を出た。娘が「私はそこの、、、ホ・ユノクです」と言い終わらないうちにウクは去ってしまった。
逃げるキルチュは、還魂人とバレないように、”青い布”で顔を隠し、天附官から宮殿に続く道を歩いていた。
キルチュは、宮殿の前で、”天附官の者だ”と身分の札を見せたが疑われ、布がずれ”還魂人”とバレてしまった。逃げるキルチュが、人の気を吸おうとしているところにウクが現れた。ウクとキルチュは激しく闘った。ウクはキルチュの青い布を奪い顔に巻いた。たくさんの町人たちが見ていた。ウクは水溜りを踏み、水を起こして、弾水法でキルチュにトドメを刺した。
翌朝、キルチュの死体は、天附官に運ばれた。チン・ムが誰が処理を聞いたが、昨日争った門番は、顔を青い布で隠していたのでわからなかった、術は弾水法でした、言った。
そこに総帥、ドジュと松林の術士たちがやってきた。死体の還魂人が、ウクでなく、ホッとするドジュたち。チン・ムはこの件は、天附官で処理すると言った。
キム内官は、また還魂人が現れ死んだと王様たちに知らせた。「還魂人は天附官の術士、キルチュで、宮殿に入ろうとしていた」と聞いた王妃の顔色が変わった。
町ではどこもかしこも、このウワサで持ちきり。「術士は弾水法を使ったらしい、ナクスの術だ」「ナクスが還魂人として現れた」「ナクス再来!」等々、、。
青い布で顔を覆った背の高い男は一躍ヒーローに!そして、都では”ナクスの布”と、誰も彼もが、青い布を巻くのが流行っていた。ダングも漏れずに買ってます(ハハハ、ダングいいね)
ウクとムドクは、還魂人が捨てられるという、敬点大湖の崖に来ていた。
ムドクは「私もいつか暴動するだろう、石になったらここに捨ててくれ」とウクに言った。
ウクは「本物の団主は宮殿にいる、氷の石を持っているらしい。それがあれば暴走しない。今の俺では宮殿に行けない。必ず昇りつめて宮殿に行き、師匠に”氷の石”を見つけてやる」と約束した。
ウクは、ムドクに窮地に追い詰められることで、新しい境地を開いてきた。「上がり続けたい、そばにいろ」とムドクに言った。
天附官の地下の秘密の部屋に、人が来た。迎えたチン・ムは「お待ちしていました、団主」と。
「キルチュは氷の石を求めて宮殿に来た」と口の覆いを外した王妃が言った。濃い化粧で。
「チェ家を守り立て、我が一族を没落させた松林を滅ぼす、大湖国を手に入れる」と王妃は言い、キルチュを殺した者を見つけ、氷の石が王室にあることを知られたのなら、その者を必ず殺すようにと言った。
世子とウクの対決の日がやってきた。
迎える松林には、チン・ム、鎮妖院はじめ、次々と都の名士たち、術士たちがやってきた。
世子も、もちろん来た。そして王様と王妃様のお成り。
パク総帥が、ことの経過と決まりを説明した。
「ひと月前、世子コ・ウォンは、チャン家の長男ウクに果たし状を送付。ウクに代わり松林が受け取った。署名した術士はたとえ命を落とそうとも相手にその罪を問えない。
正午に対決を始める。時間までに来なければ、敗北と見なす。
チャン・ウクが棄権し、現れなかった場合は、天附官 官主の後継者となる資格を剥奪する」と。
正午丁度に、ウクとムドクが到着、ウクが署名した。
対決が始まった。
両者譲らず、、、しかし、だんだん追い詰められていくウク、、、
ムドクは2階に上がった。イ先生に事前にお願いして、弾水法で使う水を置いてもらったのだ。しかし水がめが割られていた。怪しいと思ったチン・ムが部下に割るように命令したのだ。
ムドクはとっさに、小刀で自分の手のひらを切り、
「ぼっちゃま」と血を投げた、、、それを剣で切る ”弾水法”、、水の力で、世子が投げ飛ばされた。
対決終了、、ウクの勝利
チン・ムは「謀略だ、無効だ」と叫んだ。「今のは弾水法、治水の術士しか使えぬ。師匠は誰だ」と。
ウクは「いません。水の気を集められないので、本物の水を跳ね飛ばしただけです」と答えたが、パク総帥からも「誰と一緒に修行していた?」と聞かれた。
「私だ。私がそばにいた。ウクの言う通り」とイ先生が出て来て言った。
「あの方はソ・ギョン先生の直弟子のイ・チョル先生だ」とホ院長が師匠に駆け寄った。
「イ先生が証明してくださいました」と総帥がウクの勝利を宣言した。黙るチン・ム。
王妃は退場するとき、チン・ムに「チャン・ウクを天附官に引き入れて」と囁いた。
チン・ムは急に態度を変え「師匠がない身ゆえ、天附官がウクを受け入れます」とウクに言ったが
ホ・ヨム院長が「ウク、セジュク院に来い」、
チン・ホギョンが「鎮妖院に来ては?」と誘った。
最後にパク総帥が「ウクが松林に入りたいのなら、受け入れよう」と言った!
ウクは小声でムドクに相談。
「チャン家のチャン・ウク、松林の精進閣に入ります」と宣言した!
感 想
まず、ウクはキルチュに還魂されませんでした、、ほんとに良かったです。目隠しをしたムドクに助けられたようです。
しかし、キルチュは還魂人になって、あえなく死んでしまいました。
ウクは、「氷の石」があれば還魂人の暴走を抑えられ、それは宮殿にあることを突き止めました。
そこで、第6話ごろから急に出てきた、謎の王妃です!彼女が氷の石を持っている、その為、還魂を起こすことができる追魂香も作れ、チン・ムに与えていたようです。
ラスボスは王妃だったのか!地下でチン・ムに会った時のメイクも派手!悪役感ありありです😎
チン・ムが対価として王妃に献上している品は一体何でしょう?追魂香に見合うほどの物とは?気になります。
新しい登場人物、ホ・ユノク。彼女は、ホ・ヨム院長の娘?または孫娘でしょうか? ウクがまたモテそうですね。
”ナクスの青い布” 流行ってますね!大好きな青、私も欲しいです😄
世子との対決を制したウク、”精進閣”へ受入れを許可されました。誰も彼を認めない訳には行きません。
ウクは、術師として、もう”治水”の域まで行ってるのでは?弾水法は、治水の域に達しないと使えない術らしいし。
異端児ではなくなったウク、今後は何が待ち受けているのでしょうか?
なお、7話・8話で登場した新しい言葉を 『用語解説』に付け加えましたので、ご参照ください。
第9話 あらすじ
世子との対決を制し、松林への受け入れを許可されたウクは、以下のものを授与された。
- 精進閣術士の正服
- 令牌:松林に入ることができる鍵を戻してもらった。松林と精進閣の物を自由に使える。
- 規律書:精進閣術士が従うべき規律が書かれた本
ウクとキム・ドジュは、トファの肖像の前に3つを並べ、松林の術士になったことを報告した。
敬大太湖の崖で、王妃とチン・ムが密談をしていた。
「帝王星を持つものが松林に入った」と王妃が言うと「氷の石を使った邪術で生まれた子。松林の災いになる」とチン・ム。
王妃は、キルチュを殺したは、チャン・ガンではないかと思い、チン・ムは、イ先生が怪しいと疑っていた。
10年前、チン・ムと王妃が、チャン・ガンの”氷の石”の封印を解いた。
ブヨンが氷の石を見つけたのだ。鎮妖院のチン・ホギョンが捜し続けている”長女”で、目が見えず眼帯をしているが、すごい神力を持っている。
チン・ムはブヨンを殺した。しかし「ブヨンを捜し出す」とホギョンと約束した。偽物を仕立てて、ホギョンを操り、鎮妖院を乗っ取るつもりである。
一艘の船が、敬大太湖を都に向かっていた。サリ村出身の小柄で眼帯をした女が乗っていた。
女は目が見えないと油断させ、乗客からの財布や宝石を盗んだ。陸に上がるや否や眼帯外した。
その眼帯には ”綺麗な花の紋”が施されている。女はそれをムドクから盗んだ。”眼帯’を返しにきたと言って、ムドクの厄介になるつもりである。
夜、チソル楼で、チャン・ウクの精進閣への歓迎会が盛大に行われた。
盛り上がっているところに、世子が酒を持って現れた。
「短期間で流水の域に達したチャン・ウクへの祝杯だ。今後は最高の術士まで上り詰め、我が国の誇りとなれ」と器に酒を汲んでウクに渡した。ウクは感謝を述べ、それを飲みほした。そして
「おつぎします。聖君におなりください、世子様」と今度はウクがお酒を汲み、世子に渡した。
世子が飲み干すと、ムドクが一歩出て
「どうか聖君に」と言い、拍手した、、、周りの全員がそれにつられて拍手した。
帰る世子をムドクが追ってきて「世子様の広いお心に感謝申し上げます」と言った。
世子は「大目にみたのはお前のためだ。今度、私と奴の間に割って入ったら、お前を先に斬る」と言った。
ムドクは「いつか世子様に斬られることがあっても絶対に恨みません」と言った後で「お怪我は?」と世子を気遣い、彼をいい気持ちにさせた。
鎮妖院では、2つの宝が壊れた。
1つは、中身のいなくなった”鬼狗”で、もう1つは”通鏡”(ムドクが閉じ込められた鏡)である。
ホギョンは「焼いて敬大太湖にまけ」とチョヨンに命じた。
そこに、夫が1人の眼帯をした女の子を連れて帰ってきた。ホギョンは、ブヨンかどうかを確かめるために、鎮妖院の扉の前に彼女を連れてきて彼女の手を置いた。しかし扉は開かなかった。
ホギョンは失望し、ブヨンの肖像画の前に置いてある”鎮妖院の紋がついた眼帯”を触った。ムドクの眼帯を盗んだ女が持っている眼帯にも、同じ紋が施されていた。
ホギョンは夫に「10年捜し続けてもまだ見つけられない。今後は、チン・ムがブヨンを捜してくれる。ブヨンのためなら、チン・ムとも手を結ぶ」と言った。
酔ったウクは、輿に乗せられ、松林の入り口まで戻った。ムドクは、当然一緒に中に入るつもりだったが、松林の者ではない為、入ることができなかった。諦められず、ムドクは外で待っていたが雨が降りだした。
酔って気分の悪いウクは、セジュク院に運ばれてきた。そこに、ホ・ヨム院長の孫娘のホ・ユノクが待女と戻ってきた。
院長が、ウクの世話をしているのを見たユノクは、自分を助けてくれた術士だと分かり喜んだ。ユノクの様子を見て、院長はウクの看病を彼女に任せた。
夜中に目覚めたウクは、自分を看病してくれているのはムドクだと思い込んでいた。
一方、雨の中、外で待つムドク。ソ・ユルが傘を持ってきて「ウクが規定を破ったら、松林を追い出されてしまう、帰った方がいい」と説得した。ムドクは「”何としても坊ちゃまの元に行く”と伝言してください」とユルに言い、帰っていった。ユルはその手に傘を差し出した。
翌朝、セジュク院のホ院長は、孫娘のユノクを、パク総帥とキム・ジュノに紹介し、「チャン・ウクに助けられたらしい」と話していた。
そこにウクが現れ、ユノクの手を取って誰もいないところに連れ出した。そして「お嬢さんを襲おうとした還魂人のことは秘密にしてください」とお願いした。
ウクは、総帥に、ムドクを傍に置くのを許可してほしいと直談判した。しかし、ムドクが還魂人だと知られる危険性を感じ、規定に従うことにした。
ウクは、訓練館の教室で、書物を渡され、全て覚えるまでここを出てはならぬと言い渡された。その部屋に、キム・ドジュが入ってきた。ウクの姿を見て安心した。
ムドクは、チソン楼の女将に「松林の令牌が欲しい」と頼んだが「見つかったら今度こそ殺される」とたしなめられた。しかし「松林に入る試験を受けなさい」と”松林の下人募集”のチラシをムドクに渡した。
ムドクはドジュにウクの様子を聞いた。「元気にしている。でも規則があるから外出できない」とドジュは言い、
「ムドク、坊ちゃまが心を寄せる人を知ってる?以前、話してたの。木のてっぺんにいる、鳥の卵みたいな娘に心を寄せてると。その子には坊ちゃましかいないと。女人に切ない感情を抱くのは恋情よ」と言った。
ムドクは、ウクがくれた青い卵の石を見ていた。”鳥の卵なら私だが”と、ウクと二人で超えてきた試練の数々を思い出した。
ウクもまた、赤い卵の石を見つめながら”ムドクに無性に会いたい”と思っていた。
感 想
9話でわかったこと、鎮妖院の長女”ブヨン”は、”ムドク”ということですね。
ブヨンは目が見えなかった。しかし”氷の石”を見つけることができるほどの”神力”を持った少女だった。
チン・ムは殺したつもりだったが、生きていた、、、。
ムドクとは、ブヨンの最高の”神力”を持った体に、高い術士”ナクス”の魂が入っている、、本当に面白い設定です。前回、ムドクが鎮妖院の扉を開けることができたのに、私は、彼女が”ブヨン”だと想像もしませんでした。
またムドク(ブヨン)は、鎮妖院の財宝の ”鬼狗” と”通鏡” で、2度命を落としそうになり、助かりましたが、2つの財宝は、もう妖器としても力は無くなってしまった、、ちょっと皮肉で、これも面白いです。
ムドクは、ブヨンであり、ナクスである、、、これをいつ誰が知ることになるのでしょうか?
