『私の解放』は「あがめる」から始まるのでしょうか?丁寧に描かれる日常と登場人物のキャラクター、どこにでもいそうだけど、個性的。無口なミジョンとクが話す言葉がとても興味深いです。これから、それぞれがどう”解放”されていくのでしょうか?
5話~16話(最終回)まで、配信され次第ここでアップしていきます。*ネタバレあり
1話~4話までは以下の2つの記事にまとめています。
第5話 あらすじ
帽子を拾って、また反対側から走って跳躍し戻って来たク、無言で帽子をミジョンに渡し、作物の取り入れ作業に戻った。
唖然とする父、母だったが、チャンヒは一人興奮!
クの側に行き「ただ者ではないでしょ。韓国代表だった?」と訊くが、クは無言。
同級生のドゥファンとジョンフンが来て、チャンヒたちは、家の外で飲んだ。
”ク”の跳躍に興奮覚めないヒャンヒは、その様子を熱弁、また話が止まらない。話を聞くドゥファンと、うんざりするジョンフン。
「俺の人生は刺激がなさすぎる。生まれて一度も心からの喜びや情熱を感じたことがない」話を続けるチャンヒ。
「黙って食べなさい」と母が美味しいおかずを窓から出してくれたが、「いい年して、子供の時と変わらないわね」とため息。
ミジョンは、殺虫剤買いに出た。
「なぜ悲しいの?どうして?、いつもここまで」「私は立派な人間、愛を求めたりしない」独り言を言いながら歩いた。
帰り、クとすれ違い、「焼酎なら買ってきた」とミジョンは渡した。
「本当か?春になれば別人になってるというのは。”あがめれば別人になれる”と」と彼は訊いた。
「やってみればいい。するつもり?」とミジョン。
「しただろ、昼に」とクは言い、家に引き返した。
ミジョンは、少し驚き、小さく微笑みを浮かべた。
チャンヒは、朝から隣の席のアルムの無駄話に辟易。同僚にメールで助けを求め、その場から退散した。
夕方の会社の飲み会で「ヒャンヒは2年もチョン・アルムの隣の席だ」と同僚が言うと、みんなが「今日の会費はタダに、永久免除だ」とヒャンヒに同情した。
チャンヒの隣で飲んでいたダヨン、「チャンヒのおしゃべりは好き。声がする方に目がいく」と彼への好意を表し、イイ雰囲気になったが、、。
数日経っても、チャンヒは彼女をデートに誘わない。同僚に理由を聞かれ「元カノは家庭を築きたいと思っていたが、俺は準備ができていなかった。ダヨンも同じだろう。付き合っても別れるだけ」とヒャンヒは言った。
クは、家の流しに溢れる汚れた食器や鍋、そして、別の部屋いっぱいに並べられた”酒の空き瓶”を見て、絶望的な気持ちになった。
酒を買いに行き、二本だけ買ったが、足りずにまた買いに行き、酔ってアイスクリームも買い、冷凍庫に入れた。
キジョンは「また来てください」と言ったテフンの言葉を反芻していたが、行く口実が見当たらない。
彼女は、姉のギョンソンに、弟にあげた宝くじが当たったかどうかメールで聞いたが、1枚も当たらなかったと返信が来た。彼に会いに行く口実はなくなってしまった。
テフンのことで頭がいっぱいで何も手につかないギジョン。
女友達のヒョナが、ピョン・サンミのコンビニに来て、
「チャンヒの元カノです。あなたからの電話で、私はいつも置き去りに。別れたくなかった、、」と泣き(ウソ)、サンミから「ヨリを戻して。”電話は10分にする”」と約束を取り付けた。
チャンヒは、ヒョナにお礼を言い、二人はしばらく「ニセ恋人」を演じることにした。
部長、テフン、ミジョンの3人は、また幸福センターに呼ばれた。
「こちらも監査を受けるので、活動内容を把握しておく必要があります。何もないと言うわけには行かない、”日誌”をつけてください」と担当の女性は言った。
ミジョンが薄いノートを3冊買い、部長とテフンに1冊ずつ渡した。
ミジョンは日誌を書いた。”心から好きな人”
2人はそれを読んで「いいね」と言った。
クは、ジェホから1週間分の賃金をもらった。
しばらく躊躇した後、クは、ジェホに「末の娘さんの連絡先を」と聞き、教えてもらった。
”カネが入った 食べたいものは? クより”
ミジョンはメールを受け取った。
タンミ駅で彼女を待つク。
『考えてみたら1人もいなかったんです。好きだと思ってた人も、イヤなところが1つはある。
問題なく付き合っているように見えても、実際は、心から好きな人はいません。
それが私の心を疲弊させる理由かも。
作ってみようと思う 好きな人を
その人の言動1つ1つに心を乱されることなく ただ好きになってみようと思う』
(『解放日誌』”心から好きな人” ヨン・ミジョン)
二人はトンカツを食べた、何もしゃべらず、黙々と。
一緒に歩いて帰る。
バスが停まり、キジョンが降りた。
ミジョンとクを見て、怪訝そうな顔をしたが、何も言わずに歩き出し、その後を、ミジョンとクが少し離れて家に向かって歩いた。
感 想
毎回書いていますが、5話もヒャンヒ、しゃべってます(笑)、すごいです!
でも、隣の席の”チョン・アルム”の無駄話にはじっと堪え、コンビニ店主ピョン・サンミからのグチの電話には、「はい、はい」と相槌を打つだけで、決して話の腰を折り、意見を言ったりはしない。
すごくおしゃべりだけど、無口でもあります。
チャンヒ、すごく興味あるキャラクターです。
一方、無口な3人組、ミジョン、ク、父。
無口なのに、この3人の声が聞こえそうです。
ミジョンは「解放日誌」を書き始めました。
「”心から好きな人” 好きな人を作ってみようと思います」と。それは”ク”のようです。
ミジョンとクは、トンカツを食べた、全く無言で。でも、二人の間に、気まずさはなかったですね。”信頼”があったように見えました。
一番、言葉を発しない父。
クが「末の娘さんの連絡先を」と聞いた時も、少し驚いたが、理由を尋ねたりはしない。
クは1年父を手伝っている。クの働きで、父は彼の人柄を信頼できる、と判断しているのでしょう。
黙々と働いている映像が、父を物語っています。
登場人物全員が、その辺りにいそうな人たち、とてもリアルです。
キャラクターがだんだんとわかってきて、ドゥファン、愛らしいです。
第6話 あらすじ
ミジョンがバス停まで歩いていると、クが運転する工場のトラックが止まった。横に乗っていた父が「乗れ」と言って、クは彼女を駅まで送った。
ミジョンは、毎朝、電車から見える『今日はきっといい日になる』と言う看板の写真を撮り、メッセージと共にクに送った。
チャンヒは、すごく実績のあるコンビニ店に、5年延長の契約書を持ってきた。
店主は「5年経てば私は83歳。子供は店を継ぐ気はない。元気なうちに店を畳みたい。継ぎたい人がいないか。あんたはどうだ?」とヒャンヒに聞いた。
補償金と管理費で3億ウォンと破格で、毎月の利益1000万ウォンの物件。
最大のチャンス!チャンヒは、父に相談しようと電話したが、電話が通じなかった。
午後になっても、ミジョンに、クからの返信はなかった。
チャンヒは、焼酎を買い、クの家に来たが留守。ドアが空いていたので、入って冷蔵庫に焼酎を入れた。隣の部屋から、黄緑色の光が、、、部屋中の焼酎の空き瓶に光が反射して輝いていたのだ。
ドゥファンと一緒に空き瓶を片付けているところに、クが戻ってきた。
クは「置いておけ、自分のクソは自分で始末する」と不機嫌に言った。
そして、ミジョンからのメールに気づいた。
仕事帰り、キジョンは、ミジョンを飲みに誘った。ヒョナも参加。
キジョンは「誰だっていいと言ったのは私、なぜあんたが代わりにクズ男と?」と責めた。
ミジョンは「これまで人を選んで何か得した? 練習するの。
無償で何かを与えたことも得たこともない。成功して去るなら行かせてあげる、どん底をはっても恥じない。世界中の人に責められても、同じ人間としてただその人を応援する」と言った。
心を動かされるキジョン、泣き出すヒョナ。
チャンヒは夕食の席で父に「いい店がある。3億ウォンの資金は要るけど、利益は月1000万ウォン。店主が高齢で店を畳む。僕の担当エリアだから最初に話が来た。その気があれば、父さん引き継いで」と話した。
父は「何をして稼ぐかは自分で決める。やりたければ自分でやれ」と。
部屋で落ち込むチャンヒ、欲のない親と資金がない自分、目の前にあるチャンスを掴めない。
キジョンたちは、テフンの姉の居酒屋に来た。テフンが手伝っていた。
キジョンは、テフンと話し「謝りたいです。”僕の人生で最大の幸運は結婚だ。こんなかわいい子と出会えた” あの言葉は刺さりました。そんな大切な関係なのに、侮辱するようなことをしてごめんなさい」と謝った。彼は受け入れてくれた。キジョンは満足。
ミジョンはクにメールをした。
”姉と飲んで遅くなる。返信を望む心は抑えられないけど、あなたの愛情は測る必要がなくていい。あがめさえすればいいもの すごく楽だわ”
タクシーで帰り、クの家からの光を携帯で撮った。
ミジョンは、クの家に来ていた。クはソファに座り焼酎を飲み、ミジョンはテーブルの椅子に座った。
「マシな時はいいが、ダメな時は、人が見えるだけで気に障る。話せばもっと腹がたつ。どう答えるか考えること自体が重労働だ」クが言った。
「私もよ。24時間のうちマシな時間は1-2時間、残りは全て耐える時間。とにかく疲れた。
それでも、牛追いのように、何とかして自分を追い立ててる。”なぜ生きるのかはわからないけど、生きてるうちはきちんと歩こう” そうやって1日1日を必死で耐えながら自分を歩かせてる」とミジョン。
クは冷凍庫からアイスクリームを出して、ミジョンにあげた。
チャンヒにとって大チャンスだった店は、オーナーが正式に売ると言う前に、噂を聞いた誰かが直接不動産屋に行き、契約してしまった。
「同じ名前のコンビニにするそうだ。娘が本社に勤めていて、以前、店を担当していた」と聞き、チョン・アルムの仕業だとわかった。彼女は、会社を通さず、会社で得た情報を父親に話し、父は破格条件で契約したのだ。
「まさか父がすぐに契約するとは思いませんでした」彼女が上司に見えすいた言い訳をするのを、ヒャンヒはただ無言で聞いていた。
チャンヒから、アルムの仕業を聞いたヒョナは、私が電話して懲らしめてやる!と憤ったが、彼はその日、銀行のATM での出来事を話し、自分は怒りに任せて行動しなかったと自慢した。
「俺はきっと小雨のような人間なんだ。多くの水は動かせないが、小雨のようにひっそりとたくさんの人を潤わせる」と言った。
ヒョナはチャンヒの紹介で、ピョン・サンミのコンビニで働くことになった。
翌日、クは、台所に溜まった洗い物をした。
部屋一杯の空の焼酎の瓶を片付け、その瓶を売った。
うちに帰ると、ミジョンからメッセージがあった。
返信すると、”あなたから返信が来ると給料日みたいにうれしい” とすぐに返信が。
クは、空き瓶のあった部屋と家中の拭き掃除をした。
それを写真に取り、メッセージと共にミジョンに送った。
”久々に掃除した。きれいな家で何をしたらいい?”