ウクが松林に受け入れられることで、ウクとムドクは離ればなれになってしまいました。これは想定外だったようです。
ソ・ユルが、ムドクに強く惹かれているようです。いつも冷静なユルが惑っている感じが、切ないです。
世子も何気に”可愛げ”がありますね、”糞ムドク”を気に入ってます(笑)
チン・ムだけでなく、王妃もウクが”帝王星の生まれ”と知っています。2人の企みはどう動いて行くのでしょう。
総帥とドジュのチグハグな会話が今の所、コメディー部門のようです。総帥さん、剣術は最高峰だけど、女心はわからないようで、、(笑)。今回はあのイ先生でさえ、”断根茶”を切らしていて、ドジュに、ドギマギしてました(笑)
ウクとユノクの会話にも、ユーモアがたくさんありました。
衣装もすごく素敵ですね。精進閣の術士たちの正服、総帥の衣装、ムドクの衣装など、色の組み合わせやデザイン、見てて楽しいです。
第10話 あらすじ (神回)
チャン家では、キム・ドジュが使用人に、ウクの部屋を片付けさせた。そしてこの部屋が、ウクが思いを寄せる”鳥の卵”との新婚の部屋になることを願っていた。
しかし、ムドクは ”私たちが分け合ったのは、生存のための緊迫感、己を取り戻そうとする切実さ。望みを叶えたら、未練を残さず捨てると約束” と心の中で言った。
ウクは、課題の書物を暗記し全て書き写した。「これで出入り自由の身、家に帰ります」と言ったが、総帥は許可を出さず、「この本が読めたら、外に出ても良い」と1冊の本をウクに渡した。
それは精進閣を創立したソ・ギョン先生が書いた『心書』、表紙も中身も何も書かれていない”白紙”の本だった。読めるのは、高い術を習得した者だけ、最低1年は掛かると言われていた。
今度の総帥の狙いは、ウクに何もさせず、松林に閉じ込めることだった。
ウクは、窓を開けて、教室から抜け出そうとした。その時、ホ・ユノクが入ってきた。ウクは「このことも内密に」と言って窓から出た。ユノクは、教育係のサンホに「ウク様と話がありますので、2人にさせてください」と彼が部屋に来ないように牽制して、ウクの帰りを待つことにした。
ムドクは、松林から坊ちゃまが来たと聞き、大急ぎで家に戻ったが、いたのはソ・ユルだった。彼は、ムドクが心配で来たのだが「傘を返してもらいに来た」と言った。強風で壊れたと言うムドクに、それでは買って弁償してくれ、と町に繰り出した。
「傘は一本しかない。雨の日は外出しない、子供の頃の傷が痛むから」と言うユル。
「タニャン谷でケガをした。手当てしてもらったのにお礼も言えずに別れてしまったから、治らない」と。昔ナクスは、タニャン谷の高い木の上から、ケガをしたユルを見つけて、手当したのだった。
ユルは、緑色の傘を選んだ。一番高い傘、ムドクは苦い顔で払ったが、ユルは満足気だった。
その頃、ウクが家に戻ってきていたが、、。
次にムドクは、駄菓子屋さんで甘い物を選び「坊ちゃまに渡してください」とユルに頼んだ。
”松林の下人募集”の貼り紙を見たムドクは、用事がありますのでとユルと別れた。
ダングとチョヨンは相談中。
ダングは、ウクとまた破談になったチョヨンが友だちに噂されるのが可哀想で、偽の婚約者になっていた。チョヨンは「今日、人前でケンカして二人が別れたと噂になりましょ」相談したが、数日後の魔術団の公演を見に行きたいと、結局、破談は延期になり、二人で公演に行くことになった😄
サリ村から来たスリのソイ、目が見えないフリをして、あちこちでスリを働いてきたようで、屈強の男たちに囲まれた。
ソイは「私は目が見えません、助けてくださーい」と叫んだ。そこにソ・ユルがきて、彼女を救った。杖を折られたソイに、ユルはムドクから買ってもらった傘をあげた。
目が見えないふりをし、傘を杖がわりに歩くソイ、、何者かに気絶させられ、連れて行かれた。緑の傘が残された。
ムドクは、”松林の下人募集”に申し込んだ、125番。
ウクが家で待っていると聞いたムドクは、走って家に戻ったが、ウクは丁度出た後だった。ムドクはウクを追った。
舟で帰るウクを見つけ「坊ちゃま」と呼び、「待っていろ、そこへ行く方法を見つけた。採用試験に応募する」と言って、”下人募集”の紙に石を入れて包み、舟の上のウクに投げた。
チン・ムと王妃の密談アゲイン。
王妃は、世子がウクとの対決の後、松林に歩み寄っていることを心配していたが、チン・ムは「ウクの星座盤を見れば気が変わりますよ。ウクを殺すしかないのです」と言い、二人は天附官地下の密室へ。
二人は、チン・ボギョンを倒し、鎮妖院の力も手に入れるつもり。秘策が目の前の大きな壺の中に、、、そこには、気絶したスリのソイが入っていた。
松林、精進閣。
ユノクが部屋に入って4時間、教育係のサンホは、ウクが一緒にいるかどうかを確かめに部屋に行った。ウクとユノクがいた。その場は収まり、ユノクは下女と帰って行った。
ムドクはドジュに、坊ちゃまのお世話をするために、下人募集に申込んだと言った。
ドジュは、チャン家の力で入れてあげると、採用責任者に会いに行った。綺麗なピンクのスカーフを持って。それが総帥にバレ、”賄賂だ”と非難されたドジュは腹を立て出て行った(笑)
ウクは、『心書』を開き、白紙のページをじっと見ていた。
「まだ無理だ」とイ先生が入って来た。
「この”心書”には、ソ・ギョン先生の書いた詩が書かれている。誰も知らない秘密を教えよう。
”心書”に書かれた詩は、恋文だ。恋文だと気づいた術士は誰もいない。ソ・ギョン先生は、目の見えない女性を思い、心で読めるように書いたのだ。恋文だと分かったなら、読み方を考えろ」
ヒントを与えて、イ先生は出て行った。
ホ院長が「寒いタニャン谷に帰らず、ここにいては?」とイ先生を気づかった。「楽に過ごしていても修行は成し遂げられぬ」とクールに言う先生だが、キム・ドジュを見かけドギマギ、、彼女は先生に近寄り「その服で寒くないですか?」と例の賄賂のピンクのスカーフを首に巻いた、固まるイ先生、「それを巻いて大丈夫ですか?」心配するホ院長、、(麻のイ先生が、絹で、それも超派手なピンクですからね🤣)
”松林下人 選抜大会”の試験が始まった。
ユルとダングは、応募名簿に”ムドク”の名前を見つけ、セジュク院で治療を終えた世子も、下人を選ぶ選抜大会に、糞ムドクも出ている、と聞いた。
会場では、最初の筆記試験の用紙が配られた。「満点のみ通過」という厳しいルール!
ダングが問題用紙を入手してユルに見せていると、同じものを持った世子が歩いてきた。
3人で、頭を突き合わせて問題を解いた、満点の回答!
この答案用紙をムドクに渡さなければ、と言うことになり、世子が行くことに。
案の定、ムドクは苦戦中。そこに世子が来て、、ムドクの前に畳んだ答案用紙を落とした。
見事、ムドク合格! 喜ぶ世子たち3人👍
次は実務試験:食事の用意、掃除や洗濯の腕を評価、ムドク合格!
最後の試験:5里離れた井戸から水をくんで戻り、先着順で5人が最終合格。
ウクは1日中『心書』を見ていた。総帥が来た。
ウクは「ソ・ギョン先生の周りに目の見えない女性が?」と総帥に聞くと、
「200年前の大混乱の時、ソ先生を手伝ったのが、鎮妖院の初代院長、その方は目が見えなかった」と答えた。
恋文だと気づいた者は誰もいない。恋文だと知っている人だけに見える方法とは?恋文の書き出しは何だ?
ウクは、総帥に「最後にもうひとつ。鎮妖院の初代院長の名前は?」と聞いた。
「その方は、チン・ソルランと言う」と総帥。
ソルラン、白い雪に咲く青いランの花。
その名前が鍵、白紙のページに、雪原が現れ青いランの花が咲き、詩が浮かび上がってきた。
ーーーその頃、ムドクは、大きな甕を担いで走っていた、、水を汲むためにーーー
水は握れないが 土に秘められている
火は触れないが 木に秘められている
風はつかめないが 岩の上で休んでいる
そのままにしておけば どこにでも存在する
かすかな青い光に ため息が出る
漏れ出た白い息が 雪のように砕け 涙の滴となるゆえ
とても落とせずに 隠したものだ
空けておけば 満たされるのに
愚かで切なくて 1滴の涙すら流せぬ
愚かな私は 1滴の涙すら流せぬ
ウクは、読んだ”心書”を紙に書き写し教官のサンホに渡して、部屋を出て行った。
ムドクは、水が入った大きな甕を背負って、走って戻る、、
世子が、ユルが、ダングが、見守る、応援する、、
4人が戻ってきた、、、あと1人だ。 ムドクはもう走れない、杖をつき、1歩ずつ歩く。
”どんなに惨めであっても、今できることをしよう。何もしないのなら、死んでしまえ” (ムドクは自分に言う)
門の中に入り、前を行く一人を、最後の力を振り絞り走り、抜いて、ゴール、
「125番 ムドク 合格」
「ウクがやり遂げました」、サンホから、ウクの書いた『心書』を見せられたパク総帥。
ウクはセジュク院に。試験場で倒れたのムドクを連れて行ったのだ。
「そう言えば、いつもウクのそばにいた、待女、ムドクが、、」総帥はつぶやいた。
「俺の読んだ文章は、ソ・ギョン先生の恋文だ。字が見えなかったのは、目が見えないから心で読んでもらうため。でも恋文は渡せなかったんだな、だから、松林に残っている」ウクはムドクに言った。
「見ることも渡すこともできなかった恋文か、実に愚かで哀れな恋文だ」とムドク。
「手紙ならこうして渡さないと」とウクは、ムドクが投げた”松林 下人募集”のチラシを懐から出した。
「それが手紙か?」とムドク。
「どんな形であっても気持ちが伝われば手紙だよ。師匠の努力を見て、弟子の道理として頑張ろうと思ったよ」とウクは言い、
「読み取った通りに俺も答えようか。書いてあるだろう ”お前に会えるなら何だってやれる”。それに対する返事だ、俺も会いたかった」と。
私が渡したのは、見えてもならない、伝えてもならない、愚かで哀れな私の恋文だ (ムドクは心の中で言った)。
感 想
10話、神回でした!
ユルのムドクに対する気持ちも切なく、
下人試験を受けるムドクを応援するダルク、ユル、世子たちが、すごく優しくて、
ムドクが大きな水甕を背負って どんなに惨めであっても、今できることをしよう。何もしないのなら、死んでしまえ” と心で唱えながら走る場面が美しく
清々しい回でした。
ソ・ギョン先生の恋文(詩)をそのまま書き写しました、美しいので。
でもこの恋文は、見ることも渡されることもなく、
ムドクの恋文をウクが受け取りました。そして、ウクもやり遂げた、『心書』を読んだのです。
”松林 下人募集”、恋文とは対極にあるようなこのチラシが、”愚かで哀れなムドクの恋文” だったなんて、、この脚本、素敵すぎです❤️
第11話 あらすじ
「俺も会いたかった」とウクは、ムドクからの手紙(チラシ)を彼女に渡し、思いを伝えた。ムドクは、無かったことに、と燃やしたが、ウクは「”心書”を読み、見えないものが読めるようになった」と、ムドクの目を見て「消えていない、隠れただけ」と。
二人は思いを確認したが、それは弱みを分け合ったこと。ムドクに、お前は毒を飲んだ。相手が解毒剤ゆえ離れられぬ、と言われたウクは、確かに、お前は俺を苦しめ危険に晒した酷い奴なのに、頭から離れない。四六時中会いたい。解毒剤のお前に、これから逐一症状を訴えるからな、、と(愛の)告白をした。
ユルは、ムドクに荷物を渡し、タニャン谷に置いてきた笛を見せた。「拾ったのか?私を慕っているから」とそうではないことを知りながら言うユル。「お慕いしてます。1000回でも言えます」と言うムドクに傷つく。ユルは「本当に好きなら何回も言う必要はない。1回言うのさえ難しい。笛の持ち主にその1回を伝えられなかった。すごく好きだった」と今、彼はムドクの中のナクスに告白した。
タニャン谷のイ師匠の住まいに、ホ院長が訪ねてきていた。イ先生の胸元にピンクのスカーフが!
院長が、ウクが「心書」を読んだと伝えると、先生は「心書」は鎮妖院に渡すようパク・ジンに伝えよ、と言った。
先生は、総帥から、ウクの誕生の秘密を聞いていた。それを、チン・ムが知っていることも。そして「もし彼らが氷の石を持ってるのなら、どんな名分で氷の石を奪えば?」と聞かれたことを思い出した。
ウクは全然やる気がない。初日から、松林での訓練をサボろうとしていた。ムドクがハッパをかけても反抗的。ウクは家に帰った、総帥が特別に許可していた。
総帥は、鎮妖院に「心書」を持ってきたが、先客がいた。チン・ムだと知り、ホギョン院長が仲が悪いチン・ムを受け入れていることを怪しんだ。
ホギョンは、10年も行方知れずのブヨンを諦めきれない。ブヨンは13ヶ月間もお腹にいた子、チャン・ガンに頼んで、氷の石で、死者の魂を呼び寄せ、生まれてきた子だった、、。
天附官地下の密室。チン・ムは、目の見えない5人から、ブヨンの似顔絵に似た、スリのソイを選んだが、、彼女は目が見えた。しかし、ソイは、見えないフリをしてやり遂げて見せますと、チン・ムの術に耐えた。
ムドクは、ウクをやる気にさせるために、世子と賭けをした。
精進館の10人の術士たちと闘わせ、1人でも倒せば、ムドクの勝ち、全員に負ければ、負けである。賭けの品として、ムドクは、ウクからもらった”青い卵の石”を世子に預けた。
ウクが”赤い卵の石”を持っている。2つで対をなす石、愛する者同士が持つ石だ。
10人と対決すれば、10個の新しい技を学べる、それがムドクの狙いだった。
その頃、ウクは家に帰り、キム・ドジュから温かい言葉を聞いた。しかし、タニャン谷で修行していた時は幸せそうだったと聞き、松林に戻った。
すぐに、訓練館に行けと言われ、突然、対決が始まった。世子がいた。ムドクと賭けをして、ウクが試合を断ると、青い卵の石は、自動的に世子の物になってしまう。
ウクに勝った術士は、世子から”金のカエル”をもらえるので、本気である。
1戦目、ウクはすぐに負けた。
ウクは、弱みを利用するムドクのやり方に怒ったが、ムドクは「私がもらった物の中で、最も大切なものだ」と言い、一人に勝って、”青い鳥の石” を世子から取り戻してくれ、と言った。
イ先生は、チャン家を訪問してキム・ドジュに会っていた。例のピンクのスカーフをして。
「寒さを感じたことがなかったのに、これを巻いて今までの寒さに気付いた」と言い、野の花束を彼女に渡した。
パク総帥も、ドジュを訪ねてきた。ケンカしてから、ドジュは、松林に行っても総帥には会いに行かなかった。総帥は、心配して来たが、手ぶらだった。ドジュは「見舞いに来たなら、花が欲しいです、美しいものを贈りたと言うその心が」と。
総帥は、ドジュに贈るために、町の花屋で端から端まで花を買っていた。そこに、ダルクとチン家のチョヨンが手を繋いできた。二人は偽の婚約者を演じているうちにお互いの気持ちが寄り添ったのだ。
総帥はダルクに、松林の後継者なのに、それを捨てて、チン家に婿に入るつもりかと怒ったが、ダルクは、長女が院長になります、行方不明の姉を天附官が捜している、それでチン・ムが毎日来ている、と総帥に話した。
総帥は、イ先生に「チン・ムが鎮妖院を味方につけようとしている、そうすれば、松林に匹敵する勢力なる。松林を恐れなくなれば、氷の石を世に出すつもりでしょう」と言った。
氷の石は、一見の氷のような石だが、実際は、火や水、そして風でもある。誰かが、氷の石の力で、追魂香を作っている、と。
その通り、天附官の地下では、王妃が作った追魂香が、またチン・ムに渡されていた。還魂術を受けたい老人が、若者を連れて来ていた。チン・ムの還魂術で、老人の魂が若者に入った。その儀式を多くの人が見ていた、そこに、ブヨンになりすます”ソイ”がいた。
チン・ムは、ソイに「お前の母となるチン・ホギョンの心をここに連れてくるのだ」と命令した。そこにある人物が来て、ソイを見て、適任と言った、ホギョンの夫だった。
ホギョンがここに来たら、氷の石を世に出す、とチン・ムは言った。
イ先生は「チン・ムの勢力が、思いもよらぬ深いところに及んでいるおそれも、、氷の石を抑え込むために帝王星が昇ったのか。200年前争乱を終わらせたソ先生も帝王星の下に生まれた」と言うと、「邪術で生まれたウクと先生は違うでしょ」と総帥。「だから気になる。新しく現れた星が静かに消えるのか、それとも輝くのか」と先生は言った。
ウクは、毎日、1人ずつ術士と対決し、毎日、負けていた。金のカエルは、1つずつ減っていき、残り3コとなった。
感 想
ウクとムドクの恋心を、二人は”毒におかされた” と表現し、ウクの愛の告白は、今までどのドラマでも見たことのない、独特のものでした、、。
二人の愛は、険しいです。ムドクは、ウクに、術士として最高の技量と力を習得させるために、今度は、世子を利用して、自分たちにとって、一番大切な”青い卵の石”を賭けた。ムドクは、ウクに対して、どこまでも非情で、残酷です。ウクも苦しい、けれど、ムドクの罠を絶対拒否できない、、、ほんと”逃れられない毒”のようです。
ユルのムドク(ナクス)への思い、、切ないです。
イ先生と総帥は、チン・ムの企みの目的がわかってきたようです。
総帥が、ウクの出生を、”邪術による”あってはならないことと考えているのに対して、イ先生は、還魂術で帝王星の下に生まれたウクの可能性に興味を持っている気がします。
また、ブヨンの出生にも秘密があり、彼女も ”氷の石”の力で生まれることができました。
氷の石の力で、帝王星の下に生まれたウクと、目が見えないブヨン(ムドク)、二人は、ソ先生と先生が愛したチン・ソルランの生まれ変わりのように思えます。
断根茶を飲んでいたイ先生の方が、パク総帥より、女心が分かるようですね。イ先生、麻の衣類の下に少し見えるピンクの首巻きが、とてもいいですね🌹
第12話 あらすじ
ウクは、8人目の相手と対決し、善戦したが敗れた。ユルは、ウクは成長している、この調子なら最後の対戦相手を負かせるかもしれないと思っていた。
セジュク院で治療を終えた世子、ムドクから賭けで預かっている”青い石”に気を入れると、石が光を発し、胸がドキドキして、石に導かれた。一方、ウクの”赤い石”も同じように光を発し、彼も導かれ、、2人は橋の上で会ってしまった 、、。
天附官の地下で、還魂術を終えたのは、”テガン通運”の客主だった。彼の魂は、次の客主の若い体に還魂された。チン・ムは、老いた客主が還魂人だとバレないように、刺客に始末させた。
カン客主の死を不審に思うパク総帥とホ院長は、遺体の検視を求めたが、新客主は頑として受け入れない。そこに、チン・ムと鎮妖院のチェ院長たちが来て、松林が口出すことではないと、引き下がらせた。
総帥は、チン・ムの企みをイ先生に話した。
カン客主は高い術力を持つ方だったが病気で死にかけていた、刺客を送って消す必要がない。
そのことから、首斬りナクスが殺してきた者たちは、チン・ムの還魂に使われ、還魂人にされた人たちだったと気づいた。
チン・ムは、幼いナクスを山の中に置き去りにし、刺客に仕立てた。ナクスはチン・ムに従い、命懸けで修練した、親の敵を取るために。
しかし、還魂人が暴走し、悪事の発覚を恐れたチン・ムは、死ぬと知りながらナクスを松林に送ったのだ。
「散々利用されて、無惨に殺された。ナクスの人生は寒かったに違いない」とイ先生は言った。
その話をウクが聞いていた。
働きづめのムドクに会ったウクは、「このところ大変だから慰めてくれよ」と自分がムドクを抱いた。「温かい」とムドク、、ウクは ”寒かったナクスの人生を” 温めたかったのだ。
カン客主が、火葬される夜、総帥たちも立ち合った。もちろん、チン・ムも来た。
実は総帥は、その前に、ユルに屋敷に忍び込ませ、カン客主に痕があるか確認させた。還魂人は水の気が抜けると暴走する、ユルの治水の術で、体に水の気を注ぎ込み、カン客主の体を暴走させていた。
客主の棺に火が焼べられ、燃え上がった。火が消え、出て来たのは、石化した還魂人だった。
邪術の証拠が出たので、ここから松林が調査すると総帥は言った。
新客主が、総帥に斬り掛かり、カン客主の魂が入っている還魂人と見抜かれた。逃げようとする新客主をユルが斬った。血を流し、水の気が抜け暴走しはじめた、、チン・ムが、部下に殺せと命じ、還魂人は逃げ出し、橋の上から下に落ちた。死体は、松林が引き取った。
還魂人はセジュク院に運ばれた。総帥と院長は、生き返らせるつもりである。
ムドクが還魂人だと知っているユルは、彼女が石化するのを想像した、、。
ユルはウクに「今、還魂人を斬った。痕さえ消せれば普通の人間と同じだが、暴走したら隠しようがない。もう人間ではなく化け物だ。化け物から世界を守るのが私たちの仕事だ」と言ったが、
「世界から化け物を守るさ。守っていれば何の問題も起こらない」とウクは言った。
宮殿では、キム内官が、王妃に「暴走しないか怖い、私にも氷の石の力を分けてください」と最初は丁寧に言ったが、「王妃の体に入っているのは、巫女のチェ氏と知っているのは王宮で私だけ、鎮妖院にいるお前の弟を呼べるのは私だけ。お前の体に入っている本物の王妃様にも、私が時々会いに行かないとな。チン・ムに私を別の体に還魂還させるように言え」と偉そうに言った。
ウクは、9人目の挑戦者、ダングが ”負けてやる”と言っているのに、棄権し、残りのカエルは1個になった。
チン・ムが、松林に、還魂人の遺体がどうなったか聞きに来たが、総帥は会わないと言った。
しかし、キム・ドジュが、菓子を持って来て、屋敷の前でチン・ムと話していた為、総帥は2人を部屋に招き入れた。
ドジュ手作りの”薬菓”を見たチン・ムは、懐かしがったが、ドジュから「官主に渡すように頼むと何個かくすねていたでしょ」と言われた。「官主のおかげで、甘い薬菓も食べられ、特別な術も習えた」と総帥の前で皮肉を言うチン・ム。総帥は、チン・ムに菓子1個も与えなかった。
術士たちが訓練館に集められ、外出禁止、流水以上の術士は全員、セジュク院へ行くように命じられた。しかし、またウクだけは例外で「残るように、外に出てもいい」と言われた。
ドジュは、食べ物の恨みで、報復してきたチン・ムを恐れた。もう1包みの菓子(ウク用に用意した物だったが)を、”天附官”に届けるようにムドクに使いを頼んだ。
ムドクに会ったウクは、一緒に、”天附官”に菓子を届けに行くことに。
天附官では、キム内官が、チン・ムに、私もあの巫女のように、身分の高い地位に就きたいと新しい体をほしがっていた。
天附官の門番に、菓子を預けたウクとムドクは、「見学しても?」と中に入った。ムドク(ナクス)は、幼い頃よく来た、と懐かしがった。ウクは父が官主だったのに来たことがなかった。
地下室で、チン・ムがキムを刺した。キムは、追魂香の入った箱を床に落として逃げてきた。人の気配を感じ、ウクとムドクは隠れた。二人は、暴走する還魂人のキム内官を見た。
チン・ムが追いかけて来て「出てこい」と呼んだ、、、ウクが姿を現した。
「ドジュの薬菓を持って使いに来ました。そのついでに見学を」というウク。チン・ムは驚いたが、冷静に「帰れ」と。ムドクも出てきて帰ろうとしたが、彼女が濡れた床を踏んだ(追魂香?)、それを見て、チン・ムは、ドアを封鎖した。
ウクは、チン・ムの張った結界に閉じ込められてしまった。
チン・ムは、「人間が1人いるから出てきて気を吸い取れ」とキム内官に聞こえるように言い、出て行った。
石化しているキム内官がムドクに近づいて、気を吸い取ろうとした。ムドクの顔が変わっていく、、、
ウクは、決死の覚悟で、飛び出した、、結界が解けた。
ムドクを見つけると、彼女は、気を纏って、キムの顔を押さえていた。キムが倒れた。
ムドクは「私が人の気を吸い取った。暴走しているのか?」近寄ろうとするウクに「来るな。私に触れたお前は死んでしまう」と涙を流した。
ウクはムドクを抱きしめた、、。
感 想
ウクのムドクへの愛は深~いです。
1. 寒かったナクスの人生を、温めたはウク。
2. 「世界から化け物を守るさ。守っていれば何の問題も起こらない」と言うウク。
3. 「近づくな、お前は死ぬ」と泣くムドクを、躊躇なく抱きしめました。
”王妃”も還魂人だったとは、驚きでした。そして、チェ氏とは? 鎮妖院にいる弟とは、チン・ホギョンの夫のことでしょうか? 本当の王妃はどこにいるのでしょ?今後、登場するのでしょうか? また謎が増えました。
ユルとウクの還魂人に対しても違いがわかる回でした。期待されて来たユルと、何もするな、と言われてきたウク。ユルもムドク(ナクス)愛していますが、還魂人であることも知っているわけで、ウクより複雑かもです。
還魂術は邪術ではなく、本来は、換水の域に達した術士だけが使える”術”なんですよね。但し、換水まで到達できたのは、精進閣を設立したソ先生とその直弟子のイ先生だけのようです。
ウクが、まだずっと先だと思いますが、換水の域まで達する術士になるのでしょうか?
第13話 あらすじ
ウクは、キム内官の気を吸ったムドクを抱きしめた。
ムドクの手が、数星台の水に触れると、水の気が空中に漂い、数星台の上が開いた。そして、大きな雷が数星台の上に落ち、台が壊れた。
倒れたムドクは、鏡から出た時のように、また目が見えなくなったが、回復した。
天附官から逃げられないと悟ったウクは、陰陽玉の赤い石に気を入れ、”救世主の世子”呼んだ。青い玉に引かれて、世子が天附官に向かった。
チン・ムは、キム内官が石化して死んでいるのを見つけ、部下に片付けさせ、隠れているウクを呼び出した。
ウクは「もうすぐ、世子が赤い石に引かれてくるが、石は死んだ還魂人の懐に入れた。世子は、還魂人の死体を見る事になる」と言った。チン・ムが、地下に隠した石化したキムの懐を探っている間に、世子がウクに会っていた。
世子が呼んだパク総帥もやって来た。
ウクは「数星台で、還魂人を見た。チン・ムは、それを隠すため、私を結界に閉じ込め、ムドクを還魂人の餌にしようと。還魂人はキム内官だった」と言った。
そこに王妃が到着した。還魂人はキム内官だったと聞いた王妃は「キム内官なら私と一緒にきました」と言い、キムが姿を現した。
ウクとムドクは、驚愕したが、、
王妃とチン・ムは、この危機を脱するために、”氷の石”を使い、キムを生き返らせたのだった。
ウクたちは、氷の石が使われたと分かったが、「見まちがいでした。生きていたので、私が言ったことはウソになります」と謝った。
総帥は、王妃とチン・ムに謝り「数星台は、松林が責任をもち元どおりにします。ウクは松林で罰します」と。またムドクのドタバタ劇の末、うまくウクたちを連れて出した。
天附官を出たウク、パク総帥たちには、キム内官が、氷の石で生き返ったこと、”氷の石”はチン・ム側にあることが分かった。
総帥は、還魂人を生かしてしまう氷の石は邪悪な力、必ず消さなくては、と言った。
天附官では、生き返ったキム内官の体から、王妃が術で氷の石を抜き取った。キムはたちまち石化して死んだ。王妃は、ウクをみくびってはならぬ、とチン・ムに念を押した。
キム・ドジュは、イ先生に「チャン・ガン様とチョ・チュン様は親友だった、しかし、チョ様は、邪術に溺れ、一族を全滅させた。チャン・ガン様は、行方不明になった一人娘を必死で捜して、20年も家を出たまま。戻れない理由が他にもあるのか」と心配していた。
イ先生は「20年前にその子が見つかってたら、チャン・ガンの罪悪感も少しは軽くなっただろう。チョを罰した理由と事情が複雑にもつれて縁になった」と言った。
チョ家とチャン家の悪縁が今も続いているのかと心配するドジュに、「その子は死んだ」と先生は言った。ドジュは「供養してあげないと。坊ちゃまに悪霊が取り憑かないように」と言った。
ウクは、謹慎中として自宅に戻ることを許された。ムドクに、タニャン谷で修練しようと提案したが、彼女は「二人っきりになるのは避けたい。お前を食うかもしれぬ」と内官の気を吸った自分が、いつ暴走するかもしれないと恐れていた。「私から逃げても、斬っても構わぬ。だがお前を食ったら、私は耐えられぬ」と。
ウクは「心が震えた。”会いたい”より、”食われるな”が胸に響いた。お前に食われぬように必ず氷の石を見つける」と言った。
ウクとムドクは、家でイ先生に会った。
先生は「明日から敬天太湖へ釣りに行こう」とウクを誘った。乗り気でないウク、しかし、ムドクは、先生から「金騰魚の釣り方を教えてたかったのに」と聞き、ウクに先生と釣りに行くように説得した。
敬天太湖の崖で、餌もつけず、竹製の竿を垂れるイ先生。
「金騰魚は、水の気を食うのだ。私の水の気が竹を伝い、金騰魚の餌になる。そして敬天太湖の水の気を押し引きし食らいつくのを待つ」
と、先生の竿がしなった、、先生が竿をあげると、糸の先には黄金の”金騰魚”がかかっていた。
「あれが”金騰魚”だ。敬天太湖の水の気が塊となったものだ。体外の水の気を操る治水を会得せねば釣れぬ」と先生は言った。
イ先生は、釣りではなく、治水を会得する術を教えてくれてるのだ。
敬天太湖で水の気を釣れる者が、治水を会得できると聞き、ウクは俄然やる気に!
パク総帥は、鎮妖院の院長ボギョンを訪ね、「ナクスが殺人を犯した家に還魂人が隠れてないか、妖器で捜してほしい」と頼んだが「確かな証拠もなく、術士の家に妖器を持ち込めば、鎮妖院は大きな恨みをかう」と断わられた。
「チン・ムがこの家の長女を捜す対価として、松林に手を貸すなと?」と問う総帥に「総帥の指示に従うのが正しい?鎮妖院は、松林の下人ではありません」とボギョンは返し、もの別れに終わった。
スリの”ソイ”は、チン・ムとボギョンの夫の指示で、”チン・ブヨン”に仕立て上げられていた。ホクロから傷跡まで、母親が覚えてる通りに刻まれていた。
ムドクは、ドジュから「今日は法事の準備を手伝ってほしい。うちと悪縁のあるふびんな女の子の魂を供養する」と言われた。
祭文には、供養する者の名前、”チョ・チュン、チョ・ヨン”と書かれていた。
ムドク(ナクス)の父と、彼女の本名だった。
ウクは今日も、イ先生と釣りに。
ウクの竿の先に、先生がミミズを付け、ウクは本物の魚を釣った。その魚を焼き、ドジュの松茸ご飯のお弁当を食べる二人。
「焦るな、魚が針を食ったかのように、一瞬 感じる時が来る。それが水の気を操る境地」と先生。
ウクは、イ先生が親切に教えてくれるのは、キム・ドジュに気があるからだと思っていた。「でも先生は断根を、、」と言うウクに「そんな世俗的な感情ではない。美しくて温かい人を見守っているだけ」と焦るイ先生。「それが好きという感情ですよ」と笑うウク。
「お前はムドクをどう思っている?」と聞かれ「好きです。先生とこんな世俗的な話をするなんて」というウクに、
「世俗的な話が時には役に立つ。ソ・ユルの初恋の話を聞き、ナクスの身の上が分かった。今日は、早めに帰れ、温かいキム・ドジュが、悲惨な死を遂げた子を供養するらしい」と先生は言った。
ユルとダングは、数星台の修理のため、天附官に毎日通い、チン・ムの動きを探っていた。
チン・ムがユルに「もう治水の域に?さすが、ソ・イル将軍のご子息だ」と話した。
チャン家では、”チョ・チュン”と”チョ・ヨン”の法事のお供えが整った。
「チャン・ガン様の友人とご息女よ。供養されてないようだから私が用意したの」とドジュが言った。
ムドクは「ドジュ様、感謝します」とドジュにお礼を言った。
ムドクは、法事のお供えの前に座り、長い時間、涙を流していた。
訪ねてきたユルが、法事の名前とムドクの姿見て「あの時、山からお前を連れ出してたら、今の状況を変えられたのに。だが今も、お前に何もしてやれぬ」とやるせない思いを抱いていた。
ウクは戻ってきて、切ない目をして、ムドクを見ているユルを見た。
ユルが部屋に来て「私はもうすぐ、西湖城に帰る。治水を会得したら帰ると父上と約束した。西湖城に帰る時、つれて行きたい人が。時がくれば話す」と言って帰った。
ウクは、彼が連れて行きたい人がわかった。
ウクはムドクに「明日、松林に戻る。明日は負けぬ、釣ったんだ」と言った。二人とも、最後の相手は、チャ・ボムと思っていたが、、。
ウクの最後の対戦。
世子が「私は賭けをした者と話し、今回の勝者には別のものを与えることにした」と言うと、ムドクが前に出た。「与えるのはこの侍女だ」。
「対戦する者は前にでよ」との言葉に、「私だ」と出てきたのは、ソ・ユルだった、、。
感 想
ワァー、そうきたか!と言う最後でした。
まさか、ウクの最後の対戦相手として、ユルが名乗りを挙げるとは、、。
ユルは、今の精進閣で一番に治水を会得した超優秀な術士。ウクも、治水を会得したようですが、、、明日の決戦はどうなるのでしょう!
ユルは ”ソ・イル将軍”のご子息で、西湖城に帰ると言ってました。”西湖”と言うのは、”大湖”のように、1つの国なのでしょうか? ソ・ユルと世子は従兄弟同士だし、いずれにせよ、名門のご子息ですね。
ソ家についても、これから語られていくでしょう。
”チョ家”が出てきました。ナクスの父チョ・チュンは、チョ家の出ということですね。
8話で王妃が「チェ家を守り立て、我が一族を没落させた松林を滅ぼす、大湖国を手に入れる」と言っていました。
チャン家とチョ家が悪縁というのも気になります。
”氷の石”は1個だけなのでしょうか?王妃は、キム内官を生き返らせるために、彼の中に入れて、また取り戻しました、、。
少ネタ:
今回も、天附官を出るときに、ムドクが世子に”ドタバタ劇”を仕掛けました。このムドクの性格は、ナクス?それともブヨン?と想像し、私はブヨンかなと思ってます。すごい霊感、能力を持つブヨンに備わった、ユーモアや機転のセンスかもと考えると、ちょっと愉快です😆
第14話 あらすじ
パク総帥とイ先生が話している。
総帥は、帝王星の下に生まれたウクが、世界を混乱に陥れる運命だと恐れている。
イ先生は総帥に、治水に上がるのにどれぐらいかかったかと聞き、総帥は10年と答えた。先生は13年、ホ院長は20年掛かっていた。
先生は「天地間を流れる水の気だと大げさにいうが、所詮、ただの水。我々が10年以上かけて手に取る水の気を、生まれつき知る者もいる。いわゆる”天才”だ。だが天才とは、世間の人々の目には、無謀で荒唐無稽で時には危険に見える。なぜなら我々とは違うからだ。ソ・ギョン先生の帝王星はこの世を救ったが、その反対になるかもしれないからな。もし消すべき力ならば、私が直接手を下す」と先生は言った。
ユルは「 化け物を世界から守るさ」と言ったウクを思い、化け物はナクス、そのために氷の石を探すなら、2人を引き離す、2人一緒に泥沼にハマったら取り返しがつかないことになる、と思っていた。
ウクの最後の対戦相手が決まるまでに起きたこと。
1. ウクは、敬天太湖で”金騰魚”を釣り上げ、”治水”を得た!