”飲まないと” とミジョンから。
クは駅まで迎えに行き、一緒にバスで帰ってきた。
二人はクの家でのんだ。今日は、向かい合って。
「今日も、必死で自分を追い立てた。牛追いのように。一世一代の大仕事を今日はやり遂げた」とク。
「過去は聞かない。どこから来てなぜ飲んでいるのかも聞かない。飲むなとも言わない。引き止めない。満たされたら終わり」とミジョン。
「カッコいいな」とクは笑い「あがめたぞ」と。
「もっとやってみたら?足りないわ」ミジョンは言った。
チャンヒは、畑で、クと同じように跳躍しようとして走って跳んだが、、、途中で落ちた。
その頃、家のクの携帯に、大切なメッセージが入っていた。
感 想
ミジョンとクの距離がかなり近くなって来ました。
人と話すことにエネルギーを必要とする二人、この共通点が、二人の関係を楽にしているのかも。
ミジョンは、今までのような駆け引きはしない、”あがめるだけ”と決めたから、クに対してとても率直。送りたい”応援”メッセージを送るだけ。
返信は来なくてもいいけれど、来たら、”給料日のようにうれしい”と素直に返信する。
何者かも聞かないし、何も束縛しない、”満たされたら終わり”と言い切り、でも「もう少しやってみたら、足りないわ」と堂々と言います。クールですね!
チャンヒには、すごいチャンスが巡ってきたが、結局、宿敵、チョン・アルムの一家が手に入れた。彼らはすでに3店舗持ち、資産を築いている。
チャンヒ、悔しいです。
でも彼は「自分は小雨のように人々を潤す」と言う。それって、素晴らしい。
多分、チョン・アルムのような人には勝てないです。
彼女のレベルに自分を落としたくない、という思いで踏ん張っているチャンヒを応援し(あがめ)たいです。
第7話 あらすじ
休日、クとミジョンは家の農作業を手伝い、キジョンは洗濯をしていた。
父と母は、畑仕事の賃金を受け取らないクに「タダで働かせるわけにはいかない」と言ったが、クは「好きで手伝っただけなので」と答えた。キジョンは「好きでやったなら、無理に渡さなくても」と口を挟んだ。彼女は、ミジョンとクが”恋愛している”のが気に入らない。ミジョンは姉の態度に腹を立てていた。
ドゥファンは、”クァク先生が彼氏と別れた”と聞き、心臓がドキドキして、チャンヒにまた相談。
ミジョンが「私がドキドキしたのは、困った時ばかり。幸せを感じた時は鼓動が遅くなった気がした。解き放たれた気分」と話した。
「ミジョンの言う通り。当然、手に入るものにドキドキしない。何かを切望した時にドキドキする。自分に手が届かないと魂がわかっているから、苦しむ」とドゥファンの長年の片思いに未来がないと言った。
『解放クラブ』の活動の日、幸福支援センターの女性が視察で参加。
4人で喫茶店で会合。メンバーは、自分が『解放されたいこと』を話した。
部長は「何度も時計を見てしまう。充実した1日にしようという思いとは裏腹に何もしていない。常に時間に追われている。時間から解放されるのは難しいが、きちんと休息を取り、疲れが取れたら起き上がる。自分のペースを保つのが僕にとっての解放ではないか」と話した。
ミジュンに、姉のキジョンから電話。店の前に来ていた。テフンが気づき、彼女は店の中で待つことに。
テフンが話し始めた。キジョンは、彼の話が聞こえる席に座った。
「小学5年の時に父を亡くし、6年の時に母を亡くした。母の葬儀を終えて学校に行ったら、いきなりケンカをけしかけられた。勝てない相手ではなかった。でも負けなきゃいけないような空気を感じた。それで負けてやった。親がいないってこういうことか、両腕を失ったような気分でした。もしかしたら、娘も同じ思いをしているのかも。両親を亡くしてから僕は弱くなった気がします。弱い僕から解放されたら、娘も強くなれるかもしれない」
テフンのノートには ”弱い気持ちからの解放”と書かれていた。
ジェホ(父)は、仕事で ”家族関係証明書”が必要になり、役所に行った。ミジョンが転出していた。「どこに住所を移した」と聞かれたミジョン、とっさにウソをついたが、戻しておけ、と言われた。
ミジョンは銀行に行き「督促状が郵送されるか?家族に見られたら困る」と相談したが、郵便物は送付されると言われてしまった。
彼女は、先輩に何度も電話をし、やっと通じたが、出たのは同棲中のセヨン。「このままじゃ私がブラックリストに、載れば会社も辞めないと、、」ミジョンが泣きながら話していると、本人が出た。「親に借りろ。金は返すが今はめどた立たない。催促してくるのはお前だけじゃない。俺を責めるのはやめろ」と逆ギレ、、電話は切れた。帰り道「チャンソクが私の横にいる間は死なせない」とセヨンからメールが来た。
昼間、キジョンは、テフンに「ケンカをけしかけたヤツらを教えてください。昨夜、どう仕返しするか考えたんです」とメールした。
「今は仲良くしてます。子供の頃の話ですから」とテフンは返信したが、彼女は、
「関係ありません、とにかく送ってください、復讐しないと。絶対諦めませんから」と再メール。
夜、女友達と飲んだキジョンは、
「私しかいない。弱いと思わせないのは私しかいない。私は”受け止める女”で”忠犬”。私が支えてあげる、付き合おう、と今すぐ言いたい」と錯乱しているように話した。
ドゥファンは、まだ先生に告白するかどうか悩んでいた。チャンヒは、
「言うべきじゃないと分かっているのに言うと後悔する。
ギジョンは、好きでもない相手に好意を示されて、撃ち殺しやるとほざいていた。自分より格下とみなした男に好かれたら、そいつを毛嫌いする、世の中の女はみんなそうだ。
ヒョナは別。アイツは学生時代にモテまくった。どんな連中から告白されても本当に優しく接してた。振るときも親切に。振られてもケロっとしてた。告白して来た男たち全員に感謝の念を抱いてた。
プライドの高いギジョンに、告白は無理。撃ち殺されても文句は言えない。自業自得だ」と言った。
ギジュンは全部聞いていた。彼女は、帰ってきたミジョンにどちらが告白したか聞いた。
「私よ、告白はしてない。”あがめろ”と言ったの」
ミジョンは、積立預金を解約し、先輩の借金を払い”完済証明書”をもらった。
彼女は、役所で住所を戻し、”家族関係証明書”を取得した。
偶然クに会い、一緒に帰った。
「住所を家に戻した、督促状はもう来ない、完済した」とミジョンは言った。
「肩代わりを?そいつの名前と連絡先を。他の奴にやらせる」と聞いたクに、怒ったミジョン。
「みじめにさせないで。男にお金を奪われるバカな女だと親や世間に知らせろと?お金を貸した後、イヤな顔をするようになった。返済を求めるのも心苦しかった。全部自分が悪い気がした。私はそういう人間、ほっといてよ。助けなんか求めてない。言いたいことも言えない人に決着をつけろと?」
「俺には言えるんだな」とク。
「あなたは私が好きだから、何だって言えるわ。だからバカな私をあがめて。うぬぼれるほど自信を持たせてよ。あいつの前でも言いたいことが言えるように私を変えるのよ」とミジョン。
「俺の正体を知ったら驚くだろうな。恐ろしい男だそ。だがお前は怖い。お前の前では緊張する。少しは自覚しろ、ミジョン、自分の価値を」と言うクに
「悪くないから続けて」彼女はクールに言った。
キジョンは、自分の感情をコントロールできない。また女友達の前で泣き、会社の上司には「告白すればいい」と言われて、バスの中で、音楽を聴きながら号泣。
家に戻り、夜中に起き出し
「お許しください。調子に乗ってました。私に告白して傷ついた方々に心から謝罪します。反省してます。ごめんなさい。皆さんの幸せを心から祈ってます。感謝します」と懺悔した。
翌朝、ミジョンは、住所を戻した ”家族関係証明書”をテーブルに置き、父は気づいた。
歩いていると、クのトラックが迎えに来て、キジュンも乗り、2人は駅まで送ってもらった。
感 想
チャンヒの言うこと、的を得ている気がします。
- ドキドキするのは、期待するからだ、でも自分に手が届かないと魂は分かっている。
- 自分より格下とみなした男に好かれたら、そいつを毛嫌いする、世の中の女はみんなそうだ。
ミジョンは、借金を肩代わりして全返済しました。親に知られるわけにはいかないし、方法がなかった。ホント、お金を貸し借りはしてはいけませんね。
しかし、ミジョン、クの前では、言いたいことが言えるし、自分の弱みも堂々と見せられる。クから恐れられるほどクールで、カッコいい。この二人の会話も面白く、二人の関係は進展しています。
『解放クラブ』の活動もいいです。話すだけで、助言も慰労もしないという決まりも。この3人だから始められたクラブで、それぞれが解放されて、いい方向に行きそうです。
長女のキジョンさん、苦しんでます。彼女も、何かから「解放」されたら、幸せの方向が見つかる気がしますが、、何なんだろう。
第8話 あらすじ
ミジョンは会社の同僚たちに”彼”がいると知られ「どこに惹かれた?」と聞かれた。
「殻がないの」と答え、同僚たちは???である(笑)。
オフィスでは、上司がまた、”ダメ出し”の声と舌打ちで、ミジョンのデザイン案を赤ペンで派手に修正していた。
キジョンは、同僚たちが、美味しそうな食事やきれいな空を見ると、なぜ写真を撮るのかが分かった。好きな人に伝えたい、共有したいからだと。
テフンのことで頭がいっぱいの彼女は、チャットの ”I MISS YOU(会いたい)” のスタンプを間違って彼に送り、すぐに削除。”すみません、間違えました” と送ったら ”何だったのか気になります” と返信が。キジョンは、その一行で幸せに包まれ、大事件が起きるかも と期待した
ミジョンは、書面の直しを途中で切り上げ、タンミ駅まで戻り、近くの店で続きをした。
”あなたと一緒にここで仕事をしていると思えば、どんな仕事も楽しめる” と思うことにして。そこに、クが入って来て酒を飲んだ。「ヨム・ミジョンの想像は現実になる」彼女は微笑んだ。
夜道を一緒に歩きながら、クは話す。
「俺は落ち着くために酒を飲む。飲むと素直になれる気がする。心の中で一日中、罵っている。罵っていないのは、飲んでいる時と寝てる時、こうして話している時」
チャンヒはヒョナに、「ミジョンがクに”あがめろ”と言ったらしい」と話した。「問題がある男でしょ。きっと救おうとしたのね」と彼女は言った。
クは、ガソリンスタンドで、ある男に顔を見られた。その男が、別の男に「ク社長が」と走り去るトラックを見て言った。
上司に直した書類を提出したミジョンは、「美的感覚や色彩感覚は、生まれ持った才能、学んで身につくものじゃない」と嫌味を言われた。