2. 世子は、ムドクが、ウクを特訓させるために”賭け”を持ちかけたことが分かり、腹立たしい気分。「最後の試合、ウクが負けて、お前が”青い石”を失って泣く姿を見たい。今日、勝ったら壊してしまう」と言ったが、ムドクは「決死の思いを分かち合えたので、心は消えない」と青い石に執着しないそぶりをした。世子は「それなら捨ててやる」と青い石を池に投げ入れた。それでも平静なムドクに「今回賭けるのはお前にする。ウクが負けたら、勝者の下でお前は仕えるのだ」と世子は言った。
3. ウクの最後の対戦相手は ”必ずにウクに勝てる者”でなくてはならない。世子は、松林最高の術士でいとこのソ・ユルに頼んだ。ユルは「承知しました。勝ってムドクを私の侍女にします」と約束した。
そして、最後の対戦、ウクとユルの対戦が始まった。
ウクは、これまで対戦した相手の技を習得して、強くなっていた。
そして、ウクは、”治水”を使った、、が、ユルの剣に空中を飛び、倒れた、、。
ユルの勝利。
ウクは負けたが「すごいぞ、治水」と術士たちから賞賛を受けた。
ケガをしたウクはダングに連れられて、セジュク院へ。”治水”を信じないホ院長に、ウクは実演した。院長は、体を痛めているウクを叩いて「天才だ!」と歓喜した!
ユルは待女となったムドクに「世話は要らぬ、ウクにも会いに行け。その代わり1つ頼みが。松林での修行を終えて西湖城に戻る時、連れていきたい人がいる、その人を連れていけるよう手を貸すと約束してくれ」と頼んだ。ムドクは、お助けします、と答えた。
総帥は、ホ院長から、ウクが ”治水”に上がったと聞き、心底驚いた。ウクに「イ先生と釣りに行った時に、何か教わったのか?」と聞いた。「金騰魚の釣り方を。弟子ではなく、理由があって指導してもらっている」とウク。彼が秘密を知ってしまったのか、と絶句する総帥だが、、。
ウクが知った秘密は、ドジュのこと。「イ先生はドジュが好きだから、私によくしてくれます、先生はうちに滞在しています」と。違った意味で、動揺を隠せない総帥だった。
ユルは、伝書鳩を飛ばしムドクに見せ、笛を渡し、吹き方を教えてあげた。ムドクが吹くと、鳩が戻ってきた。二人の様子を下から見たウクは、落ち着かない。
しかし、ムドクは、世子が投げ捨てた”青い石”を見つけるために、夜、池に入って探した。石を見つけなければ、ウクに会いに行けないから、、。
宮殿で、ホ院長の孫娘ユノクが、王様と世子に面会していた。薬のおかげでよく眠れるようになったと王様が礼を述べた。
しかし王様は、耳なりと頭痛が消えない、先日、還魂人が宮殿に入りそうになり、もう入っているかもしれない、誰も信じられないと心配していた。
ユノクは「王様の不安は精神的なもの。祖父の師匠のイ先生なら、王様の不安を取り除けそうです」と宮殿に招待することを勧めた。
チン家では、当主のボギョンの機嫌が悪い。何十人も目が見えない娘が来たのに、まだブヨンが見つからないから。
チョヨンは、そんな母に気を使っていた。父親チン・ウタクは、チョヨンを心配(なフリ)していた。
父は、チョヨンに髪飾りを挿してあげた。が、針を出し、わざと首を刺した。流れた血が紐のように細長くなり、彼の手の中で、生き物のようにうごめいた、、。
総帥の部屋の掃除をするムドク。机に、自分(ナクス)を射った弓矢が置かれていた。
総帥とサンホが入ってきた。ムドクは総帥にペラペラとよくしゃべり、最後に「健康に気をつけてください」と言って出た。総帥はサンホに、ムドクのことを調べるように言いつけた。
チン・ムは、ソイの前に、彼女が舟でだました女二人を縛って連れてきて、「見せたいものがある」と言った。
扉から顔を隠した一人の女が出て来た。「副官主、食べ物をありがとうございます」と言って、女は、二人の女の頭を抑えた、女たちは倒れて、石化して死んだ、、。恐怖に慄くソイに、チン・ムは「裏切るとお前もああなるぞ」と脅し、ソイを知っている者を聞き、片付けねばならぬ、と言った。
’青い石’を見つけたムドクは、ウクに見せるために走ってセジュク院に行ったが、ウクはユノクと散歩していた。ムドクは、ゆっくり2人に近づいた。
ユノクが去った後、、、ウクはムドクに突然キスを。
「相手の意表をつけと言った師匠の教えに、この弟子は従いました」とウク。冷静を装うムドク。
ウクは「宮殿に行く。王に招待されたイ先生の付き添いで。王妃をもう一度見られる」と言った。
「気をつけろ」とムドクは言い、「見つけたぞ」と青い石をウクに見せた、さも、ついでという風を装って。
イ先生に付き添って、ウク、ユル、ダングも宮殿に行った。先生も3人も正装!
ウクは、キム内官が死ぬ時に言った言葉から、王妃の体に、巫女のチェ氏が入ってるのだろうと思っている。
「ソ・ギョン先生の直弟子なら100歳を超えてますよね。どうやって若さの維持を?見た目は30代半ばかせいぜい40歳ぐらいに見える」という王様に、先生は、
「私の体は王様の見た通り。100歳を超えたのは私の魂で、これは私の体ではありません。体を入れ替えました。私は還魂人です。王様、還魂人を探すために私を呼んだのですよね。お探しします。私には還魂人の区別がつきます」と言った。
ウクは、”先生は、ムドクが還魂人だと知ってたんだ”と動揺した。
そしてもう一人動揺する人、王妃がいた。
ムドクが、総帥に呼ばれて部屋に入ると、サリ村からの彼女を連れてきた仲介人がいた。
総帥は、お前のことは全て聞いた、と言ったので、”バレるのか?”と動揺した、、しかし、仲介人が「ムドクは、目が見えないフリをしていた」とウソをついたので、バレずに済んだ。
外に出たムドクは、なぜ私のためにウソをと聞いた。チソル楼の主人から金を渡され頼まれたと仲介人は言った。そして「ソイに会ったか?あの女には気をつけろ。困ったら、渡船場の客桟に来い」と。ムドク(ナクス)はソイを知らない。
チソル楼の主人は、ウクから”もしムドクのことを聞く人がいたらこの金で処理を”と頼まれていたとムドクに話した。そして「ソイが数日前に来た、気をつけて」とも言った。
ムドクは、ソイのことを知るために、渡船場の客桟に仲介人を訪ねてたが、、その男は何者かに殺されていた。その時、ムドクの首に刀が、「お前が殺したのだな」と総帥が言った。
感 想
最初のイ先生と総帥の会話は、面白かったです。
パク総帥やイ先生でさえ、”治水”に上がるのに10年以上を要したのに、ウクはわずか数日で”治水”に上がった、つまり、ウクは ”天才”。総帥は、ウクが世界を混乱に陥れると心配ばかりしているが、イ先生は、生かすべき力か、消すべき力かを見極めようとしています。イ先生がいてくれて良かったです!
最後の対戦相手がなぜユルになったのか、なぜ、賭けが”ムドク”になったのかの経緯も分かり、スッキリしました。
ユル、優等生で期待された良家のご子息の雰囲気、すごくよく出てます。ムドクを見る目がいつもちょっと切なくて。そして、この良家のご子息には、ムドク(ナクス)を守るのは難しい、やっぱりウクよね、と思ってしまう。そんなことも思わせる若い俳優さんたち、本当に上手だなと思います。
世子は、可愛げがあります(何気にファン!)、なんだかんだ、いつもムドクの味方です!
チン・ウタク、かなり怪しい。チョヨンの首から血が、生き物のようにうごめいてて気味が悪かったが、あれが、ソイに使われるのでしょか?ブヨンになるために、、。
イ先生、還魂人だったんだ!! 先生は、”換水”まで上がっている方だから、氷の石で作った”追魂香”は必要なく、正式な術としての”還魂術”が使える方なんだと思いますが。
サリ村からきた仲介人殺し、ムドクが総帥に疑われてしまった、、どうなる?
13話で登場した新用語 ”金騰魚” と 14話での”治水”の詳細の説明を、用語解説 に付け加えました。
第15話 あらすじ
ムドクが、渡船場の客桟に行く少し前に、ソイとチン・ムの部下が来て、ソイを追っていた ”ならず者”と、仲介人のキムを殺した。
ソイは、ムドクとすれ違ったが、お互いに気づかなかった。
ムドクは客桟で、チン・チョヨンに会った。彼女は、”魔術団”の転売券を2枚買っていた。チョヨンは「ここで会ったことは秘密に」とムドクに頼んだ。そのすぐ後、パク総帥とサンホが入ってくるのを見た。
ムドクが、仲介人のキムの部屋に入ると彼は殺されていた。そこに総帥たちが入ってきた。その時、別の部屋から悲鳴が、、ならず者たちが殺されていた。総帥たちが調べに行った隙に、ムドクは逃げた。
彼女は、チソル楼の主人に会いに行き、ソイについて聞いた。主人は、門番が顔を見たはずと二人の住まいにムドクを連れて行ったが、二人とも殺されていた。
総帥は、キム・ドジュに「ムドクが殺人をした疑いが。客桟で男が数人殺されて、そこにムドクがいた」と言った。「ムドクが殺人など犯すはずがない」と言うドジュに、総帥は「ムドクの過去を探ろうと呼んだ者が死んだ、ムドクは弁明もせずに逃げた、ムドクは何かを隠している」と話した。
王宮では、イ先生が「私は還魂人です」と”換水”で還魂人になったいきさつを話した。
先生は100日間の修行を終えた時、命が絶えたが、同じ時に凍死したまだ幼い少年の体に”換水”の術を使って、還魂したのだった。それを、ホ・ヨム院長は知っていた。
王様は「換水とはすばらしい力ですね。還魂人がこんなに若々しいとは、氷の石を皆が欲しがるわけだ」と言った。
「ゆえに争いが絶えず、禁じられたのです。私には還魂人の区別がつきます。でも一目で分かるわけではない。青い痕を確認するか、石化しなければ見た目は普通の人間。バレるかもしれぬ不安、石化するかもしれぬ恐怖、それを露呈させます」と王妃に揺さぶりをかけた。
そして「王様に贈り物が。犬です」と言い、ウクに連れてくるように命じた。それはウクが”毛玉”と呼んでいるイ先生の犬だった。
「私の師匠のソ・ギョン先生は、氷の石の力で作られた邪悪な妖器を、鬼狗で探しました。鬼狗が入っていた壺は壊れましたが、私が犬の死体に鬼狗を入れました。もうすぐ来ます。鬼狗は犬の体に入っているゆえ暴れられません、その代わりほえて(還魂人を)教えてくれます、ワン、ワン」とイ先生は王妃に向かってほえた。
ウクが犬を連れて王宮に向かっていた。人々に向かって大きくほえる犬、その声が、王様たちにも聞こえた。
「王宮の中に、還魂人がいるのですか?」と恐れる王様。
「そのようです。あれは王様への贈り物です。御前に連れてくるので、還魂人を探すなり捕まえるなりしてください」とイ先生が言った。
突然、王妃が立ち上がり「連れて帰りなさい。妖物など必要ありません。王宮は天附官の術士が守ります。犬に入った妖物や松林がしゃしゃりでると王室の威信が失墜します」と高飛車に言った。世子と王様は、驚いた表情を浮かべた。
王宮に入ろうとするウクと犬の前に、天附官のチン・ムと部下の集団が現れ妨害した。犬が盛んに吠え、ウクは多数の剣士と戦うことに。
チン・ムが、会見の場に現れ「無礼な者たちを帰します。無断で犬を連れてくるのなど無礼極まりない」と言うと、イ先生は「耳障りだ」と前を向いたまま術を使い、チン・ムの喉に尖った氷を何本も突き立てた。チン・ムの部下と、ユルとダングが剣を抜き、一触即発に。
世子は「王様、止めてください」、王妃は「松林と戦うべき」と王様に進言、、王様は「皆の者、やめよ」と命じた。
イ先生は術を解き、術士たちは剣を納めた。
外で戦っていたウクたちにも「やめよ」の命令がきた。
イ先生は「氷の石が世に出れば、こんな争いでは済みません。誰かが再び追魂香を作っています、氷の石が出て来たのです。持っているのは、刺客ナクスを送り松林の術士を還魂人にした者でしょう。世を混乱に陥れる巨大な力が再び現れたゆえ、それを抑える力も現れます、世の均衡を保つために。あまり不安になる必要はないと言うことです。鬼狗は連れて帰ります」とイ先生が言った。
王様は「許可します」と。イ先生と、ユルとダングは王宮を後にした。
外で、ウクと犬に会った先生たちは、世子に呼ばれた。
世子は「ナクスが還魂して生きているという噂が」と皆に話した。
イ先生は、世子と二人になった時、「今日の世子様の様子を拝見し心から安心しました。頼みが。王宮にあるナクスの剣をいただけませんか?」とお願いした。
夜、雨の中、ムドクは隠れてチャン家に戻り、キム・ドジュに「鎮妖院に連れて行ってください」とお願いした。
チャン家の前には、ソイと殺し屋がいた。ソイは目が見えないフリをして、門から出てくるムドクとすれ違ったが、ムドクはソイに気づかない。ソイは、知らない人だったと、殺し屋に言った。
帰り道、ソイは、ソ・ユルがくれた緑の傘を持っている子供を見て、自分の傘と交換した。
鎮妖院でムドクは、チャヨンに「私に殺人の疑いが。客桟で私を見たと総帥に話してください」とお願いしたが、チャヨンは断った。「それではお母様にお話しする」と言うムドクを、ブヨンの部屋に隠した。
ムドクは、ブヨンの似顔絵を見た、そして前に置いてある目隠しに触ると、頭が痛くなった。
ドジュは、”花の香りを強める貴重な花瓶”を持ってきた。院長のホギョンは、娘の部屋の花瓶を変えたかったとブヨンの部屋に入った。そこに目隠しをしたムドクが、、、彼女を見て心が乱れるホギョンだが、すぐに「触るでない」とムドクを叩いた。
ムドクとドジュが部屋を出て行く際、チョヨンが、総帥に話すと小声で言った。
天附官地下、チン・ムが、ソイにチン・ウタクを「お前の父親になる方だ」と紹介した。ウタクは、ブヨンの実の父ではないらしい。
ウタクは、チン・ムに布に包んだものを渡した。それは、チョヨンの血を吸った”血虫”、鎮妖院の扉を開けることができる血。ソイが右手を出すと、血虫は、手首の血管から体に入って行き、ソイは叫び声を上げた。「私が邪気を注がなければ血虫はお前を食う。逃げたらお前は虫に喰われて死ぬ」とチン・ムは脅した。
ドジュとムドクの前に、サンホが現れ、ムドクは連れて行かれた。ウクも、総帥の命令で、松林の術士たちに連れて行かれた。
2人は、それぞれ別の部屋に閉じ込められた。
ユルは、客桟で殺された男たちの死体を見て、ソイを追っていた”ごろつき”だと気づいた。
チョヨンは松林に来て「あの日、客桟でムドクに会った後、すぐに総帥たちが来た。あの状況で、ムドクが人を殺す時間はなかった」と証言した。
サンホとユルは「仲介人、ごろつき、門番、皆ソイと言う娘と関係が。ムドクが犯人ではない」と総帥に進言した。
総帥も、ムドクが殺したとは思ってないが、ウクとムドクに聞きたいことがあった。
総帥は、ウクに「ムドクが人を殺した。己の過去を知る者を殺したのだ、お前とムドクが隠していることを話せ。二人の答えが違う場合、あの娘は死ぬ」と。
次はムドクの部屋に行き「ウクがお前の秘密を白状した。事実を話すなら助けてやる。しかしウクの答えと違えば、お前は死ぬ」と。
ウクは”赤い石”を出し「私はムドクがすごく好きです」、ムドクは”青い石”を出し「私は坊っちゃまが本当に好きです」と言った。
話しても殺されない秘密、松林でも罰せられない秘密を、二人はそれぞれ話した。
二人は解放されて橋の上で会った。
「俺は命懸けでお前を思う、だからお前も告白通り、死ぬほど坊っちゃまを好きでい続けろ」ウクは言った。
感 想
イ先生が、”換水”の技で還魂した子供が、今のイ先生と似ていましたね。細かい演出がいいです😄
イ先生は、最高峰”換水”まで極めた最高の術士なので、還魂人になっても、暴走したり石化することはないのでしょう。
イ先生が、王様と会話しながら、実は王妃に揺さぶりをかけているのが、面白い場面でした。王妃が還魂人だと分かっているのは、現在の所、ウク、イ先生の二人だけのようです。
先週の”チョヨン”の血は、やはり虫でしたか、、うごめいてました。あの血虫が体に入り、チン家女子の血を持ったソイは鎮妖院の扉を開けることができる、、すごい力です。
ウタクは、ブヨンの実父ではない、、ブヨンの父は誰なのでしょ?全然、思い浮かびません。
ウクとムドクの、陰陽石で作った、赤と青の鳥の卵、良い働きをしています。
そろそろ、チャン・ガン(ウクの父)が出演するのでしょうか?