1ヶ月後、会社の上層部で決定したのは、ミジョンが最初に提案した ”スプリング・ブーケ” という緑色だった。
上司の席に、パンフレット案の最終決定の封筒が置いてあり、”初校どおりに” のメモが。
彼は、決定を下したデザインチーム長から、「パンプレット、初校はいいのに、いつも修正して変になってる」と注意を受けた。
上司は、ミジョンに、パンフレットの初校をアップしたか聞き、今日は早く帰っていいと言った。
テフンは ”ニューヴァーナのレコードが入った”という知らせを受けた。サンポ市まで取りに行くと聞いた姉が「ギジョンに頼めばいい」と連絡をした。
依頼を受けたギジョンは、喜んでレコード店に行き、プレーヤーで再生されたレコードの音をスマホからにテフンに送った。テフンの望む音、そのLPを買った。
「土曜日にソウルに行くのでお渡しできます」とメールすると、「助かります」との返信が来た。最高の笑顔のキジョン。
ドゥファンは、小学校で子供たちにサッカーを教えた後、職員室をのぞき、クァク先生の姿を探したが、いなかった。やるせない思いのドゥファンは、チャンヒにまた相談。
「こういう切ない思いを伝えるための日を国が定めてほしい。シャイな男たちのために」と。
「告白するために、国に頼る?国が助けてくれてうまく行くか?校長の娘に手を出して仕事を失ってもいいのか?」と冷静なチャンヒ。
「振られた時は”記憶がない”と言う。自転車で転んだ知り合いが、転んだ瞬間の記憶がないと。告白して振られたら、お前がバイクで軽くぶつかってくれ、転んで記憶を無くす」とドンファンは言った。
これを聞いていたキジョン「私が試してみるわ」と手を挙げた。
ミジョンはクに「変わり者の幼なじみがあなたに会いたいと言ったけど止めた。2人は似てるの。2人とも強い、粗くて、透明だわ」と言った。
「なんだよ、それ、あがめてるのか?」と笑って聞くクに、彼女は「うん」と。
今日も、隣のチョン・アルムがヒャンヒの邪魔をしてきた。
「商品開発チームに希望を?昇進が心配?二重戦略ね。20倍よ、勝てそう?昇進は10倍、昇進に絞るべきじゃ。焦るとこんな計算もできなくなるのね」と言いたい放題。イライラし席を立つヒャンヒ。
クに、知り合いからメールが来た。先日、男に見られたことについて。誰かがクを捜しているようだ。
土曜日、キジョンはレコードを渡すために、テフンと会った。
「聴くと一瞬で別世界に行ける、その感覚に浸りたくてずっと聴き続けていました」熱く語るテフンに
「分かる気がします。私も1曲目を聴いた瞬間、何か湧き上がってきて、、。誰かを知るのは面白いですね。その人の宇宙も近づいてくる感じがして」とキジョンは笑顔で話した。
チャンヒとドゥファンは、拒否していたが、結局はバイクでソウルまで来て、店の外で待っていた。
2人が外に出てきた。キジュン、何も言わず別れようとしたが、、できない。
「私は言いたいことを我慢できない性格で、、恋愛する気はありませんか、私と」と告白。
思いもしていなかったテフンは、驚き、言葉に詰まり「あーー、すみません」と。
キジュンも、しどろもどろになって「大丈夫です」と振り向き歩き出した。
バッグを掛け替えたら合図。チャンヒとドゥファンがバイクで近づき、キジョンに接触、彼女は倒れた、、が、左手をついてしまい、気絶できず、左腕を損傷。ギブスをはめ、家に戻ってきた。その夜、ずっと泣いていた。
ヒョナが、サンポ市に来た。チャンヒ、ドゥファン、ジョンフンたちとBBQ、
突然の雨、、、すぐに止んだ。
ヒョナは、ミジョンの彼氏に会いたかったと言った。二人はデート中でいない。
「私は男に詳しいから、見れば、幼少期のことまで分かる。人は皆同じだから、1人と深く付き合えば十分。劣等感、優越感、自己愛、自己嫌悪、程度の差はあれ、抱えてるものは同じ」
キジョンが来た。
「この年になっても成長してる。また1つ恐怖を乗り越えたもの。大したことない」と精一杯言った。
大きな虹が出た。みんな写真を撮った。キジョンも写真が撮りたいと思った、送る人はいないけれど。
チャンヒのスマホに、”商品開発チーム不採用”の通知が。「昇進するぞ」と叫ぶ!
テフンも、家の前で空を見上げ、虹の写真を撮った。
ミジョンとクは、お寺の階段に並んで座り、虹を見ていた。
感 想
第1話から、舌打ちとダメ出しで、赤ペンでXXXだらけで修正指示を出してた上司、パワハラ! 美的感覚がないのは実はあなたでした、、。
ミジョンの初校が採用されました👏👏👏 この上司、ミジョンに謝ったりはしないでしょうが、これからは、失礼な舌打ちや、無駄な残業はなくなるでしょう。良かったです。
ミジョンとクはいい感じ。二人は共鳴し合っている感じがします。『殻がない。透明』ミジョンがクの魅力を表した言葉、すごく新鮮で興味深い。お寺の階段で並んで座っているだけで落ち着けそうな2人、いいな。
今回の主役は、キジョンさんかな。純粋で純情、そして多分不器用な人のような気がします。
テフンからの一行のメールで、最高に幸せな気分になり、頼まれてレコードを買い行く時も、会う約束をした時も喜びに溢れ、彼と会う前には美容院で髪を整える、、、素晴らしい。
すぐに告白じゃなく、もう少し時間をかけて、相手の様子も見ながらと思うけど、言いたいことをがまんできないのが、ミジョンさんなのですね。
ともあれ、勇気を出して告白したキジョンさん、行動を起こしました、そして 1つ恐怖を乗り越えました。キジョンさんも幸せになってほしいです。
チャンヒには、昇進してもらいたいです!
来週は、クさんの正体が少しわかるのでしょうか?
第9話 あらすじ
ミジョンは、クと夜道を歩いて帰る。「ここでは、毎日いろいろな死骸を見るわ」とミジョンは言い「昔、田んぼがあった頃は、夜になると蛙が道を渡って、車に轢かれていた」とその様子を詳細に描写して、クがイヤそうな顔をして聞いていた。
キジョンは、恋愛指南役の上司に、告白して振られたことを話した。「振られたけれど、人との接し方を教わった。勉強になった」と爽やかに話し、上司から「勇敢さを尊敬します」と褒めてもらった。
チャンヒは、変わらず、先輩チョン・アルムの言動に腹を立てていた。しかし同僚たちと飲みに行った時、一人から
「お前がチョン・アルムを心の底から嫌っている理由を考えてみろ。金持ちじゃなかったらそこまで嫌ったか?平凡な親で平凡な女だったらそこまで毛嫌いするか?正直になれ。お前だって欲望はあるはず、それに目を逸らすな。金持ちになれば嫌いじゃなくなる」
と言われ、気を悪くした。
クとジェホが、トラックにたくさんの廃材を乗せて走っている時に、ベルトが切れ、木材が道路に散らばった。拾って片付けている時に、クに話かけた人物がいた。クの過去に関係する人物。
クは男と話した。クのフルネームは ”ク・ジャギョン”のようだ。
「ぶっ壊れたフリでのしているのか?」と男は言った。「まさか、なぜそんなフリを?」
「お前の女が死んだのに。死んで欲しかったんだろ?」と男は言った。
死んだのは、その男の妹で、その後、その男がクの店を全て奪ったようだった。
ミジョンは、母に、クと付き合っていると言った。
翌日、寡黙なジェホ(父)が、「俺は借金の保証人になって、、だが、この仕事のおかげでカネを返し、土地や家を守ってこられた。地道に生きればそれなりにやっていける」と珍しく、クに身の上話をした。
夜、ミジョンはクの家に来た。
「親に言ったのか?」クが聞いた。うん、とミジョンが答えると
「いついなくなるか分からないのに、言わくていいだろう」とク。
「秘密にするほどのことじゃない」とミジョン。
クは、昔の話だ、と言い、一緒に住んでいた女が崖から落ちて死んだ話をした。
背中を押した。無気力なあいつの顔を見るのにうんざりしてた、と、そして
「やめてもいいぞ、、、あがめるのを、、、やめてやろうか」と言った。
「いつあがめた?」とミジョンは言い、帰った。
キジョンは「振られたのは私なのに、彼の”親を亡くして両腕を失った’という言葉が頭から離れない、弱さから解放されたい人を見捨てたようで、胸が痛い」と友だちに話し、落ち着かない気持ちで、帰途についた。
クの家が突然、停電になり、人が入って来た気配がした。
チャンヒだった。彼は、トイレを我慢できずに、クの家に駆け込んだのだ。温水洗浄付きトイレに感激し、また一人でしゃべり続けるヒョンヒ。
彼は「2人とも(彼とチョン・アルム)もダメだった(昇進できなかった)。また1年、隣の席。類は友を呼ぶのか、どうしてもここから抜け出せない。八方塞がりだと思っていたが、ここで出し切ったら、少しはスッキリしました」と爽やかな顔で言った。
クは、自分が間違ってタンミ駅で下車した時のことを思い出し、その時に、ミジョンに会ったことを思い出していた。
感 想
クは会いたくなかった人に会ったようでした。事情を察したのでしょうね、寡黙なジェホが、初めて身の上話をしていました。あの場面が好きでした。
キジョンは、振られたけれど、テフンの誠実な人柄からに助けられ、人と接する態度を学んだと言ってました。大きな成長ですね。
テフンさん、本当に誠実そうで、素敵な人ですね。でも、彼は娘さんを一番に考えないと思っていて、誰とも恋愛は考えられないのかもしれません。恋愛でなくてもいいんじゃない、と思いますが、、。
チャンヒは、同僚からの言葉に、気を悪くしていましたが、それは、当たっていたからだと思う。
類は友を呼ぶのか、どうしてもここから抜け出せない、その焦燥感、わかる気がします。
クが、ミジョンに、自分の過去(一緒に暮らしていた女が自殺した)を話し「やめようか、あがめるのを」と言った時、彼女は「いつ あがめたの」とまたクールに言い放ちました。車に轢かれたカエルの死骸の話を淡々とするミジョン。彼女の静かな迫力が面白いです。
第10話 あらすじ
夜、野良犬に襲われそうになったク、ミジョンが気づき、必死で野良犬たちを追払い、彼を助けた。
「お前は本能を捨てないといけない。本能が生きてる女は怖い。お前は、怖い」とクは言った。
ミジョンは、ヒョナと会って食事、それぞれの男に点数をつけた。
お互いに15点ぐらい、”言い訳をしないから”という理由で。ミジョンは「私は怖い?彼がそう言った」とヒョナに話した。
「あんたに読まれたのね。手なずければいい。怖いなら従うわ。まずは逃げようとするけど」とヒョナは言った。
ミジョンはクの家に行った。口数は少ないが、何かと逃げ口実を言うクに
「野良犬に腕を食われる覚悟はあるのに、女は抱き締めないの?苦痛に耐えるのはカッコいいけど、女と仲良く暮らすのはくだらないわけ?野良犬に腕や鼻を食われるのと、好きな女を癒すのとどう違うのよ」と冷静に言い放って、出て行った。
緊張した面持ちで聞いていたク、彼女が出て行った後、”参ったな”と言う感じで笑った。
キジョンはギョンソンから「美味しいタコが入ったので食べに来ない?レコードのお礼に」と誘われ、テフンの姉の店に行った。
振られてからテフンと会うのは初めてで緊張していたが、彼の温かい態度に助けられた。
キジョンは「山を越える心境だったが、おかげで超えられた。強くなれた気がする。”1つ1つにきちんと向き合おう”と思えた」と話した。二人とも笑顔になり、いい感じで飲んでいたが、、、
ギョンソンが不機嫌な顔で入ってきて「そこのシングルファーザー、銃で撃たれる前にビールを注ぎな」とテフンに言った。場が凍った。テフンの娘のユリムがキジョンを嫌っている理由を知ったギョンソンが、わざと言ったのだ。
テフンは「謝ってもらったし、ユリムにも謝りたいと言うのを僕が止めた」と説明した。キジョンは消え入りそうに小さくなり「ごめんなさい」と謝った。
そして、テフンに彼女がいると誤解しているギョンソンに、私が告白して振られた、と説明した。
チャンヒは、最近、機嫌がいい。不思議に思った同僚が理由を聞いた。
「兄貴(ク)の家でトイレを借りた日、そこに憧れの”ロールス・ロイスの鍵”を見つけ、兄貴が俺の救世主だと悟った。運転させてくださいと頼んだら、間違いなく許してくれる。それ以来、チョン・アルムの声が耳に入らなくなった」とチャンヒは言った。
同僚は「鍵だけかも」と疑いの目で言ったが、、。
キジョンは、恋愛相談をしている上司の彼女(会社の新人)から、「男性に恋愛相談するなんて、口実に見える、私の立場も考えください」と強く責められ「あなたの言う通り、ごめんなさい。迷惑な女よね、毎日恥じてばかりよ、、」と泣いて謝った。
席に戻っても涙が止まらないキジョンだが、、
テフンから、例のレコードのジャケットの写真と共に「これを見るとあなたを思い出します。お詫びの意味でごちそうしたいです」とメールが入り、今度は、嬉し泣き笑いに、、、。
”どんな名前でも、犯罪者でも 宇宙人でも構わないと言ったわ。私はまだあなたを嫌えない。進みましょ、もう少し先へ”
ミジョンからのメールを受け取ったクは、ソウルの大きな”クラブ”に行った。以前はクの店で、今はパクに乗っ取られていた。パクに会い
「俺がぶっ壊れたフリをする必要が?休んでいるんだ。15年間も地下で耳障りな音を浴びてきた。でもあんたが助けてくれた、俺を裏切って、感謝してる。
俺はシンクも作ってるし忙しいんだ。答えが出たら来る。今の仕事を選んでこの世界を抜けるか、この世界を食い尽くすかのどちらかだが、決めてくるまで待ってろ。今度、目の前をうろついて俺を怒らせたら、この世界に永遠に居座ってやる」と凄んだ。
帰り際「シンクを替えろ。”サンポシンク”に発注しろ」と弟分に命令して帰った。
クは、その足で、ミジョンを会社の近くに迎えに行った。
食堂で夕ご飯を無言で食べながらも、彼女を”あがめ”、世話を焼いた。
二人が一緒に帰ってきたのを見たチャンヒ、仲直りしたと見て、クの家に行き、トイレからロールスロイスの鍵を持ってきた。
「俺は今ソウルから帰った、なのにまた」と言ったクに歓喜のチャンヒ。
クはチャンヒをトラックに乗せ、ソウルへと向かい、ある地下駐車場に入った。
そこに、ロールスロイスはあった。チャンヒは、歓喜の雄叫びをあげながら、ロールスロイスを運転して家に向かった。
感 想
あー、面白かったです!
チャンヒ、やはり面白いです。クがロールス・ロイスの鍵を持っているとを知り、いつか運転できるはず、と思った途端、あれほど忌み嫌っていたチョン・アルムの言動が気にならなくなった。なぜなのだろう?お金がある、高級品を持てると思うことで気持ちに余裕が?劣等感から解放されたと言うことなのでしょうか?
夢が叶って、ロールス・ロイスを運転できて良かったです。
キジョンさん、1話で「銃はどこに売ってる?シングルファーザーはダメよ!」と大声で悪口を言ってました。ドラマの初期、彼女は不満と悪口を機関銃のように発してましたね。
でもテフンさんを好きになってから、これまでの言動を反省して、変わってきました。
テフンさんから、改めて誘いのメールが来て、今後進展がありそうです。
クは、クラブを経営するほどの会社の社長だったんですね。ヨレヨレのTシャツとズボンで乗り込んでも、恐れられるほどの人だった。
シンク、”サンポシンク”に発注されるといいな(笑)
そして、それ程恐れられているクが、ミジョンを恐れている、本当に面白い!彼女がクに言い放った「野良犬に腕を食われる覚悟はあるのに、女は抱き締めないの?」カッコいい。クはぐうの音も出なかった、本質をついてたから、見透かされてたから。彼女の ”前に進みましょう”のメールにも覚悟がありました。
「怖がっているなら従う」というヒョナと言葉通り、クはミジョンの覚悟に触発され、彼女を本気で”あがめる”と決めた気がします。
それにしても、サンポ・シンクのトラックで迎えに来てくれるって最高!って思いませんか? ロールス・ロイスに乗ったことがないけど、私は、トラックの助手席がいいなって思います(笑)
第11話 あらすじ
チャンヒは、クのロールス・ロイスを運転している。ドンファンは、満面笑みで助手席に乗っていた。会社の同僚も上司も乗せた。自分の車だとは言わず、妹の彼氏の車と正直に言っている。
しかし父と母だけは、その車の持ち主がクだと知らない。
ミジョンは会社で、例のダメ上司から、今度は服装のことでイヤミを言われた。ミジョンの初稿デザイン全てに、また赤ペンで直しを入れた、初稿を修正しないように上部から指示されたにも関わらず、、。
ミジョンは、クの家でお酒を飲みながら、このクズの上司のことを話した。
「ここに連れてきて、野に放して追いかけてやれ、お前が勝つ」とクは笑って言った。窓を開け、
「ここを開けると違う風が入る。部屋から月が見える家に住むのも始めてだ。そんな家は童話の世界だけだと思っていた」と彼は話す。
二人は真っ暗な夜の田舎道を歩いた。両側はススキ林。ミジョンは子供の頃、教会で子供たちが書いた祈りを見て本当に驚いたとは話す。
「”成績、進学、友人関係” そんなささいなことを神に祈る?私が神に聞きたかったことは1つだけ。”私がすべきことは?ここにいる理由は?” 一度も心が安らいだことがない。なぜ私はいつも悲しいのか、なぜ何もかもがつまらないのか。何もなく生きていける人は、こういう疑問から逃げてるだけかも。私は違う。死後にいく天国は必要ない、生きているうちにたどり着きたい」と。
丘の上にたどり着いた二人は、遠くの街の灯をみた。
クは、寒そうなミジョンの背中をさすり肩を抱き、二人はキスをした。
ヒョナは、チョンヒを誘いクラブに行った。彼女は高い席に座り、高いお酒を注文した。
ヒョナは70万ウォン(約7万円)の酒を注文し「今日は私の奢り」と。彼女の通帳に5億ウォンものお金が入っていた。そして「もし私が死んだとしても、自殺なんか絶対しない」と言い、お金のことでトラブルがあることをチャンヒに言った。
キジョンは、テフンから「今度、食事でも」とメールをもらって以降、3日間連絡がないことにイライラしていた。
会議が終わった後、2人の上司に話していたら、テフンから「今日はどうですか?」との連絡が。
2人とも「今日の今日はルール違反。恋愛は駆け引き、相手を焦らさなくては」と言ったが、キジョンは「焦らすのは、相手に辛い思いをさせることですよね?なぜ好きな人に辛い思いをさせる必要が?」と言い、誘いを承諾した。
キジョンが待ち合わせ場所近くに行くと、テフンが車を駐車したところだった。店の近くに止めたが長くは置けないかも、、。店に入り、
「つまみが評判の人気の店。予約は1ヶ月先しか空いてなかったが、今日、キャンセルが出たと連絡があったので。急ですみません」とテフンは事情を話した。
二人が席につくとすぐに、車を動かして欲しいと言われてしまった。テフンは車を移動するが、駐車場が見つからず、やっと遠くの駐車場に止めることができた。
姉ギョンソンに電話して、車を取りに来てもらうように頼んだ。
テフンは、走って店に戻った、汗をかいて。
キジョンは「走らなくてもよかったのに。1分、ゆっくりしてください」と落ち着いて言った。
テフンは、携帯をオフにして「これでゆっくりできます」とにこやかに言った。
キジョンは「必死で生きてきたけど得たものは何もない。髪を剃れば解放されそう。外見のコンプレックスや男性への欲望を捨てられます。だから決めました、冬までに誰かを見つけるか髪を剃るか」と話していた。
車を取りに来たギョンソンは、テフンを見つけて、店に入ってきた。二人を見つけて、目を剥いたが、テフンに「帰れ」と言われ、不服そうな顔をしながらも、何も言わず出て行った。
テフンは「髪を剃らないで。僕がなります ”誰かに”」と静かに言って微笑んだ。
キジョンは、驚き、そして笑顔になり「やったわ」と小さくガッツポーズ、二人は乾杯した。
チャンヒはヒョナを心配し「生きていますか?」と何度もメールした。
ヒョナは、病気で死にそうな男の看病をしていた。その男はお金持ちで、”お金を払わなくてはヒョナが来てくれない”と思い込み、大金を振り込んだのだ。男の母親が、ヒョナからそのお金を取り返そうとしていた。
ヒョナを「ふしだらの女、金目当てに息子に近寄った」と罵った。
「息子が病気なのに、頭の中にはお金のことしかない。”母親に手を握ってもらって死ぬのだけはいやだ” 彼がいうはずだわ」ヒョナは母親に向かって言った。
彼女は、病院から、チャンヒに”生きている。この男もまだ生きている”とメールした。
チャンヒは、担当のコンビニ店の前で、昔の恋人に会い、ロールス・ロイスで彼女を送った。付き合っている時は、車がなくて送れなかったから、と。
彼は「この車に乗っていると、優しい気持ちになれる。ハンドルを握るだけで、優しくなれるんだ」と彼女に話した。
誰かがクのことを調べていた。それを察したクは、関係者が集まる場所を見張り、1人の男を「パク社長か?」と問い詰めると「シン会長です」と。
クは、会長と車の中で会った。
「お前が生きていると聞いて、じき来るかと待っていたが来ないから、裏に誰かいるのか見晴らせた。そろそろ戻って来い。ペク社長をトップに据えれば私の体裁が保てない。戻ってこい。それともまだここに用が?」と言われ、クは「はい」と一言だけ答えた。
ミジョンとクは、明るい日差しの夕方、川のほとりに座っていた。いつものように無言の二人。
クは一言「あがめてる」と。二人は見つめ合い、フッと笑い合った。
感 想
最後の場面、川辺に座る二人、素敵でした!