第16話 あらすじ
鎮妖院の院長ホギョンたちが松林に来て「鬼狗を宮殿に連れて行きましたね。鎮妖院を巻き込むなと言ったはず。連れて帰ります」と言った。イ先生がムク犬を連れて「鬼狗はここだ。鬼狗を作ったのは、ソ・ギョン先生ゆえ松林のものでもある」と言った。
その時、ムク犬が唸り怒り、中に閉じ込められたはずの鬼狗が、赤い炎となってチョヨンを襲おうとした、、、ボギョンが術で”鬼狗”を倒し、鬼狗は死んだ。
鬼狗は、夫のウタクがチョヨンの首から出した”血虫”の邪術を見破り襲ったのだが、チョヨンは”恋愛成就”のお札を出し、このせいでしょうと言った。
鬼狗は完全に消滅した。ホギョンが「鎮妖院に恥をかかせた」とチョヨンをたたこうとしたのを、ダングがかばった。
今度はチョヨンとダングの事で、ホギョンとパク総帥が睨み合っていた。ホ院長が、2人が婚姻して姻戚になるかもしれぬと仲裁しようとしたが、ホギョンは「お断りします」とチョヨンを連れて帰ろうとした。チョヨンが拒むと「もう戻ってくるな」と出ていき、ダングも総帥から「出ていけ」と追い出された。
夜、行くところがない二人は、現れた救世主、キム・ドジュに助けを求めた。
チン・ムは、王様たちに「宮殿を騒がせた鬼狗は消滅しました。あれは王室を威嚇する妖器です」と報告した。
「その通り、松林は王室より強いと誇示したいのです」と王妃が言うと、王様は「帝王星の話をしたのも新たな王が出ると脅すためなのか」と。
「帝王星の話をしたのは、世界を救う物が現れると言うためです」と世子は冷静に言ったが、王様は尚も「チャン・ガンは帝王星の予言をしていた」と怯えていた。
イ先生と総帥の秘密会談。
王妃は邪術を使うチン・ム側の人間だとわかった、とイ先生。
だが、松林は何もできない。もし松林が乗り出したら、チン・ムはウクの秘密をバラし、王室の敵にする。そうなれば、松林も王室の敵になる。
全てを知るチャン・ガンが必要、彼ならば、チン・ムの弱みもわかる。還魂人の噂は城の隅々に広がっている。松林と息子が心配になり彼は戻ってくるだろう。
ウクは、ホ院長に呼ばれた。イ先生からの預かり物と伝言があった。
院長は”ナクスの剣”を出し「イ先生が世子から取り戻した、預けたいのはお前だけらしい」と言った。
ウクはナクスの剣をムドクに渡した。そしてイ先生の伝言を思い出していた。
「ウクは剣を保管し、その剣を抜く者がいたら必ず殺すのだ。もし殺せぬ場合は、一緒に死ぬことになる」 いつかムドクがナクスの剣を抜いたら殺す、という警告だ。
ムドクも、”剣が抜け、ナクスになれば危険だ”とわかっていた。「氷の石で力を取り戻したら、たくさんの敵ができるだろう。その時は互いに他人になる、それが約束だから」とウクに言った。
「もう1つ約束を」とウクは言い「力が戻った時、その剣で誰かを狙うなら、最初は俺にしろ。剣を納めたら、お前が聞きたがっていた将来に対する約束を。ひとまず暴走しないように氷の石を探す」といい、ムドクから再び剣を取り上げた。
ドジュは、総帥に会いに行き、家出した二人は家にいます、と報告した。
ムドクは、チャヨンのお世話に手を焼いていたが、ある時、姉のことを聞いた。
お姉様は目が見えなくても妖器を扱える。昔から”神力”が強かったの。私は鬼狗を使えるでしょ。優れた神女は、人の魂を支配して力を封じ込められる。力を封じ込めたら、どんな術師も太刀打ちできない。力があるから絶対に死んでない。また会えるはずよ。
ウク、ユル、ダングは3人お酒を飲んでいた。
ダングが、ユルが最近よく眠れないと言った。ウクは、ムドクの正体を知りながら、黙ってくれているユルに感謝していた。ユルの性格じゃつらいだろうから。
ホ・ユノクは、総帥とホ院長に「王妃が還魂人とは思えなかった。身水源も至って平凡」と報告すると「氷の石のせいだ」と総帥は言った。
王妃は、ソ・イル将軍の妹でユルの叔母。ホ家は傍系だが、ソ家とは近い親戚だ。還魂したなら、王妃の体には違う魂が入っている。
「王妃の魂は死んだのか?」と聞く院長に、
「ソ家の人々は、各自の生死が分かるように魂の力で灯る”生死灯”を持っている。もし亡くなったらなら、生死灯が消えるので分かるはず」と孫娘は言った。
チン・ムは王妃に、魂を移す体を用意していると ソイを指し、「今日、鎮妖院に連れていく、鎮妖院には院長になる娘が戻り、王室は葬式をあげることに。王妃の魂が入った 巫女のチェ氏 の体は処理する」と言った。
チン・ウタクは、王妃の魂が入った巫女のチェ氏を訪ねて行った。薄暗い牢屋のような場所に閉じ込められて、口もきけないようである、、。
ウクは、キム内官の最後の言葉から、王妃の魂が入っているだろう”巫女のチェ氏” を捜しにケマ谷にきた。男巫の”ポン神童”を訪ねるつもりである。
そこに世子の声がした。世子は、あれ以来キム内官の姿が見えないことを不審に思い、調べさせたのだ。王妃に不信感を抱いていることがバレないように、一人で行動していた。二人は、情報を1つづつ交換することに。
世子「キム内官が1ヶ月に1回来ていたところがケマ谷」
ウク「巫女のチェ氏を捜している」
二人は、ポン神童(おじいさんだった)に会い、以下の情報を得た。
”20年前、巫女のチェ氏は、呪いをかける邪術で有名だった。そんなある日、天附官の術士に捕まりそうになった。そして火の中へ。この時、焼け死んだという噂もあるし、大やけどをしたまま逃げたと言う話も、、。
もう一つ。巫女のチェ氏には弟がいた。あの事件以来弟も姿を消したが、立派な家柄の女性のところに婿入りしたと聞いた、と。
ドジュは、チョヨンとダングに「総帥とチン院長に会ってきました。お二人が”二度と合わない”と言う念書を出せば許してくれるそうです」と言って念書を出した。署名さえすれば家に戻れる。
二人は「二度と会わないなんてできない」と念書をクシャクシャに丸めた。
天附官では、ソイが、ウタクが落とした絹の手拭いに、ムドクから盗んだ目隠しと同じ模様があるのに気づいた。そして、チン家を象徴する文様と知った。
松林に着替えを取りに来たダングは、総帥に署名していない念書を見せ「軽い気持ちではありません。見守ってください」とお願いした。
総帥は「お前には任務がある」と言って1枚の巻物を渡し、「この者が来たらすぐ知らせよ」と。ダングが開くと肖像画が、「天附官の官主、チャン・ガン、ウクの父上だ」と総帥は言った。
ムドクは、チョヨンのお供をして、チン家に。
チン・ムが、ブヨンに仕立てたソイを連れて来ていた。
”湖の岸に打ち上げられ魚師に助けられ、記憶がない”という設定でひどい格好をしていた。
ホギョンは、早速、耳の後ろのホクロと、右腕の傷を確認した。
そして ”鎮妖院” の扉が開けられるかと連れて行った。
その様子を、チョヨンとムドクが後ろの方から見ていた。
扉に手をかざすソイ、、、ムドクはまた目が痛くなり、手で目を押さえると後ろの壁が光った。
そして、鎮妖院の扉が開いた、、。
ホギョンは「ブヨンなのね」とソイを抱きしめた。その時ソイの目隠しが取れ、彼女はムドクを見た。
チョヨンは、母と偽姉に向かって走った。
振り返ったホギョンは、ムドクの後ろの壁が光っているのを見た。ムドクとホギョンは見つめ合った。
ウクは、世子に、今日聞いた話は秘密にしてください、とお願いした。
二人は、誰かが後をついてきていることに気づいていた。
2手に分かれた、、、ウクの後をついてくる人物。
ウクは待ち合わせ「お前は何者だ」とその人物の肩に剣を向けた。
ウクと男は見つめ合った、、。
感 想
鎮妖院と松林の間が、ますます険悪になっています。
王妃が還魂人だと、イ先生、ウク、ムドク以外にも、パク総帥、ホ院長も気づいたようです。ホ院長は、本物の王妃の親戚に当たり、王妃の魂が生きているか心配していたが、”生死灯”で生きていることはわかったようです。
イ先生は、世子から取り戻した”ナクスの剣”をウクに預けた。抜かれてはいけない剣、抜く者がいれば必ず殺せ、という伝言。それなら、イ先生はなぜ、ナクスの剣を取り返し、ムドク(ナクス)と一緒にいるウクに預けたのでしょうか?
ホギョン院長は、娘ブヨンを捜し出したい一心で、すっかり、チン・ムの言いなり。そして、とうとう偽ブヨンが、鎮妖院の扉を開け、ホギョンはすっかり信じてしまったようです。
しかし、最後の場面、ホギョンがムドクを見る目が、特別だったような、、二人は、長年、離ればなれになっていた母娘の対面をしているように見えました。
そしてウクも、、彼をつけていたのは父親のチャン・ガン。父には息子と分かっているだろうが、ウクは?いずれにせよ、ここにも一つ、20年間離ればなれになっていた父と息子の対面がありました。
第17話 あらすじ
ウクは自分を追う男と対峙し「お前は何者だ」と剣を抜き、男の左肩に置いた。
男はウクをじっと見つめ、それから剣に視線を向けた。男は「これは天附官の剣、持っているのは官主の息子だろう、ここはケマ谷、邪術士にとって天附官は敵、剣を抜くのは危険だ」と言った。官主のことを「密通した妻が死んで、息子と官職を捨てて逃げたイカれたチャン・ガン」と批判した。
ウクが「父親の剣を持ち歩くのは、露骨に親子関係を否定すると母がかわいそうなので」と言うと、男は「トファ、、誰よりも気の毒、大湖国で最も美しい女人だった」と。
男はじっとウクを見つめ、酒の瓶を出した。ウクは一口飲んだ。
男は「なぜ官主の息子が邪術が行われている所に?」と聞いた。ウクは「邪術を行う巫女を捜している」と答えた。男は、それがチェ氏だと知っていた。そして「チェ氏は昔ソ・ギョン先生に滅ぼされた。邪術に興味を持つと魂まで邪悪になり全てを失うことにもなる。邪術者を探すのはやめなさい」と警告した。
チン・ムが ”ブヨンを見つけた”というニュースは、すぐに松林の総帥とホ院長に知らされた。
ムドクは、なぜ鎮妖院に行くと目が痛くなるのかと考えていた、そこにウクが来た。
ウクは「ケマ谷で、チェ氏とチン・ムの接点を見つけた、そこで世子に出くわした。世子もチン・ムと王妃を疑ってる」と話した。
ムドクは「チン・ブヨンが生きて戻った。家の前であの女に会った、杖を拾ってあげた、杖の代わりに傘をついていた」と話し、それが自分がソ・ユルに買った傘だと気づいた。ユルに確認すると、ユルはソイに渡したと言った。
ムドクは「今日、鎮妖院でチン・ブヨンを見た。目が不自由であの傘をついていた」とユルに。
そこにダングが来て「チョヨンさんの姉が見つかった」と喜んで言ったが、「チン・ムが見つけたチン・ブヨンは詐欺師のソイだ。それを隠すために多くの人を殺したんだろ」とユルから聞き、ショックを受けた。
世子が宮殿に戻ると、チン・ムが待っていた。
王様がまた帝王星の話をしていたと聞いた世子は、帝王星を記録した星座盤を作って渡せと言った。チン・ムは、その日に生まれた者を殺さなくてはならないと答えた。
「なぜだ、ソ・ギョン先生のように世を救う英雄になるかもしれぬ」と言う世子に、
「ソ・ギョンは世を救っていない。彼は氷の石を隠し世を支配した。氷の石が邪術の根源ゆえ危険と言いうのは松林の言い分。氷の石は”永遠”を作り出せる。氷の石を持つものが永遠を得る。世子様のような選ばれし者だけが、使えるようにすべきです」とチン・ム、そして「その昔、氷の石を見つけのは、鎮妖院の初代院長だった。その方に次ぐ神力を持っているチン・ブヨンが生きて戻った。鎮妖院の神女が氷の石を見つけるでしょう」と続けた。
チン・ブヨンになりすました詐欺師のソイは、部屋にある眼帯の刺繍を見た。ムドクから盗んだ眼帯の刺繍と同じだ。ホギョンが来て「私がお前の眼帯に一針一針刺しゅうを施した」と言った。ソイは、ムドクが、チン・ブヨンだと確信した。
彼女は、ムドクが気づいたら、自分は死ぬのかと恐れた、そしてチョヨンに、ムドクのことを「暗くて不吉な気を感じた、あまり関わらない方がいい」と言った。
ホギョンは、”確実に違う、耳が怪しい”とソイを疑っていた。
そこにチン・ムが現れ、ホギョンは、彼の要望で鎮妖院の中を案内した。
チン・ムは「ブヨンが戻ったので、院長の座を早く譲り、その後チョヨンを世子嬪の座に。姉上だけの力では氷の石を取り戻せない。腹の中のブヨンを助けるためにチャン・ガンに氷の石を渡しましたね」と迫った。
なぜ知っているのかと驚くホギョン、「チャン・ガンは氷の石を鎮妖院に戻さなかった。後継が戻ったので氷の石も戻します。詮索はおやめに。戻ってきた娘と氷の石をただ喜んで受け取ればいいのです。氷の石を守るために松林と争ってください。松林が滅びれは、我々は氷の石の主になれる」とチン・ムは野望を明かした。
ソイは、ウタクに連れられ天附官に来た。多くの人がマスクで顔を隠し立っていた。
「これまで隠していた密団の団主を公開する。神女で鎮妖院の院長となるチン・ブヨン様だ」とチン・ムが言い、ソイは前に出た。
全員がソイに頭を下げた。ソイの体に還魂する予定の王妃と、その横には弟のチン・ウタクがいた。
”鎮妖院の院長が万長会を招集した”との知らせが松林の総帥に届いた、、既にメンバーたちが松林に集まって来ていた。
王宮と天附官にも万長会への参加要請が告げられ、王様、王妃、世子も参加。
鎮妖院のホギョンが開催の意図を話した。「還魂人の事件が都を騒がせている。鎮妖院は邪術の根源を探す松林に協力してきたが、松林は傲慢で無礼な要求を始めた。松林の横暴で独断的な行いを阻止するため、200年間守ってきた鎮妖院の禁忌を破るため万長会を開きました」と。
包みを持って現れたソイは、それを台に置いた。「10年ぶりに戻ってきた鎮妖院の後継者、チン・ブヨンです。還魂術の根源 氷の石は 鎮妖院にありました」とホギョン。
ブヨンがそれを開くと、”氷の石”が現れた、、、。
ウクとムドクは、チン・ムの狙いを悟った。
- 鎮妖院を通じで氷の石を世に出すこと