ミジョンとクが、明るい日差しの中にいるのは初めて見る場面。
「あがめてる」と言われたミジョンの笑顔、彼女は”解放された”と思いました。
11話の最初の、夜の道を二人で歩いて、ススキの丘に立つ映像も美しかったです。
ミジョンとクを見ていると、本当に、たくさんしゃべる必要はないと思う。ミジョンの言葉はいつも興味深く、クには本心を話している、わかってもらえる、という信頼と安心感があるのでしょう。
キジョンの、恋愛に駆け引きが必要?という率直な疑問に、恋愛経験が彼女のより豊かな2人は、目から鱗って感じでしたね。
キジョンさん、願いが叶いました。勇気を出して告白したから、テフンさんという素敵な ”誰か”が見つかりました。最高ですね!
このドラマでは、ヒョナも大きな存在。外から見えれば、次々と新しい男と付き合う淫らな女と言われそうな女性、でもそれは違うのだ。作家は、本当に優しい人、受けた恩を決し忘れず、返す女性を描いているのだと思います。
チャンヒ、 クのロールス・ロイスを運転してます。
第1話の感想から、ほとんど毎回 ”チャンヒはよくしゃべる!”と書いてきたけれど、今回は静かでした!話してはいるけれど、ゆっくり、余裕を持って話していました。”落ち着き”を得た気がします。焦がれていた車を(例え借り物でも)持つことができ、今までの焦燥感から、解き放されたように見えます。
ミジョン、チャンヒ、キジョン、それぞれ変わり、解放されてきていますね。
映像がホントに美しいです!
クとミジョンが何も語らない間、光、暗闇、影、、、前も書いたけれど、映画のようです。
第12話 あらすじ
キジョンは、会社の上司2人に恋愛の報告。
「毎日会えなくてもいいんです。恋人がいるというだけで、今の気持ちは文字通り”舞い上がりそう”です。こんなに心が軽くなったことはありません。どんな悪口も浮かんでこない、悪口を手放したら、こんなに軽くなるんですね」と笑顔で話した。
工場に、派手な服を着て、派手な赤い車に乗った男が訪ねてきた。
父とクは外出中。応対した母は、クの先輩と聞き、彼を家に入れ食事も出しもてなしていた。
そこに、父とクが戻ってきた。気を使う父だが、クは無言。
男はクと外で話した。「戻ってくれ。今度は、パク社長じゃなく、会長に殺されるぞ」と彼は言った。
『解放クラブ』に入会希望者が、幸福センターの担当女性だった。
彼女はメンバーの前で「笑顔から解放されたい。人がいると無意識に笑ってしまう。幸せでもないのに
作り笑いをしてしまう。お葬式が苦痛」と話した。
3人のメンバーは入会を認めて、3つの規則を説明した。
『解放クラブ』幸せになるための集まり。
- 幸せなフリをしない
- 不幸なフリをしない
- 正直に向き合う
付則:助言も慰労もしない。
ミジョンは、クに幸福センターの女性が入会したことを話した。
「幸せな人だと思っていたけど、演じていたのね。みんなが演じているから社会の秩序が守れているのかも。私はおとなしいフリをしてる。演技しなければ、誰かを食い殺してしまいそう」と話し、クは「何でも言えるようになったな」と言った。
キジョンは、テフンとデート中。
”京畿道の女と付き合う心得”は、「送らないことです。遠いから。1度送ると2度目も送らないといけないと思ってしまうから」と言った後、「子供のいる男性と付き合う心得は?」と聞いた。
「クリスマス、お正月は一緒に過ごせません。忙しく、約束を直前にキャンセルすることもあります」とテフンは正直に答えた。キジョンは、
「1秒でキャンセルしてください」と笑顔で言った。
テフンは、娘のユリムとの会話を思い出していた。
「あの人が好きなの?どこが好き?」と聞かれたテフンは、
「パパを休ませてくれる。気が楽だ」と言うと、ユリムは「よかった」と言ったのだ。
別れる時、テフンは「送ります。今日は送りたいんです」と言ったが、キジョンは最初に自分が言った通り、”電車で帰ります”と歩き出したが、振り返り、
「次は寝ましょう」と、、、???戸惑うテフンであった(笑)
高級車を運転して、心の平穏を取り戻していたチャンヒだったが、、なんと、ロールス・ロイスのバンパーに傷を付けられていた。気づいたのは朝で、いつ、どんな状況で傷を付けられたのかわからない。ネットで交換費用を調べると2000万から3000万ウォン、、、
食事中に父から「人の車に乗るな。高級車だろう。誰の車だ」と問い詰められ、
「クさんのです」と正直に答えるしかなかった。
バンパーの傷を放っておくわけにもいかず、チャンヒは決心して、クを呼びに行った。
車の傷を見たク、靴を履き直し、、、チャンヒはそれを見て走り出した。
逃げるチャンヒ、追うク、、、、延々と逃亡劇が続いたが、、、
チャンヒは逃げ切り、電車に乗りソウルへ。
クも電車で、ソウルに向かった。
クは、クラブに行き、先日訪ねて来た男に会った。
そして「パク社長はクスリを売っている」と話し帰った。
チャンヒは、入院中のヒョナの男を見舞った。ヒョナがチャンヒのことばかり話すので、その男が、チャンヒに会いたいと言ったのだ。
「思った通りの顔だ」とその男は、チャンヒを見て言った。
クは、ミジョンに「ソウルに戻ることにした」と言った。「なぜ急に?」と聞かれ「そうなった」と一言。
ミジョンは少し泣いて「たまには会いましょ」と言ったが
「何のために。身軽になって自分の人生に満足している。怒ってもいいぞ」とク。
「私は怒らない。戻りたいんでしょ。”行かないで”とは言える。寂しいわ。でも腹は立たない」と彼女は言った。
クは、「ソウルでもっと平凡に暮らせ。他の女と同じ欲望を持て」と涙目で睨むように言った。
ミジュンは「私はここで生きるわ。時々、電話する。頻繁にはしない」と言った。
ジェホ(父)はクに「戻りたかったらいつでも戻れ」と言って、財布の中のお金を全て封筒に入れて渡した。
ロールス・ロイスで町を離れるクは、野良犬が捕獲されているのを見た。
ミジョンは、クに電話をしたが、電話番号は取り消され、通じなかった。彼女は声をあげて泣いた。
クラブに警察の捜査が入った。
パクは逃げたが、逃走中の事故で亡くなった。
葬儀が営まれた。クは、そこでボスとして座り、皮肉な笑い声を出しいた。
ミジョンは、”幸福なフリをしない、不幸なフリをしない、正直に向き合う”
”以前は過去の男の不幸を望んでた。でもあなたには、風邪すら引かないでほしい。二日酔いに苦しむ日がないことを願ってる”。
と心の中で言いながら歩いた。
感 想
『解放クラブ』は、幸せになるための集まりで、”3つ規則”があるんですね。
新会員の幸福センターの女性が、”3. 正直に向き合う”と聞いて、「怖そう、1日目から脱退しそうです」って言ったの、分かる気がします。テフンさんが「自分だけに正直なればいい」と助け舟を出してました。良い同好会ですね。
キジョンさん、よかったです。
恋人がいると思うだけで、心が軽やか、悪口を手放せて、解放された様子でした。
テフンさんとの会話は、丁寧でお互いの立場を思い合っていますね。丁寧に話すと決して攻撃的になれません。相手の話をよく聞き、自然に相手を尊重することになるのでしょう。
チャンヒ、ロールス・ロイスのバンパーの傷、、、これは凹むわ、分かるわ。
それも人から借りた高級車って、目の前、真っ暗。 交換費だけで、普通に新車が買える値段です。
正直にクに話した後の、チャンヒの逃げ足、早かった!走るの速い!持久力もあり、逃げ切った、すごいです。すごく疲れたと思うけど、あれぐらい走ったら、清々しいだろうと思いました。
チャンヒとヒョナが付き合うのでしょうか?
冒頭、ミジョンが「家畜には名前をつけない」とクに話してました、殺して食べる家畜だからと。それをきいて驚いたクが「俺にも早く名前をつけろ」と言ったのが面白かったです。
クがミジョンに「ソウルに戻る」と行った時、「ソウルで平凡に暮らせ。他の女と同じ欲望を持て」と言いました。他の女は”家畜には名前をつけない”というような話はしません。最初のエピソードが、クのこの言葉にきいてきます。
最後のモノローグ、”あなたには、風邪すら引かないで欲しい、、、” あがめてます。ミジョンの気持ちは、変わらず深まる気がします。
クはソウルの元の世界に戻った。野良犬が捕獲され檻に入れられていたのはメタファーで、クがソウルに戻ることは、自ら檻に入っていくということなのでしょうか?
ジェホとの家具作り、ミジョンを”あがめる”こと、彼を揺さぶり、刺激し、解放させた場所、そこに戻ってくるはずだと思う。どうやって戻ってくるのか、、。
第13話 あらすじ
クは元の世界に戻り、社長として多くの部下を抱え、大金を動かし、威厳を持って仕事をしていた。
チャンヒは、ヒョナの入院中の男に気に入られ、ヒョナと代わりばんこに男の世話をしていた。
チャンヒは、会社を辞めた。父母には内緒にしていたが、キジョンがバラした。「これからどうするつもりだ」と言う父に「8年間真面目に働き、餞別をくれた店主もいた。自慢の息子ではないかもしれないが、誠実に接して、一度も親の顔を見たいと言われたことはない。ここに未来が見えないと思ったら方向転換するしかない。しばらく休みたい」と言った。チャンヒは、畑や父の工場を手伝った。
母は、父に、畑を売るように説得していた。クがいなくなった後、畑仕事と工場の仕事を手伝いながら、食事から家事全般をこなして、365日、1日も休みがない、私はこの家のメシ炊き女よ。これ以上は無理だと訴えた。
父は、ある日、チャンヒがリレーでビリでバトンを受け取ったが、ごぼう抜きし、1位になった昔のこと、その時の高揚感を思い出していた。
ミジョンは、会社のデザインコンクールに応募し、1位になった。
しかし、例の嫌味な上司が、自分の名前をケイタイに登録して、社内の女子と不倫していることに気づいた。
キジョンは、毎日、テフンに会っていた。彼が遅くなるときは彼の家で待った。
店で勉強している娘のユリムは、決して口を聞こうとしなかったが、テフンの一番上の姉は、二人のこ温かく見守っていた。
キジョンは、母から、付き合っている人を紹介してほしいと言われた。
見るだけなら、と彼女はテフンと食事をする店を知らせて、母は別の席に座った。
テフンを見て満足そうな母は、お会計をすませた後で、二人の席にきて「お会計は済ませておきました」とにっこりと笑って出た。
テフンが「どなた?」と聞くと、キジョンは「母です。顔だけ見るという約束だったのに」と。「お母さま、、」と驚くテフン。
テフンを見た母は、笑顔で、行きつけの市場に行き買い物をした。その時、ある店主から、
「飼い犬が死んだんだって?」と声をかけられ、意味がわからず黙っていると、「ミジョンが泣いてから理由を聞いたら、飼い犬が死んだと」と彼女は言った。
母は、無言で帰って行った。クが去って、失意のミジョンのことを思い、涙を流しながら、、、。家に戻り、母は出かけた洋服のまま横になった。
クは思いきって、ミジョンの家に来たが、家から見知らぬ女性が出て来た。
「ヨン・ジェホさんのお宅では?クと言います」と名乗ると、中に入りジェホを呼んできた。
ジェホが出てきたが、雰囲気が違う。髪の毛を短く切り、歩きづらそうだ。家の中もがらーんとしていた。
「君がいなくなりしばらくして死んだ。その年の秋に。部屋で昼寝をしていたんだが、目を覚まさず、そのまま死んだ。鍋を火にかけたまま、、、」ジェホは朴訥と話した。
その日、鍋が焦げているのに気づいたチャンヒが火を止め、「お母さん、焦げてる」と話しかけたが返事がない。母の側で声をかけても返事がない、、体にふれた、息をしていなかった。動転しながら父を呼びに工場へ行き、、。
家に帰る道を歩いていたミジョンは、救急車が家に入るのを見た。
「初めは途方に暮れたが、耐えられるようになった。苦労したのは子供たちだ。3人はソウルに移った」とジェホは言った。
感 想
お母さんが突然亡くなり、、衝撃が大きすぎて、、、
毎日、毎日、ご飯を作り、家族に食べさせ、畑を手伝い、工場を手伝っていたお母さん、、第1話から、お母さんは、ずっと家族のためにご飯を作り、働きづめでした、、。
そのお母さんが突然亡くなり、、涙が止まりません、、、。
14話 あらすじ
お母さんの突然の死、葬儀が行われ、父と3人の子供たちは悲しみに包まれた。
チャンヒは、火葬場でヒョナといた。「俺があそこにいる時、ここには誰がいるかな」と言うとヒョナは「私がいるわ」と。チャンヒは「僕たち結婚しよう」と言った。
「人工関節はどうしますか?」と聞かれ、チャンヒは別に包んでもらった。
お骨を持って帰り家で祀った。
母がいつも作ってくれた食事を、家族がそれぞれ変わりばんこに用意した。
父が朝の支度、チャンヒは工場を手伝い、昼ごはんの用意をした。ミジョンとキジョンが肉や食料を買って帰り、夕食の準備をした。
母がつけた大量のキムチを出しながら、キジョンは、お金をせびる叔母(父の妹)に腹を立て、母は過労死だった、と父を責めた。
テフンの姉たちは、キジョンの母の突然の死について話していた。テフンから「亡くなった日の昼間に、お母さんに会った。食事を奢ってくれた。昼間会った人が夕方なくなるなんて、、」と聞き、上の姉が「婿の顔を見ておきたかったのね」と言った。
チャンヒは、ドゥファンとジョンフンと一緒に飲みながら、葬儀の時のことを話していた。キジョンからいつも聞いていたから、宝くじの上司や歯に”イヤな女” と書いてある同僚がすぐにわかった、面白かった、と笑いあっていた。
「キジョンさんは、何かが起きることを察知してたかのように彼氏を見つけた。チャンヒもタイミングよく仕事を辞めてた」と二人が言うと、チャンヒは「俺は臭覚が働く。その時が来たと魂が悟っていたんだな、俺が無職じゃなかったら誰が父さんを助けられる?」と言った。
ドウファンは、寂しい時は、僕も同じ気持ちでいることを覚えていてほしいと願う、と弾き語りした。
3人で丘に行き、チャンヒは地面を掘って、母の”人工関節”を埋めた。
ミジョンは、上司の妻から、不倫相手と誤解され電話を受けたが、「私ではありません。名前を利用されただけです」と上司が聞いている前で言った。
不倫相手は同僚。彼女は「不倫相手を知ってるの?」と白々しく聞いて来た。ミジョンは「ええ」とじっと彼女の顔を見た。彼女は「恩知らずね。優しくしてあげたのに」と。ミジョンは、母の葬儀で不謹慎なことをしていた二人を許せず、彼女をバッグで殴った。彼女も殴り返した。
3人は会社から別々に呼ばれた。二人はしらばっくれた。ミジョンは「正社員への審査の控えているのに困りましたね」と担当者から言われてしまった。
ミジョンは、クと一緒に行ったき中華のお店で一人食事をした。クが入って来ないかと、入り口を見ながら。
キジョンは、テフンを待つために久々に彼の家に行った。長姉とユリムがいた。姉は、キジョンのために惣菜とお肉(テフンから)を用意してくれていた。
キジョンは、ユリムに「不幸があったの。頑張りたくない、倒れたい。定期的にこうなるの」とビールを飲みながら言った。
ユリムは「大人も悲しんですか?ママがいなくなると」と涙を流した。キジョンも涙を流し「私がママになっちゃダメ?なってあげる」と聞いた。ユリムは何も言わずその場から離れた。
そこにテフンが帰ってきた。「結婚しましょ」とキジョンが泣きながら言うと「そうしましょう」とテフンは答えた。
ミジョンは、殴った示談金の為に、200万ウォンの融資を受け、そのメールをキジョンに見られてしまった。200万ウォンもないのか問い詰められ、昔の彼にお金を貸したことがバレた。キジョンは「バカ女」とミジョンの頭を殴り「なぜ家族に言わなかった」と責めた。ミジョンは泣き、チャンヒは、ミジョンが家族に絶対知られたくなかった気持ちがわかるとかばった。
チャンヒは、クに会いたくて、ロールス・ロイスが置いてあった駐車場で彼を待ったが、現れなかった。
ヒョナは、病院からチャンヒに電話。ヒョナの男に代わり「2人はこうなると思ってた。ヒョナは受ける(プロポーズを)そうだ」と言い、「納骨堂をメールで送った。お母さんも納めろ、俺も入る。君の母親と一緒なら、来たついでに会えるだろ。チャンヒ、俺は楽しい人間が必要だ。楽しくいてくれよ」と言った。
そのことばに心を動かされ、チャンヒは「おかげで生きられます」と言った。
チャンヒは、父に「僕たち家族はもっと仲良くなれる。でも車が必要だ」と車を買った。4人で海にドライブに行った。家族で海に来たのは初めてだった。
チャンヒは、一人海を眺める父に近づいて「父さんのそばにはまだ俺たち3人がいる。父さん、愛してるよ」と言った。
「俺がみんなを生かしてると思ってた。でも妻を亡くして気づいた。妻も子供たちもみんなが俺を生かしてくれてたんだ」
と、最後にジェホは言った。クは泣きそうな顔をして聞いていた。
父は、不自由そうに(左半身が不自由なのか?)紙切れにミジョンの電話番号を書いて、クに渡した。
縁台で紙を見てクは苦しそうな顔をした。ソウルに戻ってバーで飲みながら涙を流した。
クはミジョンに電話をした。二人は橋の上で会った。二人とも笑顔だった。
「ものすごく会いたかった。言うと真実みたいだ。会いたかった気がする。潰してひと飲みにしてやりたかった。あがめえるの上達しただろ」とクは笑って言った。
「あなたの名前は?」とミジョンは聞いた。
「ク・ジャンギョンと申します」とクは答えた。
感 想 と 予 想
14話は、お父さんが、クに、お母さんが亡くなってからのことを話すと言う形式で進められました。
お葬式の場面から始まり、、。
お母さんが、膝を伸ばして座っていた場面が前にもあって、膝が悪いんだろうと思っていたら、”人工関節”をつけていたんですね。
食事を、家族のみんなが代わりばんこで用意する場面に、お母さんの ”不在”の大きさが迫ってきます。
チャンヒとドゥファンとジョンフンの3人の男たちが、お母さんを悼みながら、ちょっと笑ったりもしながら、色々と話す場面は秀逸ですね。3人とも本当に優しくていい人たちで、、。
ドゥファンの歌が胸に迫りすぎて、、、涙が止まりませんでした。
キジョンさんとユリムちゃんは、それぞれの悲しさを共有したのでしょう。ママがいなくてずっと悲しんでいたユリムちゃんを、抱きしめてあげたいキジョンさんは思ったはずです。
「結婚しましょ」に、「そうしましょう」とすぐに答えたテフンさんは、ミジョンさんの悲しみを分かっていますね。
チャンヒ、すごくいい人で、お父さんを、そしてキジョンとミジョンのことも気遣っています。