- 王妃の氷の石を鎮妖院に移し、王妃の中の巫女の魂も鎮妖院に移す。つまり王妃の体を捨て、鎮妖院の院長となる娘の体に移る
その頃、ウクがケマ谷で会った男、すなわちチョン・ガンが、都にも戻って来ていた。
イ先生がドジュに「その者がきたら渡してほしい」と手紙を預けた。ドジュが開いて見たが”白紙”だった。「チャン・ガンは書いた通りにしてくれる」と先生は言った。
万長会では、松林に激しい批判が相次いだ。ソ・ギョン先生が氷の石を残したこと知りながら、ソ先生の遺志だと松林が行ってきたことは詐欺、邪術を根絶すると言い、術士の家系取り締まってきたのだから、と。
争点は『ソ先生が残した氷の石をどうするか』
松林総帥「邪術の根源である氷の石を消すことがソ先生の遺志。今ここで氷の石を消すべきだ」
鎮妖院ホギョン「ソ先生は氷の石を残しました。遺志に従い鎮妖院で保管します」
松林を除く万長会の面々は「ソ先生の遺志に従い氷の石の使い方を議論しよう」と言い、松林に退席を求めた。
そして、私が氷の石を預かる、いや当家が、、とそれぞれの術士が争い始めた、、
ホギョンが一同を制し”ソ先生が残した氷の石は、万長会の皆で使う。今後、万長会は、鎮妖院で開く”と提案し、異議がなければ解散と言ったが、パク総帥は、”氷の石を松林の外に持ち出すことはできない”と術士たちを招集し、戦う体勢を取った、、。
王様は、イ先生の予言通り争いが始まった、帝王星を持つものが現れる、、と恐れた。
ムドクが太鼓の打ち、ウクが中央に現れた。
ウクは「ソ先生の直弟子、イ先生からの伝言です。氷の石に関する、ソ先生の遺志は「心書」に記されてます。ソ先生の遺志に従うことが総意なので ”心書” の内容をめぐって争うのが正しいかと」と言った。
”心書” は鎮妖院に保管されている。王様の命令で、チン・チョヨンとダングが 取りに行った。
誰もが ”心書”の内容を覚えていず、また、氷の石とは無関係だと考えていた。
ダングは争いを避けるため、ゆっくり戻り時間を稼ごうとしたがチョヨンに見破られた。それで「戻ってきた姉上は、ムドクが疑われた殺人事件の犯人のソイだ」と打ち明け、、驚くチョヨン。
ウクは、世子を別室に呼び、天附官日誌の”巫女チェ氏とチン・ムの出会いと思われる箇所”を見せた。「キム内官が仕えてたのは巫女のチェ氏、王妃様。本物の王妃様の魂は生きています。キム内官が通った所にいるかと」と言った。生きている証拠は「王妃様の生死灯が消えていない」とユルが付け加えた。ウクは世子に「本物の王妃様を見つけ、万長会で真相を明らかに。お母様のことなので」と協力を求めた。
「氷の石をどうする?」との世子の問いに、
「”心書”に書かれたソ先生の遺志に従う。大事な人を助けるためでした。”心書”には死にゆく恋人を失いたくなくて残したものがあると書かれてます。天地の道理に逆らっても、捨てられない愚かで哀れな思い、ソ・ギョンはそれを「心書」で告白してます」と。
王様は、氷の石を興味深く見ていた。”換水”の力があり、水 火 風だけでなく、人の魂も操ることができると聞き、実際に見ないと信じられぬと言った。
「氷の石の力を確認すればいい、死者を生き返らせよう。誰かを殺して、生き返らせらせればいい」と言い、術を使えぬ下人のムドクが選ばれた。
実験は外の庭で行われようとしていた。
”氷の石の力を得るためには一度死なねばならない。ここで死ぬのか、力を取り戻せるのかわからない”、ムドクは氷の石を前に自らを崖っぷちに立たせた。”お前を一緒に立たせなくてよかった”とウクを思いながら。
ホギョンが術を使い、ムドクの首を絞めた。苦しそうに首を押さえ、宙に浮くムドク。気を失なった時、幼い頃の母ホギョンの面影と声が蘇った、、目を開け「お母様」とつぶやく様子に、ハッと術を止めたホギョン、ムドクの目から涙が流れた、、そして急に空が荒れ、風が吹き、大きな音が響いた、、、。
感 想
17話、いよいよ”氷の石”が世の中に出ました。
チン・ムは、野望を実現するために確実に動いています。
ブヨンが偽物だとホギョンに見破られることは想定済みだったようです。彼女が、チャン・ガンに氷の石を渡して、ブヨンの命を救ったという秘密を彼は知っていたから。
巫女チェ氏は、王妃の体を捨てソイの体に入るようだが、それってどうなの?ソイの体には、チン・ムに逆らえない邪術の血虫が入っている、、しかし元々が邪術の巫女なので、問題ないのか?
いずれにせよ、鎮妖院は、邪術に乗っ取られそうで相当危険です。
17話のハイライトは、ソ・ギョン先生が、氷の石の残した遺志が”心書”に書かれている、とウクが言ったことですね。
松林のパク総帥の「邪術の根源である氷の石を消すことがソ先生の遺志」と言いうのは、論理破綻だと思いますが、、なぜなら、氷の石を残したのは、ソ先生自身なのだから。
「”心書”には死にゆく恋人を失いたくなくて残したものがあると書かれてる。天地の道理に逆らっても、捨てられない愚かで哀れな思い、ソ・ギョンはそれを「心書」で告白してます」
世の中の混乱と争いの元になることを百も承知で、それでも、ソ先生はたった一人の恋人ソルランを失いたくなくて、”氷の石”を残した、と言うことなのですね。まあ、なんとロマンチックなのでしょう❤️
そして、今、ウクはムドクのために”氷の石”を必要としている、、壮大な愛の物語です!
チャン・ガンが都に戻って来ました。次回もますます楽しみです。
第18話 あらすじ
チン・ホギョンの術で首を絞められ宙に浮いたムドク、ホギョンが術を止めると、水の気がなくなり、氷の石がガラスケースから昇り、ムドクの体に近づいた。
チン・ムが王妃に「今のうちに還魂してください」と言ったが、王妃は「氷の石を動かしているのは私ではない」と。
その時、激しい風が吹き、雷が鳴った、、。
ホギョンが倒れ、宙に浮いているムドクに向かって「ブヨン」と呟いた。ソイは、ムドクを生き返らせてはまずいことになる、とムドクに向かって走り、氷の石を傘で叩き散らした、、激しい竜巻にのみ込まれ、氷の石と二人の姿は消えた、、、。
精進閣のウク、ソ・ユル、世子、術士たちが外に出てきた。霧に覆われた庭に、氷の石を包んでいた布が落ち、突然一面花が咲いていた。
術士たちが門に近寄るとすごい力で押し戻された。ウクは世子に、見えない力に阻まれていると言った。ユルが、精進閣の周りに結界が張られている、と。
チン・ブヨンが倒れていた、と術士たちが彼女を連れて来た、その後ろをムドクが歩いてきた。
結界の外では、ホ院長、総帥、チン・ムたちが、中に閉じ込められた世子や術士たちを心配していたが、、。
ムドクは力を取り戻していた。水の気を操ることができ、術でお茶を入れた。
さっきの風の中の出来事を思い出していた。
眼帯をした女の子(少女のブヨン)が、「今回は奪われていません。ここは氷の石の中です。姿形も大きさも決まっておらず、水になり火になり風になるのです」と言った。
「氷の石の主には誰もなれぬ」と今度は、眼帯をしたムドク(ブヨン)が言った。
「その力を使うだけ。引っ張れば押し出され、何かを得れば何かを失う。それはお前が背負うべき荷だ。あふれ出る力は自分で制御できるわけではない」と。
そして気がつけば、精進閣に居て、横にソイが倒れていたのだ。
ナクスの力を取り戻したムドクは、還魂さえすればどんな体にも移れると、妄想を膨らませた。
ムドクはウクに「力を取り戻したので還魂し、お前との師弟関係も終わりにする」と宣言するつもりだったが、、、
ウクは「精進閣を覆っているのは氷の石だ。取り囲む氷の石を誰にも知られず持ち去れないか?力が戻れば、お前なら可能だ」と言った。「お前が氷の石を持って逃げても、責任を取る覚悟はできてる。でも少し怖い、お前が約束を破って去っていきそうで。師匠、俺を捨てるな。恥ずかしくても我慢して言う、最後に後悔しても遅いからな」と言った。
そしてウクは、ムドクに薬菓を渡し、邪術に関する禁書を探しに行った。
結界の外では、万長会の各術家が、氷の石を手に入れるため、人を集結させようとしていた。
チン・チョヨンとダングが”心書”を持って帰ってきたが、精進閣に結界が張られたと聞き驚いた。
ソイは、自分が偽物だとバレるのではと不安になっていた。そこにユルが ”薬菓” を持って来た。ソイは嬉しかった。「あの方(チン・ム)には私と会った話をしないでください」とユルに言った。
ユルは”チン・ムに殺されぬよう黙っててくれるつもりか” と思った。
ウクもユルも、結局ソイも殺される、王妃が還魂するために用意された体、ナクスのように利用されているだけ、と分かっていた。
ソイは、セジュク院から逃げ出したカン客主の還魂人に捕まり気を吸われそうになった。彼女は「味方です。あなたの還魂を見ていました。術士を連れてきます」と言い、一人の術士を罠にハメ、気を吸わせた。
還魂人は「ソ・ユルを連れてこい」と言ったが、ソイは「彼はいない、別の人間を連れてくる」とムドクを差し出すつもりで言った。
術士のボムが、世子の前で術を披露したが、途中で地面に落ちてしまった。「水漏れのように水の気が抜け出した」と彼は言った。世子が剣を抜いたが、剣の水の気も抜けた。
結界のせいで、術に使う水の気が奪われる、とソ・ユル。
術士たちは、剣を1箇所に集めた。ユルが「結界の中では術も剣も使うな」と言った。
その頃、チャン・ガンが天附官に戻ってきた、ヨレヨレの服装で。玄関で止められたが、古参の部下が”官主様”と気づいた。
チャン・ガンは、チン・ムの最側近に案内させて、地下に来た。昔のチン・ムとのやりとりを思い出し後悔していた。
チン・ムはチョ・チュンの死体の前で、「ウク様の秘密をバラすと脅されて還魂術を教えた。暴走して死んだのでもう安心かと」とチャン・ガンに言った。
チャン・ガンは「邪術に溺れて、親友も妻も失った、残りの追魂香を消し、氷の石は敬天大湖に封印する。お前も還魂術を使えぬよう気脈を断つ」とチン・ムの気脈を絶とうとしたが「やめてください。還魂術を絶対に使いません」と哀願され、とどまったのだ、、、
チン・ムの気脈をすべて断つべきだった。敬天大湖に封印した氷の石をチン・ムが見つけたのか?それとも別の誰かが?
ムドク(ナクス)が剣を抜いても水の気は消えない、なぜなら、還魂人だから。
術士たちは、氷の石に水の気を吸い取られた。私が還魂して氷の石の力を得たら、彼らの水の気も奪うことに?力を取り戻したら、彼らの力も奪うことになる。そうしたら、みんな死ぬんだ、、。彼らの死まで私に背負えと?
風の中で、眼帯をした女(ブヨン)から言われたことを思い出していた。
ソイはムドクに、術士の宿舎から、新しい布団を取って来て欲しいと頼んだ。還魂人にムドクを差し出すための口実だ。
ムドクは、宿舎に行く途中で、ユルが火で悪戦苦闘している場面に出くわした。
ユルは剣士としては優秀だが、普段の生活では抜けていた。ムドクが ”バカ” や ”とろすぎる” と言うと、ユルは腹が立った。だが、ムドクが、彼の足が痛むことや、”らくがん”が好きなのことを覚えているのが嬉しい。「タニャン谷にはいい思い出しかない」と彼は言った。
ユルは、ムドクの代わりに布団を取りに行った。
それを知ったソイは、、、目が見えないフリをするのを忘れて、ユルに危険を知らせようとした。
しかし、還魂人が出てきて、ユルに襲いかかった。術を使えず剣も持っていないユルは不利である。
ホ院長の孫娘が、火の術で、還魂人を火だるまにしたが、すぐに復活。
ソイの叫び声を聞いて集まった術士たちだが、二人が還魂人に気を抜かれてしまった、、。
ウクと世子は庭にいた。世子は、外の大勢の術士たちが、すぐに結界を解かず、助けに来ないことを不満に思ったが、ウクは、氷の石の奪い合いで忙しいんでしょうとクール。
王妃は世子の実母ではないようで、ウクと似た境遇。
二人はそれぞれ、氷の石を得たらどうするかと話した。
世子は「巨大な力をもらえるなら放棄できないよな」と答えた。
ウクは「ソ・ギョン先生に倣う。氷の石を消して世を救う英雄になりたいと思ったはず。でも、愛する人のため氷の石を残したいと心から思ったのです。そっちの方が感動的です」とウクは言った。
二人が精進閣に戻ると、ユルがケガをしていた。そして、還魂人がいると聞いたウクは、その場を離れた。
ムドクは術士から「ウクが、還魂人と密室に閉じ込められた、自分が行くと言い張った」と聞いた。
ムドクは、ナクスの剣を持ち、密室へ行った。術で鍵を開けることができた。
還魂人がいた。ムドクは、ナクスの剣を抜き、術を使って還魂人を倒した。
ウクが死んだと思ったムドクは、泣いていた、、
しかし、ウクは生きていた。
「剣を抜いたら決めろ。お前の決定次第で全員死ぬのは知っている。約束どおり、俺を最初に刺せ」とウクはムドクに近づいた。ムドクは彼に剣を向けた、、、
が、その剣を降ろして言った。「言え、お前が私にできる次の約束とは何だ」と。
ウクは、ムドクを抱きしめてキスをした。
感 想
18話は、氷の石の力で、ウクたちが精進閣の結界の中に閉じ込められた話でした。
そして、ムドク(ナクス)は、氷の石で、力を取り戻しました。
氷の石の結界の中で、術士たちの水の気が抜けていくのはなぜか?また、ムドク(ナクス)が還魂すると、なぜ全員が死ぬのか?この2つが理解できませんでした。ムドクは、還魂しないようですが。
氷の石は、結界を形成しているから今は石の形ではないようですが、”石”の形に戻るのでしょうか?誰がそれを取るのでしょ?
ソ・ユル、やさしいですね、そして、世子も。 それぞれがムドクと交わす会話の場面が良かったです。世子との会話はまとめられず、飛ばしてしまいましたが。
チン・ホギョンは、ムドクがブヨンだと分かったようです。
王妃は、氷の石を操ることができませんでした。
チャン・ガンは「氷の石を敬天大湖に封印した」ことがわかりました。チン・ムがブヨンを使って見つけた後、彼女を殺そうとしたということなのでしょうか?
第19話 あらすじ
10年前:
チン・ムは、10歳の少女ブヨンとチン・ウタクを舟に乗せ、敬天太湖の上にいた。10年前、チャン・ガンが封印した”氷の石”を見つける為に。ブヨンが「この下に美しい石があります」と。
ブヨンの神力は、母親と、没落したチェ家の子孫である父親からも受け継いだ。呪いの術を行なってきたチェ家の姉弟、最初に氷の石で還魂術を始めたチェ氏の子孫。ブヨンは両家の血を引く、最高の神力を持つ神女だった。
ブヨンがついに氷の石を見つけた。ブヨンの両手から氷の石が浮き、激しい風が吹き、竜巻が起きた。チン・ムは、浮かんだ氷の石を奪い、ブヨンを湖に落とした。
岸に打ち上げられたブヨンは、近所のお婆さんに発見された。記憶を失くしていた。おばあさんはブヨンに、亡くなった孫の名前”ムドク”と付け、一緒に暮らした。
成長したムドク(ブヨン)は、ナクスが還魂する時、宿に居てナクスの魂が入った。ウクが還魂されそうになった時に、ウクの前に現れ阻止した。彼女は鎮妖院の扉を2回開けた。
精進閣では、還魂人に切られたユルの血が止まらない。ユノクが「血の気を与えなくては危険」と。
ソイは、自分の中に入れられた”血虫”(チョヨンの血を吸った血虫で、チン家の気が巡る)を思い出し、腕をきり、血虫が入った血液をユルに入れた。
松林では、チン・ムが「 ”心書”に ソ・ギョン先生の遺志が書かれていると言うのはウソです」と王様に進言、パク総帥は王様の前で弁解した。
「”心書”はソ先生が、鎮妖院の初代院長に宛てた恋文です。死にゆく恋人を失いたくなくて、氷の石を残したと告白しています。証拠もあります。その方の名、冷たい雪原に咲く青いランの花、雪蘭を思い浮かべれば、王様も”心書”が読めます」と。
王様が”心書”を手に取り、ソルランと言えば、詩が現れた。
「”死にゆくソルランを思って嘆き、結局、愚かで切なく1滴の涙すら流せなかった”。恋人のために氷の石を残したと」と総帥は続けた。
「チン・ソルラン院長は争乱でケガを負い、鎮妖院を建てて、半年も経たずに他界を」とチン・ホギョンが言い「氷の石の力を得たら使うはず」とチン・ム。
「初代院長は危険な力を再び世に出すまいと決断したのでしょう。人間であるがゆえに、守るべきものを守るため、すべてを捨てる選択ができるのです」と総帥。
ムドクは、氷の石の中で、少女のブヨンから「自らの意志でできることが、使わないということ」と言われた。
そして還魂人を倒した後、ウクに構えた剣を下げた、、力を使わないと選択したのだ。
イ先生は、夜の海岸で2人の子供にお話を。
「この世には、帝王星という悲しい星がある。天の気を扱うことを許された星。強い気を得られるが、強大な力を得ると試練が多くなる。つらく寂しい星だ」と。
チョヨンとダングが、ケマ谷の、王妃に仕えていたキム内官が通っていた薬房に来た。
そこにはチョヨンの父、チン・ウタクが居た。巫女のチェ氏はひどい火傷を負っている。「殺してくれ」言う彼女に、ウタクは「ダメです。王妃の体が生きている間は、生死灯が消えては困る。恨むなら、私と姉を追い詰めたあの者を」と。
20年前、チャン・ガンが、巫女のチェ氏を捕まえ「邪術で人々を害した」と邪術の書と道具一切を燃やそうとした。書物”天網(チョンガン)が焼かれそうになったのを見て、チェ氏は「我が家で代々受け継がれた物」と半狂乱になり火の中に飛び込び、火だるまになった。火は消され、”天網” を取り上げたチャン・ガン、中に”還魂術”の記載があった。
ウタクは、大やけどを負った姉を抱え逃げた。その10年後、巫女チェ氏が、王妃と還魂したようだ。
ウタクは、巫女(王妃)に、死なないように薬を飲ませた。そして「姉上のやけども、姉上があなたの体に還魂したのもすべてチャン・ガンが原因。まだ死なせません。姉上の魂は、鎮妖院の長女の体に移す、そうなれば殺して差し上げます」と。
それを、チョヨンとダングが聞いていた。二人に気づいたウタクは、二人に剣を上げたが、娘を傷つけることはできなかった。
王妃(巫女のチェ氏)とチン・ム。
王妃は「10年も経つのに、あちらの意識が戻ると体が痛くなる。生死灯がなければ殺すのに」と言った。
暴走しそうな王妃は、追魂香を使って氷の石を取り戻そうとして、チン・ムに止められた。みんなのいる所で邪術を使うのは危険だと。
王妃は「氷の石から作ったのに、氷の石は善で、追魂香は悪とは呆れた論理。チェ家の還魂術でここまで来たくせに。敬天太湖で氷の石を見つけた時、わざわざ私をソ家の王妃にして、密団を作り、鎮妖院を通じて氷の石を世に出した。邪術士と非難されるのがイヤだから。高い位について認められたいのよね」とチン・ムを嘲笑った。
ウクとムドクは庭で話していた。
ムドクは「氷の石の中に入った時、幻覚を見た。氷の石は使えても己の物にはできないらしい、だから、意のままに操れぬのか」と。
ウクは「天のものだからな。それならすべてを捧げてみようか。俺の気をすべて天に捧げたら、それは天の気になる。精進閣を囲んでいる霧は氷の石の実態でもない。それなら雨にすることもできるかな。水1滴しか作れない俺の術力だが、その1滴が何万もの雨粒になったら、雨になって降るだろう。ここで弾水法を使えば、俺は全ての気を失う」と。そして、
「ユルが大けがをした、このままでは死んでしまう。ムドク、お前は守るために力を放棄したな。俺も守りたい。ユルもずっとお前を守ってきた」と。
ウクは「雨で氷の石の力を消す。雨が降るか、その雨で結界が消えるか定かではありませんが、、。弾水法を使えば、術力を失うのは承知の上です」と世氏に言い「もし氷の石が消えたら、その後始末をお願いします」と頼んだ。
その頃、チャン・ガンは、チャン家に戻り、イ先生からの白紙の手紙を読んだ。そして、松林、訓練館に向かっていた。
ダングは、パク総帥に、本物の王妃様の魂を見つけたと報告していた。
全ての原因は、松林の術士、チャン・ガンにあるらしいと、王室と鎮妖院だけが呼ばれた。
総帥が「世子様が捜してた方をお呼びしました。その者は20年前天附官に捕まり、逃げる際に大やけどを負った、呪いの術を行う巫女のチェ氏です。ここにいる全員が関係があります」と言った。
チェ氏は、ホギョンの夫のチン・ウタクと一緒に出てきた。
チェ氏はひざまづき「王様、生きて再会できるとは思いませんでした。私が王様の妃、ソ・ハソンです」と言い、「黙れ」と言う王妃に、「お前のせいだ。卑しい巫女のお前が邪悪な還魂術を使い、よくも王妃の私の体に移ったな」と叫んだ。
「デタラメだ」と叫ぶ王妃。
総帥は「真実かどうか確かめる必要が。鬼狗がいます。先日、鬼狗の死体を焼いた時に出た灰です。これで十分だ」と王妃に向かって灰をまいた。王妃は必死で灰から逃げよう焦った、、。
その様子から、誰もが王妃が還魂人と確信した。「巫女のチェ氏を引きずり出せ」と総帥が命令すると、チェ氏はナイフを出して、自分(王妃)の顔を傷つけようとした。
総帥が「あの者は200年前、争乱を起こしたチェ氏の子孫。還魂術に使った追魂香はあの者が作ったのでしょう。王室や天附官や鎮妖院は、長い間チェ氏の姉弟の手の上で転がされていた。戻ってきたブヨンもこの者たちが仕立てた偽者、次は鎮妖院の後継者に還魂する計画だった」と言った。
ホギョンは、夫のウタクの正体を知りショックを受けた。
偽王妃は、「邪悪、お前たちが私に邪悪という資格が?私が若くて美しい体に還魂してやると言ったら、王妃は自ら体を差し出した。チン・ホギョン、還魂術のために氷の石を鎮妖院から持ち出しのはお前だ。その氷の石で還魂術を行なったのが松林の術士、パク・ジン、お前はその事実を隠した。チン・ム、なぜお前は黙って傍観してるのだ。私だけが邪悪なのか?」
その時「姉上、追魂香を持って逃亡を。最後にこんなことしかできず、、」とウタクが剣を腹に刺した。
チェ氏は、狂ったように笑い「邪悪な氷の石を消そう、その代わり、氷の石が消えれば、あの中にいる者たちは全員死ぬ」と追魂香を部屋の隅に転がした、、、
黒い煙が広がり、手に気を集めて巫女が放つと、いく筋もの黒い煙の柱が屋根を突き抜けた。
訓練館の庭に、チャン・ガンが現れた。手をかざし、空から落ちてきた大きな煙の柱を体に受け止め、倒れた、、、煙は消えた。
ホ院長が、チャン・ガンに気づき近寄り、、彼が還魂人になったことを知った、、。
パク総帥は、黒い煙が消えたのは、誰かが阻んだと気づいた。
チャン・ガンが部屋に入って来た。総帥が「チャン・ガン、そなたが追魂香の煙を体で受けたのか?」と言いながら近づこうとすると、ホ院長が「総帥、近寄ってはならぬ。還魂人で暴走を、見よ、石化している」と。
「そうです、私は還魂術を使って還魂人となり、暴走してます。ソ・ギョン先生の直弟子、イ・チョル先生に、万長会で罪を告白するよう言われたので、ここに来ました。松林、鎮妖院、天附官の過ちの原因は私にあります。私が氷の石を持ち出し、邪術を始め、その事実を隠しました。ここで石化してお詫び申し上げます」と言い、「ウクは私の子ではない。罪人の子にしないでください」と言って、右手で作った気を心臓に入れると、体が石化して、粉々に砕けていった。
その時、ウクが、弾水法で、一粒の水を切った、、
そして、ウクは、青い広い所にいた、、手のひらに気を集めようとしたが、術は使えなかった。
目の前に氷の石が落ちていた、それを拾った、氷の石が光った。
地上から空を見上げていた術士たちに、”帝王星”の光が見えた。
”帝王星が昇ったぞ’と歓喜する人々、、、
雨が降り、精進閣の結界が消えた。
総帥と万長会の術士たちは、精進閣に入って行った。
そこに世子がいた、”我々の世子様が帝王星を持つお方”と術士たちは平伏した。
ウクとムドクもいた。二人はお互いに力がなくなったことがわかった。それでいい、一緒にいられるなら。
松林は、平和を取り戻したように、婚礼のうわさ話で持ちきり。総帥は、それを狙って婚礼の後押しをした。
ムドクとユルが話していた。「薬を飲んでいないようですね」とムドクが小言を。「傷は治ったし、力も戻った」とユル。「今まで無理をさせましたね。感謝してます、守ってくれて」と彼女は言った。
ユルはじっとムドクを見つめた。
「どうぞ。タニャン谷の友人のものですよね」とムドクは鳥の笛を出した。
「そうだ、西湖城にその人と帰るつもりだった。存在がバレてはいけない人だから、遠くでかくまいたかった」とユル。
「体の具合を確認するので呼吸を3回分お許しを」と言ってムドクは、鳥の笛をユルの胸に置いて手を添えた。
「この間できなかった最後の挨拶をしよう」とナクスが言うと、ユルは彼女の手に自分の手を重ねた。
「お前といたタニャン谷にはいい思い出しかない。ありがとう」とナクス。
手を離し、鳥の笛をユルの手に入れ「幸い、傷は治ってきてます。ですがいくら苦くても薬は飲んでください」と言うムドクに
「分かった、苦くても耐えるよ。今回は完治するはず」とユルは言った。
ダングは、ウクに、チャン・ガンの肖像画を渡した。
「お前の父が、最後に全ての責任をとって命を差し出したから、松林と鎮妖院は責任を免れた。父親の顔を分かってるのか?会ったことないだろ」とダング。
ウクは「会ったよ、あの方は、俺に気づいたはず」と、ケマ谷で会った父を思った。
”チャン・ガンが王室から賜った、宝剣と法衣”の処分について「松林で保管せよ」との王様の命令が下った。
王妃の席には、王妃様の魂が入った外見は巫女のチェ氏が座っていた。
ホ院長が王妃に「石化を防ぐ治療が可能です」と言ったが、「一生、この悲惨な体からは出られれぬのだろう。憎きチャン・ガンの息子をなぜ生かすのですか?」と王妃。
パク総帥は「チャン・ガンは、死をもって償いました。長子チャン・ウクは、官主の座の継承権を剥奪されました。全てを失うことで、罪を償いました」と。
「チャン・ガンはウクの父親を明かさずに逝った」と世子が言った。
キム・ドジュは、パク総帥に「チャン・ガン様が総帥に渡してほしいと。ぼっちゃまの父親が誰なのか証明するものだそうです」と箱を出した。開けて中を見た総帥は、
「ドジュも真実を知ったのですね?ウクは、王が還魂して生まれた子です。チャン・ガンは、王と魂を入れ替える還魂術を使いました。このことは、誰にも話すつもりはない」と総帥は言った。
世子は、天附官の秘密の入り口から地下に来た。そこに、チン・ムは隠れていた。
「世子様をお守りできるのは私だけ、帝王星の主からお守りします。王となる世子様の隣で、昇ってはならぬ帝王星の主が、チャン・ウクです。その不吉な光を私が必ず消して見せます」と彼は言った。
ムドクは、チソル楼で綺麗な着物を着せられた。そこにウクが来た。ウクは、ムドクに見惚れた。
ウクは重要な儀式を行うと言い、ひとまず座れと。
ウクはその前にひざまづき、「13回目だから慣れた」と言った後、
「師匠、私は今日で破門します。出来の悪い弟子を導いてくれて感謝しています。師匠は力を取り戻す機会を捨て、弟子もまた力を失いましたが、おかげで一生を共にする人を得ました。破門を許可してください」と言った。
「師匠ムドクは、弟子の破門を許す」とムドク。
「それじゃあ、嫁に来てくれ ムドク」とウクは求婚した!!