家に乗用車がなかったのは、父が妹の借金の肩代わりをして、車を買うお金も、娯楽に使うお金もなく、家族でどこにも行けなかったのかなと想像しました。
チャンヒが「父さん、愛してるよ」と。生きている時に言っておかなくては、です。
お父さんは、体が不自由になっているようですが、もう工場の仕事をすることも無理なのでしょうか。
クは辛そうに聞いていました。
そして、やっとミジョンに電話。単語だけの短い会話、二人らしいです。
会った時、二人ともすごくいい笑顔でした。ハニカミの中に、うれしさが溢れていた。ミジョンの笑顔をやっと見ることができました。
後2話ですね。どんな”解放”が待っているのでしょうか。
第15話 あらすじ
再会したクとミジョンは、ソウルの街を歩いた。
クは、人が多いところは嫌いだと言い、俺たちは人嫌いなのか、自然の中が合っていると言った。
市場で、ミジョンのために運動靴を買い、手袋を買い、屋台で食事をした。
部下から電話。「日曜だぞ」と言うと、部下が「土曜日です」と。大事な仕事を忘れていたクに、ミジョンは「行って。そして戻ってきて」と言った。
クラブに戻ると揉め事が。とばっちりを受けたクは、女が持っていたガラスの破片で左の頬を切った。
クは頬の傷を気にしながら、ミジョンが待っている居酒屋に来た。
クを見て「1時間半で別人になって戻ってきた」とミジョンは言った。「いいことがあるとすぐに悪いことがある」と自虐的に言うクに、彼女は
「1日5分、ときめく時間を作るの。コンビニでドアを開けてあげ、お礼を言ってくれた学生に7秒ときめく、目覚めた時、土曜日だと気づいて10秒ときめく、そうやって5分間を埋める。私が生き残る方法よ」と言った。
「そうやって今も1歩1歩自分を歩かせるんだな」と面白そうにクは言って笑顔になった。
外に出ると雪が降っていた。クは、大雪の日に地球が止まったら、歩いてサンポ市まで行こうと考えたと話した。
ミジョンは「今日は借金をして逃げた男の結婚式だった。まだ借金が残ってるのに盛大な式を挙げた。写真には殺気だった顔で写り、祝儀を奪って帰るつもりで出席した。祝福する多数の中で、灰をまく”1”になってやると。写真と言われて立ち上がった瞬間に電話が鳴った(クから)。”この人は私が地獄に落ちるのを救ってくれたのね”」とミジョンは言った。
クの家に行くと、夥しい空の酒瓶が転がっていた。エアコンが壊れていて部屋は寒かった。お湯も出ない。二人はベッドに横になった。
「俺もクズだった?」とクが聞くと「今は違う。電話が来たから」とミジョンは言った。
チャンヒはコンビニのオーナーになっていた。
従業員が「前の職場で5日分の給料を払ってくれない」と文句を言うのに「本当に払えないのかも」とチャンヒは言い、別の事業をやってた時、お金の工面に行き詰まり絶望したことがあったと言った。その時、同期から電話でコンビニの経営をしないかと言われ、それがこの店だと話した。
テフンは、娘と姉二人と聖堂に行った。ユリムは派手な服装で濃い化粧をしている。
キジョンは来ていなかった。ユリムの卒業式に有休を取り行こうとしたら ”写真には入れない” と断られ気まずくなり、聖堂に来なかったのだ。
ミサの間、ギョンソンはずっと文句を言っていた。
「卒業式や入学式は家族の行事、交際相手なんか呼ばない」と。「結婚するんだから」と言う上の姉に「だったら結婚した後に来ればいいのよ。急にスマホを見て、用事が入っていたとふくっれ面して子供みたい」と怒っていた。
「人の顔色ばかりうかがわず結婚すれば」と濃い化粧のユリムはクールに言った。
ミジョンは前の会社を辞め、カードを発行する会社に勤めていた。
キジョンは、同級生2人と居酒屋に行き、また大きな声でグチっていた。
「無口なユリムを気の毒に思ってたのに、突然、グレで、怖くて、、。一緒に暮らす自信がない。ユリムが20歳になったら結婚しようと約束したけど、その時、私は50歳なのよ。50歳、、感情は残ってるのかな。ただ生きてるだけな気がする。動物みたいにモグモグと餌を食べてるだけ、、」
後ろの席に50代と思われる女性3人が飲んでいた。その内の一人が口を開いた。
「ただ生きてるだけ、もぐもぐと餌を食べてるだけの50歳の女が教えてあげる。30歳になればカッコ良く生きてると思った。違った。40歳になったら?50歳は?生きる意味が?死ぬしかないと思ったけど、50歳、同じよ。突然やってくるの。私は13歳の時にちょっと昼寝をして、今目覚めたみたい。80歳になった自分も今と変わらない」と。小さくなり聞くキジョン。
帰り、彼女は、夫を亡くした友達と歩いた。「寂しいけど気は楽。夫の親族と縁が切れた。今まで独身の友達を憐んでいたことを反省した。結婚しなくたっていいし十分幸せなのに。もう誰かに合わせる必要がなくなった。”1人で生きてもいいんだ”と」と言った。
キジョンは、コンビニで、”妊娠検査薬”を持っているところをユリムに見られた。「違うの、必ず毎月来るから、100%違うから」と焦って言った。
ユリムから聞いた上の姉は、テフンに「もし妊娠したなら、すぐにプロポーズしなさい」と電話。
テフンは、キジョンを夕食に誘った。帰るの車の中で、みかんを無限に頬張るキジョン。テフンはハラハラし「ゆっくり食べて」と。
「果物は口いっぱいに頬張りたいんです。特にあの日は果物が欲しくなる。生理前はイライラが止まらないけど、始まった途端に気が晴れて」とキジョンが言った。テフンはホッとして、
「よかった、僕はてっきり、、本当に良かった」と言ったが、後で「すみません、無神経なことを」と謝った。その場の空気が微妙になった。
チャンヒの店に同期が来て、「あれを完済するとは。俺にはできない。よく耐えたな」と言った。「死ぬ気で頑張った」とチャンヒは答えた。
クは、会長に呼び出され、アルコール依存症のセラピーを受けたらどうかと言われた。
クは、ミジョンを呼び出し
「アルバイトしないか。人の話はタダでは聞けない。まず10回。10回が終わって話すことが残ってたら、また10回」と、ミジョンにセラピーをお願いした。
クの家には、ミジョンが送ったストーブに火が入っていた。クは
「再会したことを後悔した。別れたままなら、どうしようもないヤツだと気づかれずに済んだ」と言い、突然「ヨム・ミジョン」と大きな声で彼女を呼び
「絶対に忘れるな。本気で好きだった。これから俺がどうなるか自分でも分からない。俺はお前が好きだった」と。
「ありがとう」とミジョンは素直に言った。
クは、もう一度「俺がどんなクソ野郎になっても、お前のことが好きだった」と言い「録音すれば良かった」と言うミジョンに「録音しろ、ヨム・ミジョン、俺は本当にお前が好きだった」と大きな声で言って録音した。
「延長してもまだ話すことが残っていたら、また10回延長しよう。話すことが尽きたら、終わりに。それで幕引きにしよう」と言うクに「いいわよ」とミジョンは言った。
キジョンは、自分で髪を切った。
チャンヒは、父に「昨日、完済した」と電話した。父は「よくやった」と褒めた。
チャンヒは、自転車で、丘の上に登って行った。
「俺に落ちぶれて欲しいんだろ。男に尽くすことで自分の価値を感じたいのに、俺がまともで苦しんだろ? コンビニを始めてやっと一息つけた。平凡に生きたい」と言って、ヒョナに別れを切り出したことを思い出していた。
「生きるのが辛くなったら訪ねてこい。まだ俺が独りなら受け入れてやる。休んで、また行きたくなったら行けばいい。ヒョナ、大丈夫だ。恨んでない。心からお前の幸せを願ってる。互いに、憎しみ合うことなく祝福し合って、終わりにしよう」と言った日、ヒョナは泣いて行ってしまったことも。
丘の上で、チャンヒは号泣した。山を見ながら、
「兄貴、俺は1ウォン硬貨じゃなく、あの山だったんだ。あの山に戻ろうと思う」
感 想
15話は、お母さんが亡くなってから、一体、何年後ぐらいなのでしょう。
クがミジョンが再会したのは、サンポ市から去って、数年経過していたのでしょうか?
驚いたのは、お父さんは再婚していたのですね。お世話をしている女性を、お父さんの妹さんだと勝手に思い込んでいました。
ミジョンは会社を変わっていて、生き生きと働いている様子です。
チャンヒは、何かの事業で多額の借金を抱えたけれども、今はコンビニのオーナーなり、その借金を完済したようでした。相当な苦労をしたようでした。
ミジョンは、「1日、5分ときめきを作る」と素敵なことを言って、クを喜ばせました。
クは、重度の”アルコール依存症”で、自分がこれからどうなっていくのだろう、と大きな不安を抱えていて、「ヨム・ミジョン、俺は本当にお前が好きだった」を何度も言いました!
10回ずつのセラピーは、終わらないのでは?クはミジョンにだけは、話ができるから。10回ずつがずっと続くのではないかな、と予想(期待)します。
この二人、都会で会うより、畑で働いたり、野良犬を見に行ったり、ススキの丘を登っていた時がほんとにしっくりしてた。本能で生きるミジョンとそれをあがめていたクに、もう一度会いたくなりました。
キジョンさん、ユリムちゃんの卒業式や入学式に行くかどうかは、まず、ユリムちゃんの意思を尊重することじゃないかと思います。
居酒屋での「50歳になったら」の件り、世の50歳以上の女性を全て敵に回したのでは(笑)?「シングルファーザー」の一件と同じで、人は簡単に変わらないということの証?
しかし、50歳の女性の返しが秀逸で、作家さんはこれを描きたくて、キジョンさんに暴言を吐かせたのかもしれませんね。
ご主人を亡くして独りになった友だちの話にも共感しました。
キジョンさん、テフンさんの車の中での無限みかんや、妊娠検査薬をずっと買っているのにも驚きで、相当面白いキャラです。
テフンさんとはどうなるでしょ?
チャンヒは、ヒョナと一時はつき合ったようですが、別れたようですね。
彼の中には、いろいろなものが渦巻いています。と書いたすぐ後で、どの登場人物の中にも、いろいろなものが渦巻いていますね。
チャンヒ、一番好きなキャラクターかも、すごく興味があります。
丘の上でなぜ号泣したのか?最後の言葉の意味は?彼の気持ちをもう少し考えてみたいです。
明日の最終回はどうなるのでしょう?