感 想
19話は、非常に盛りだくさん、情報が多かったです。
氷の石、還魂術、チェ氏、チャン・ガン、鎮妖院の関係も、かなりはっきりしました。これは、また別でまとめてみたいと思います。
”氷の石”の力を得ても、”使わないことを選択する人間”がいる。
鎮妖院の初代院長、チン・ソルランは、ソ・ギョン先生が自分のために残してくれた”氷の石”を、危険なものを世に出さないために、使わない選択をしました。
そして、ムドクも取り戻した力を使わない選択をしました。
ウクは、すべてを捧げることで、自分の気をすべて失ったが、結界を解き、(本人は気づいていないが)帝王星を昇らせました。
チャン・ガン、やっと戻って来ましたが、巫女チェ氏が氷の石を消そうと放った追魂香の煙を受け、還魂人となり石化して死んでいきました。全ての責任を取り、精進閣の結界に閉じ込められた若者を助けたのですが、、チン・ムをどうにかして欲しかった、、、
ユルとムドク(ナクス)のシーンが最高!でしたね。ユルが美しい。繊細な気持ちを表現するのが本当に上手で、泣いてしまうシーンでした。
そして、ソイから、ユルの体に入った”血虫”が大丈夫なのか、気になって、気になって、、。
ウクはほんと堂々とした人で、帝王星を背おう男にピッタリですね。
ウクがムドクに求婚する、と言うハッピーエンドが、、、20話でどうなったのか、、、もう見てしまって、動揺を隠せません。あらすじは次回で。
第20話 あらすじ
パク総帥とキム・ドジュは、ダングとチョヨンの新居探し、いい家が見つかったようである。
ドジュは「私は、小さな家でいい」と総帥と一緒に暮らす夢を話すが、彼女がイ先生を好きだと誤解している総帥に「家を贈ります」と言われ、ほんとに鈍感!と怒って帰った(笑)。
ドジュは家で泣いていたが、ウクも婚姻すると聞き喜んだ。しかし相手がムドクと聞き、驚いて舌を噛まないように手ぬぐいを咥えた(笑)。
後日、ドジュと総帥を仲をまとめようと、ウクは総帥に会いに行った。ドジュも連れて都城を離れるが、ドジュは泣いていました、引き止めなければもっと泣きますよ、と。
総帥はドジュに”ホウセンカ’の種を持って、ゆっくり育てたいと求婚。ドジュは総帥の手を取って、私があなたに合わせましょう、と受けた。
その2人をイ先生が見て、そっとその場を離れた、、。
チン・ウタクは、命を取りとめた。
ボギョンが「罪を償えるように助けてあげた、あなたと私の娘のブヨンに。私はあなた一筋でした。チン・ムにだまされてブヨンに犯した罪は知ってるはず、十分苦しんでください」と。ウタクは涙を流した。
チン・ウタクの意識が戻ったと報告を受けたチン・ムは、自分と密団との関係をバラされると恐れた。
彼は、還魂人を暴走させることができる、 巫女チェ氏の ”迷魂薬と方術鈴を手に入れた。
巫女は「追魂香に呪いの術をかけておけば、それを使った魂を操ることができる。還魂人を暴走させてから、石化して死ぬ方法で始末できる」と伝授したのだ。
ウクとムドクは城下で、青と赤の陰陽玉を”結婚指輪”にするために店に持ってきたが、ウクが別の女性たちと作った指輪の形が7つものあり、怒ったムドク、、。
ウクはムドクの左手を取り「1つだ、お前の手が生涯俺の指輪だ」と手を絡めた。それなら、もう陰陽玉で作る必要はない、とムドクは機嫌を直した。
ユルは、痛みが消えない為、ユノクにどんな治療をしたのか聞いた。「止血しただけです。あっ、逃げたソイが血を分けてました。傷口にソイの血が入りましたが、問題ないはずです」と言ったが、、。
ムドクは、父親が自ら還魂人になったのか?それとも何か事情があったのか、知りたかった。
キム・ドジュは事情を知っていた。総帥、ホ院長、ホギョンの前で「チョ・チュン様の死は、官主様のせいです。官主様の邪術をチョ・チュン様が知り、口封じのために、チン・ムが還魂人にし暴走させ、家族を殺したという汚名を着せたのです。官主様が汚名をそそげとのことです」と言った。
総帥はドジュと2人になった時、「チン・ムはウクの出生に関してすべて知ってる。チャン・ガンを追い込むため親友のチョ・チュンを破滅させた。チン・ムが捕まって、ウクの秘密が公にならないように、必ずやチン・ムを殺さなくてはならない」と。
チン・ムは、ウクが都城を離れると知った。
なぜウクは去るのだ?チン・ムにとってウクは、世子を操るための切り札、遠くへ行かせてはならない。「人を変えるのは人。チャン・ウクが変わり始めた時に現れた者がその答え」と巫女の言葉を思い出した、、
ウクの側にはいつも待女のムドクが、その者と一緒に行く。
チン・ムは町で見かけたムドクに、迷魂薬をかけ、方術鈴を鳴らした。ムドクは、隣の声に反応できなくなった。
チン・ムは、ムドクが”ナクス”と分かった、、、
イ先生と釣りに行ったウク、先生は魚が引いていても、逃げられてばかり、、。
「逃した魚に未練はない。だが、喪失とは純粋に悲しいものだな。還魂人をずっと側に?」
「先生との約束は守りました。私は剣の前に立ち、ムドクは剣を納めました。約束どおり、私たちを見逃してください」とウクは言った。
「あの日、氷の石はどうなった?お前の中にあるのではないか?」と先生。
「氷の石が欲しくて、人々は残忍で醜悪になった。氷の石は消えるべきでしょう。とにかく、氷の石がこの体に入っているから、彼女を守ることができる。もしムドクが暴走したら、この力で守れるように助けてください」とウクは言った。
「無理やり力を引き出さなければ暴走しない。小さな体に、刺客の力を秘めていたのだ、本来なら暴走していただろう。なのに無事なのは、あの体が魂の力を調節できるからだ。術士の力を制御する力は、神女が持つ神力だ。ムドクの体の元の持ち主は、神力を持っていたのだろう」と先生は言った。
ソイは鎮妖院で、血虫の痛み止めの薬を盗んだが、ホギョンに見つかった。「ここで死んでもらう」と言われたソイは、鎮妖院の刺繍の入ったムドクの眼帯を出し「ブヨンは生きている、知っているのは私だけ、殺したら会えなくなりますよ」と言って逃げた。
ムドクが、松林をやめるのであいさつに来ていた、そこで世子に会った。
世子は、結界を解除し、みんなを救ったがウクだと知りながら、大げさにお礼を言うムドクに、バカにされているようだと腹を立てた。
ムドクは「都城から遠く離れて(ウクと)一緒に暮らします」と言うと、「私の弱みを握るウクを行かせてやるとでも?」と世子。「彼をそばで見ていても世子様は平気ですか?」と問うムドクに
「そうだな、奴の能力を見て自分が惨めになるだろう。手柄のウソをつき続けたらさらに哀れになる。何よりも、奴の側にいるお前など、顔も見たくなくなるだろう。この惨めな気持ちが醜悪なものに変わったら、目の前に現れぬ程度ではダメだ。手が届かぬほど遠い所に消えてしまえ」と言って世子は去った。
明日婚礼を控えたダングがウクとユルの3人で、チソン楼で飲んでいる。
子供の頃からの気の置けない3人の男たちの語らい、ウクとユルは、結婚すると気楽に飲んだり遊びにダングを呼べないな、神女相手にウソはつけない、などとからかっていた。
ユルは、まだ痛みがあるので、西湖城へ立つのは少し延期するつもり。彼は女主人から、物乞いに頼まれたと包み渡さた。「胸の痛みを無くす薬です」とメモ書きと薬が入っていた。
世子は、チン・ムに「ウクは無力ゆえ遠くへ追いやる。奴は氷の石も持っていない。今日中に罪を申し出ろ、さもないと私がとらえる事になる」と言ったが、
「欺かれているんです。松林の総帥は、帝王星はウクだと知ってます。イ先生も知りながら、宮殿で帝王星の話をした。ウクを守っているのは、奴が氷の石の力を持ってるから。私にしか世子は守れません。ウクは大きな秘密を持っている、それを私が暴き、あやつを奈落の底に突き落として差し上げます」とチン・ムは言い、世子を不安を煽り、操るのだった、、。
ウクが家に戻ると、ムドクとドジュが酔っ払っていた、、、
ウクがムドクを抱き上げて部屋に連れて行くと、彼女は「1つ告白がある」と。「明日にしろ」とウクは言ったが「今日がいい。明日死んだら心残りだ」。
「ウク、大好きだ」とムドクは言って、自分からキスをして寝た。
夜中、寝ているムドクに鈴の音が聞こえてきた、、
翌日、ダングとチョヨンの婚礼の日、松林で行われる。
チョヨンは晴れやかな顔で、美しい飾りをつけた舟で、松林に向かっていた。
ウクとユルはすでに来ていたが、ウクは昨夜以来、ムドクを見ていなかった。
ムドク(ナクス)は、方術鈴の音に導かれ、ナクスの剣を持って、夜中に天附官のチン・ムの所に来た。
「ナクスや、お前は最後の切り札だ。力を取り戻せ、暴走するのだ」と言い、彼女に気を入れた、、、そして、朝、ナクスは山に来ていた。
ダングとチョヨンは、挙式の前に、セジュク院で療養中の父、チン・ウタクに会いに行くことにした。
セジュク院の前に、剣を持ったナクスが立っていた。”まずチン・ウタクを殺せ”と言うチン・ムの声だけが彼女に聞こえた。
ナクスがウタクを狙った、、、ウタクは刺客と見破った。そこに、チョヨン、ダングがきて、ナクスと戦ったが、2人は気で飛ばされてしまった、、
ナクスが投げた剣が、ウタクの胸を刺した、、、チョヨンが「父上、父上」と泣きながら駆け寄った、その声で、ナクスは幼い頃の父を思い出し頭が痛くなる、しかしチン・ムの声に逆うことができない。チン・ムの手下たちが、セジュク院に現れ、ナクスを捕まえようとした。
チン・ムが松林に来て「還魂人を捕まえに来た。ムドクがナクスだと」言った。衝撃を受ける総帥たち、、。
林に逃げたナクス、その前にウクが立ちはだかり、振り返ったウクの胸にナクスの剣が刺さった、、剣を抜こうとするナクスを、ウクが抱きしめた、、、
「ムドク、ムドク、ムドク、、」の声に、無表情だったムドクの顔に表情が。
「ウク?」と気づき、「これを私が?私がやった、私がお前を、、」と泣き崩れる、、
ウクは、石化し始めたムドクの左手に、自分の指を絡めた、、
「1つだよ、お前の手が生涯 俺の指輪だ」ウクの声が蘇る。
「ナクスに戻れば危険になる。その時私たちは、互いに他人になる。それが私たちの約束だからな」
「もう1つ約束を。力が戻った時、その剣で誰かを狙うなら、最初は俺にしろ。刺したら、この世に刺客を放った責任をとって死ぬさ」
ウクが倒れた、、、ムドクはウクの名前を呼びながら、号泣した、、、しかしまた鈴の音が、ムドクはウクの手を離し、再びナクスに戻り、走って逃げた、彼女の顔は石化が始まっていた、、、
総帥はウクの死体の前で号泣し、ドジュは倒れ、、、
事の終始は、世子にも知らされた、、、
ダングが総帥に「ウクはムドクの正体を知ってたようです。チン・ムが精進閣で証拠を探しています」と報告していた。
ユルは、ホ院長に「私も知っていました。あの子にあって事情を探りたいのです」と訴えたが、院長は「お前はソ家の長子だ、何も知らないことにせよ。今から一歩も外に出てはならぬ」と。ユルは、セジュク院の庭に座り、泣いた、、、
チョヨンが母に「お父様を殺した刺客を捜し出しこの手で殺します」と言うと「ダメだ。中に入っている魂はナクスだが、体が誰のものかを確かめなくては。必ず見つけ出しなさい」と母は言った。
宮殿で、チン・ムが王様たちに「チェ氏姉弟は、ナクスの指示で還魂術を使いました。ナクスはチョ・チュンの娘で、復讐のため松林に潜んでいた。私の潔白を証するためナクスを捜していました」と報告し「松林に罪を問うてください」と言った。
「今、ナクスは?」と世子が尋ねると「捜しています。暴走したのでじきに石化して死ぬでしょう」と答えた。
ナクスは山の中にいた。「ムドク」と言うウクの声を思い出すと頭が激しく痛んだ、、。
ウクの死体は、粗末な棺に入れられ、広場に作られた焼き場に入れられた。
「葬儀も許されず、あんな所で死体を焼くなんてむごすぎます」泣くドジュに、総帥は「松林はこの件に関し、何も言えないのです」と。
棺を囲む木材に火が放たれ、勢いよく燃えた、、、ドジュは号泣し、総帥、ダング、ダンホ、ヒノクと待女、数名の使用人だけが、ウクが焼かれるのを見守った。ユルは、焼き場に行くことも許されず、セジュク院の庭に座ったまま泣いていた、、
ナクスは、還魂人の墓場と言われる崖の上に来ていた、”鈴の音がもう聞こえない、よかった”と思った。
ウクの棺を囲んだ木から、突然、激しい炎が上がった。
イ先生が ”天の力を秘めた帝王星。これがお前の終わりではない、チャン・ウク” と心の中で言った。
氷の石を拾った場面が蘇ると、火は激しく上った、、、
湖の底に、ナクスが沈んでいく、、、
炎はやがて、水の気に変わっていく、、、激しい風が吹き、黒い煙が上がり、火は消えた、、
うっすらの人が立っている影が、、刺された時のままのウクが出て来た、、、
湖の底に沈んだムドク(ナクス)を2人の女性が両側から抱き抱え、上へと上がる、、
ウクは無言で立ち尽くす、、、
ーー完ーー
感 想 (書き終えました)
衝撃の結末で、言葉が出ません、、、。
この20話までがシーズン1、そして12月にシーズン2として10話が放映され、本当に完結になるようですが。
20話の前半の穏やかな日常の描写
- 花がいっぱい咲いている庭での、恋愛に慣れていない総帥とドジュの心の行き違いの会話
- 世子のウクへの敗北感とムドクへの報われない苦しい恋の告白
- ウクとムドクの小さなケンカから、愛の確認
- 婚礼を明日に控えたダングと酒を酌み交わすウクとユルの友情
- 晴れの日に舟で現れる白い花嫁衣装を着た可愛らしいチョヨン
そんな、少しの苦さがあったとしても、美しく平和なエピソードの底に、、、チン・ムの不吉な陰謀と方術鈴の鈴が鳴り響いていました、、。
ムドクは、ナクスとして暴走してしまった、それも、ダングとチョヨンの婚礼の日に、、。
ウクは、もしムドクが暴走したらという悲しい約束の通り、ナクスの剣で刺されました。刺されてなおも、自分からムドクを強く抱きしめ「1つだよ、お前の手が生涯 俺の指輪だ」と石化するムドクの手に自分の手を絡める、そのウクの愛、、そして自分がウクを刺したと気づき、号泣するムドク、、、なんて悲しいのでしょう。
ウクは「自分の中に氷の石があるから、彼女を守れる」とイ先生に言っていたのに、先生も「無理やり力を引き出さなければ、暴走しない。術士の力を制御する神力を、ムドクの体の元の持ち主は持っていたのだろう」と言っていたのに、、、
氷の石や神力よりも、チン・ムの邪気が強かったということなのでしょうか?
ナクスの人生を思うと本当にかわいそうでたまりません、、。
白々しく、自分の罪の全てをまたナクスに押しつけ、王宮で報告するチン・ム、それを疑うことがない王様と王妃、疑っていても何もできない世子、、、
世子の苦痛も深いと思わざるを得ません。
幼い頃から、チン・ムを師匠として術を学び、彼に洗脳されてきた世子。その地位ゆえ、気楽に本心を話せる友だちも身近には居ず、父親の王は”帝王星”に常に怯え、10年間も偽王妃のそばで育った世子。彼にとっては、ウクとムドクは、同世代の初めて気を許せる人たちだったのでは?しかしウクの力を知り、ムドクを愛した世子には、二人の存在も苦しみになってしまった、、。私は、世子も可哀想でなりません。
婚礼という人生の最高の日を、血で塗られ、父を殺されたチョヨンは、白い花嫁衣装を着て、晴れやかな顔で舟に揺られていた彼女とは全く別の顔をして、母に決意を話しました。
ダングは、ウクがムドクの正体を知っていたと総帥に報告しなければならない立場、ユルはナクスの正体を知りながら、最後まで守れなかったことに、深い悲しみと悔恨を抱いているように思えました、、
最後、ムドクは2人の女性に助けられ、湖の底から上がっていくようでしたが、、
粗末な棺に入れらたウクの死体は、広場で、罪人のように焼かれた、しかしウクは蘇りました。
そして、シーズン2へと続く。
氷の石を体に持ち、その力を制御できないであろうウクは、どんな表情でシーズン2に登場するのか?
ムドクの中のナクスは、本来のナクスの体に戻るのか?そうすれば、ムドクはブヨンに戻るこができるのか?
シーズン1の結末で、ウクたちの青春の眩しさ、愛を信じる、そんな気持ちが喪失してしまったような気がしています、、。
でも、こんなにひどい体験をしても尚、ウクやムドク、ナクス、ユル、ダング、チョヨン、そして世子が、再び愛を信じ、得ることができることを、シーズン2で見せてもらいたいと願っています。
『還魂』、20話まで本当に楽しませてもらいました。制作に関わった全ての皆様に感謝します。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
用語解説、アップデートしました。よろしければご参考ください。
コメント
チュ・サンウク最終回でてくるの?みたいな、、このドラマは、夏についてピッタリ、、何もかもすっきりした、クオリティの高いドラマ、役者さんも、個々で抜群に演技がうまい。言うことなし、毎週楽しみにしてます。お勧めだね。
フッキー様
コメントありがとうございます。
そうですね、夏にピッタリのドラマ! ウクの父は、最終回に出てくるのでしょうか?
予想できないストリー、役者さんの演技、映像のクオリティも高い、最高に面白いドラマですね!
これからもよろしくお願いします。
はじめまして♡
還魂を初めて見た時、理解することが出来ずドラマを何回も見直していましたが、こちらのサイトにたどり着いて分かりやすく解説してあって 納得して,ストーリーを楽しんで毎回見ることが出来ています。ありがとうございます。
はじめまして♡
還魂を初めて見た時、理解することが出来ずドラマを何回も見直していましたが、こちらのサイトにたどり着いて分かりやすく解説してあって 納得して,ストーリーを楽しんで毎回見ることが出来ています。ありがとうございます。
かおり様
うれしいコメントをありがとうございます。
このサイトが、視聴のお役に立てているなら、光栄です。
とても面白いドラマですね。特別な用語や謎も多くて、推理しながら見るのも楽しみです。
これからもよろしくお願いします。
静かで台詞もそんなにないシーンなのに、ユルとナクスの最後のやり取りに心を揺さぶられ泣けました。
一瞬ユルの繊細過ぎるキャラに流されそうですが、さすが治水を極めた男、今回は完治するはずと言った顔は強さと潔さを感じました。
あみ様
美しいシーンでしたね。
あみ様のコメントに、ユルへの理解の深さを感じました。素敵なコメントをありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
20話。もう驚きすぎて言葉がありません。自分の母親を還魂人にして苦しめた者の前で平然としてる人物、世子、お前だよ、捕まえなさいよ、と思いながら迫る絶望に震えていました。
あみ様
コメントをありがとうございます。
20話の衝撃からまだ立ち直れず(泣)、あらすじのアップが遅れています、、。
世子も可哀想だな、孤独だなと思わずにいられません、、。
これからもよろしくお願いします。