16話 あらすじ
チャンヒは、ギジョンが自分で切った髪を見て「髪で憂さ晴らしはやめろ。俺でもイヤだ。うるさい姉に反抗的な娘、短気な恋人まで」とため息をついた。「自由にできるのは髪だけでしょ」とキジョンは睨んだ。
テフンから「お父さんの誕生日にどうかと」とマッサージチェア写真が送られてきたが、キジョンは「秋夕に正月に誕生日まで、、誕生日はパスしてください」と返信。
ランチに同僚と行ったお店に、テフンも偶然、同僚と来ていた。彼は、キジョンの短い髪を見て驚いた。
ミジョンは、”解放クラブ”の仲間に会いに出かけた。部長、テフン、幸福センターの女性が店の前で待っていて、新年の挨拶を交わした。
部長が「同窓会で出版社の友人に解放クラブの話をしたら、4人の書いたものを見せて欲しい、本を出版したいと言われた。結成過程も含めて、読者に受けると目を輝かせて言うから、俺まで興奮した。”解放”という視点がいい。俺1人では決められないし、会って聞いてみると伝えた」と今日呼び出した理由を話した。
テフンが「僕はちょっと難しいかと。数ページしか書いていないし、個人的な話なので、、」と言うと、部長は「全員、ペンネームを使えばいい。俺はノートの半分しか書いてないが」と乗り気。
センターの女性は「私は2冊書きました。ずっと書き続けているので」と言い、ミジョンは「1冊で終わりました」と言った。
「”終わった”と言うことは達成したみたいだな」と部長が言った。
「そうじゃありません。でも本にするほどの内容かと?」とミジョンが言うと
「それぞれの目指す”解放”についても話した。”深みがある”と褒めてたよ」と部長は続け、みんなは笑顔に。
テフンが「始めては見たけど何も得てない気が」と言った。センターの女性が「そうは言い切れないのでは?何も得てないとは思えません。課長は本当に何も?」と訊いた。
「苦しさを生む原因がわかったこと以外には」とテフンは答えた。
「それがすべてな気がします。自分の問題点に気づくこと」とミジョンがいい、みんなは納得の様子。
帰り、センターの女性とミジョンは同じタクシーに。女性が
「ミジョンさんのことばが忘れられなかった。自分を解放すると決めて以来 ”自分を愛らしく思える”と。自分が愛らしいって、どんな感じかしら」と言った。
ミジョンはクの家に。
「手の震えが先かと思ったら、耳の方が壊れた」とク。彼は幻聴が聞こえるようになっていた。
「起きた直後から飲む。しらふでいるよりは楽。頭が冴えていると関わった人間が押し寄せてくる。死んだ人間も。起きた瞬間、そいつらが押し寄せてくる。全員を頭の中でぶっ潰す。飲めばこいつらは全員消える」とク。
「押し寄せてくる人間の中に私もいた?」とミジョンは訊いたが、クは何も言わない。
「私は酒飲みじゃないけど、今の話に共感できる。朝、歯を磨いている時から、イヤな奴がいる、チャン・チャンヒョクも。あいつは私にお金を返したらダメなの。あいつがどれほど最低の人間なのか証明し続けてやる。私は誰かの最低さを証明する存在として、自分を立たせてるから」とミジョン。
「最低なヤツと証明したかった人間の中に、俺もいたか?」今度はクが訊いた。
「あなたは私の中の聖域なの。あなただけは侵さないと決めたから。あなたとの関係は決意した上で始めた。”これ以上クズを増やすのはやめる” ”成功して去るのなら快く行かせてあげる” “どん底を這っても恥たりしない” ”同じ人間としてただ応援する”と。あなたを憎みそうになった時は心の中で祈ったわ。”風邪も引かないで” ”1日たりとも二日酔いに苦しまないで”と」ミジョンは言った。
「そう言われれば、一度も風邪を引いてない」とクはうれしそうに笑った。
キジョン、ヒャンヒ、ミジョンの3人は、父の誕生日にサンポ市に戻ってきた。ドンファンが満面の笑顔で迎えた。それぞれが、父に誕生日のプレゼントを渡した。
チャンヒは、ドゥファンとジョンフンに、豚肉を振る舞った。
「やっとお前たちに肉まで買えるようになった。全国のコンビニに焼きイモ機を置くと決め、倉庫いっぱいの品を見て、俺の人生はこうして報われるのかと思ってた。でもそれを手放した俺は本当に、カッコいい。店に置くのはやめて300台売った、残りの1700台はまだ倉庫に。テストに行けなかったんだ。ほぼ確定してたから、テストも形だけだし」とチャンヒが言うと、
「なぜ行かなかったんだ」とジョンフンが訊いた。チャンヒは口をつぐみ、ゆっくりと
「俺は何でも口に出してきたが、、、これは言いたくない。人としての重みと俺だけが知る俺の価値。口にすればその重みを失う気がするんだ。永遠に俺だけの秘密だ」
雪が降ってきた、3人の男たちの頭上に。「最高だ」とチャンヒは言った。
ソウルで、クも空を見上げて、雪を見ていた。
「今日は1秒もときめなかったが、最後に来たな。歩いていく」と歩き出した。風邪をひきますと言う部下に「俺はひかない」と笑って。
ミジョンは、実家で子供の頃の日記を読み、「私の解放日誌」を読んだ。
キジョンは、父の妻と並んで座って雪を見ていた。
翌朝、家族で食卓を囲んだ時、父が「独身でいいと思うなら、そうして生きろ。お前たちはそれでいい。父さんには力がない。お前たちは俺より立派だ」と言った。それを聞き、3人は涙ぐんだ。
チャンヒは丘に登って、ドンファンに ”リターン・トゥ・パラダイス”と言う映画の話をした。
そして、最後の場面、「”俺はここだ。俺を見ろ。ここにいるぞ”。俺でもその5分のために、刑務所へ入ると思った、たとえ友達でなくても」と彼は言った。
〔回想〕
焼きイモ機のテストの日、チャンヒはコンビニ店に着く前に、入院しているヒョナの男、ヒョスクを見舞った。
彼は危篤だった。ヒョナと彼の母に何度も連絡したが、通じない。コンビニの同期から「まだか?本社の人も来てる」と催促の電話があったが、ヒャンヒは「かけ直す」と切り、ヒョスクの側に座った。
「ヒョスクさん、不安にさせてごめん。俺といよう。そばにいる。これは俺の運命なんだ。祖父に祖母に母、みんな俺が看取った。看取るたびに”俺がいてよかった”と思ってた。なぜか今日も足が向いた。3人看取ったからわかるが、逝くときはすごく楽になる。みんなそういう顔をしてた。だから、怖がらず 安らかに逝って 気楽 に。ここにいるよ」
チャンヒはヒョスクの手を握っていた。
テフンとキジョン。
テフンは「解放クラブで、弱い僕から解放されたいと話したことを後悔しました。触れてはいけない部分だった気がして、、。キジョンさんは、その言葉を聞いて同情して引かれたから、どんな状況でも去れないのかなと」と話した。
「ええ、去れないし去りません。人の感情は、これは同情、尊敬、愛、と分けられる?私は無理です。あなたを尊敬する、同情もして愛してる」とキジョン。
「じゃあなぜ髪を切ったんですか?」テフンは訊いた。
「切っちゃダメなの? テフンさんに力を与える存在になりたかったのに、面倒な女を増やしただけの気がする。子供の視線1つで落ち込む弱い自分が恥ずかしいし、ギョンソンの暴言に、今更傷つく。あなたを愛しているから?それが私を萎縮させる理由? 愛は力を生むものでしょ。別れたら幸せになれるのかしら。でも別れるのを想像すると腕がしびれます。進むしかないのに、どう進むべきかわからない」
「僕は よちよち歩く子供の背中を見ると不安になります。あの子は30年後、何を背負って生きてるだろう、どんな屈辱に耐えながら生きてるだろう。僕だから耐えられたけど、あの子は、、、他の誰にも同じ思いはしてほしくない。僕は生まれてよかった?冷静に考えるとそう思えません。だから妊娠していないと知った時、思わず ”よかった” という言葉が。以上弁明です」とテフン。
「生まれた以上生きなければならないけど、私たちはどう生きれば、、、私は男になる。女4人は大変でしょう。今日から男になります。だから髪も切ったの」
キジョンが言うと、テフンは笑った、、、キジョンも泣き笑いした。
ミジョンは、チャン・チャンヒョクを見かけ、話しかけられた。「明日、100万ウォン振り込む。残りはもう少し待ってくれ」と言われた。
夜、クと会った。
空の三日月を見ながら「たまに、しらふでも頭の中が静かな時がある。まるで全てが止まったように」とクは言い、「幸せを感じそうになったら、いやいや違います、不幸です、だから罰は少なく、、と言うんだ」と笑いながら楽しそうに話すク、ミジョンも声を出して笑い「本当にかわいいわ」と。
愛おしそうに優しく笑ってミジョンを見るクに「毎朝やってくる人間にそうやって笑って。歓待するの」ミジョンは言った。
キジョンが、洗い物をしていると「キジョンさん」という声が。酔っ払ったテフンがアパートの下から彼女を呼び、卵パンと枝を1つくれた。
「これは、何です?」と枝を持ち外に出ると「僕の気持ちです」と行ってしまった。
階段の下に、赤いバラの花が落ちていた。首の折れた”バラ”を水としょうゆ皿に入れた。
「お皿に横たわるバラの花が、あなたであり 私のようで 見ていないと早く枯れそうで目が離せません、私はそういう女です。卵パンが好きというと冬でも3日ごとに買ってくれる男、そんなあなたを愛してます」と心の中でテフンに言った。
ヒャンヒは、生涯学習センターで開催されている”朝鮮時代の風景画で見るソウル”に行った。部屋に入ると机が並びたくさんの人が座っていた。講師が来て話し始めた。
「故人が安らかに美しく逝けて遺族が故人をしっかり見送れるよう一緒にいてあげる人こそ、皆さんの目指す、”葬礼指導士” です」と。部屋を間違えたことに気づき、出ようとした時「葬儀はその人の人生に終止符を打つための、イベントだと言えます」と聞こえ、チャンヒは椅子に座り直した。
部長が自分の日誌を読み返し、”解放クラブを再会しましょう、達成するまで”と会員にメールした。「いいですね」「賛成です」「賛成です」と全員から返信があった。
クが部下と一緒にクラブに来ると、借金取りが多数店に押しかけていた。会社の金を着服しギャンブルに明け暮れていた”社長”の借金を。クは店を閉め、彼らと殴り合い、金を奪い返そうとした。
激しい乱闘の隙に、借金を作った”社長”が、クたちが奪い返した金と今日持ってきた金の2つのバッグを持って逃げた。
クは家に戻り、電話に出ない”社長”に「朝目覚めた時、罵る人間たちの中に兄貴もいるが、歓待するから生きて会おう」とメッセージを残した。
服を着替え、クローゼットにしまっておいた現金をカバンに詰めて、家を出た。
エレベーターでかわいい女の子を見て7秒、ポケットから落ちた500ウォンコインが下水の枠の上に止まって数秒、きらめく瞬間。コインを拾って、買ったウイスキーを浮浪者の横に置き、歩いた、、、多分、ミジョンに向かって、、。
二人の声が聞こえる。
「解放日誌にこんな言葉があった。ヨム・ミジョンの人生は、”クさんと出会う前後に分けられる”」
「俺もだ」
「どうかしてる、自分がすごく愛らしく思えるの」
「1歩1歩 自分を追い立てて、、」
「心の中に愛しかないわ だから 愛しか感じない」とミジョンは言った。
感 想
16話、最終回、ほんとによかったです。
”解放クラブ”の4人が集まって会話する最初の方の場面から、最後まで、一言も逃したくないと思うほど、全てをここに書き写しておきたいと思うほどのセリフと、見ているだけで涙が流れてくるシーンがいっぱいでした。
- ミジョンが、クを 「あなたは私の聖域なの」と話す場面、「本当にかわいいわ」と言う場面。
- テフンとキジョンの会話「私が男になります」と言う泣き笑いの場面、花が落ちてしまったバラの枝を渡す、初めて見るちょっと酔ったテフン。バラをしょうゆ皿に置くキジョン。
- チャンヒがドンファンに、映画 ”リターン・トゥ・パラダイス”を語った後、ヒョナの男を看取る回想と、最後に彼が間違った部屋に入る憎いほどの流れ。
でも「口にすればその重みを失う気がするんだ」とチャンヒが言ってたように、心に刺さり感情を揺さぶられたセリフや場面に、あれこれ自分の解説を書けば、その重みが失われそうな気もします。
真夏のサンポ市の青々とした緑の木々や畑の農産物、熱帯夜の熱気を感じた初回から、最終回の春が近い冬のソウルまで、日常生活の中のなんでもないないシーンがたくさん心に残りました。そして食事のシーンも。
お母さんが毎日作るご飯、朝ごはん、農作業の昼ごはん、外の縁台で食べる夕ご飯、最高でした。幼なじみのドンファン、ジョンフンたちとのバーベキューや会話も愛しいばかり。
ミジョン、チャンヒ、キジョン、クさん、お父さん、お母さん、テフン、ドンファン、ジョンフン、ヒョナ、部長、幸福センターの女性、テフンの姉たちと娘、キジョンの会社の人たち、チャンヒの同期、ミジョンの後輩、キジョンの飲み女友だち、チャンヒが看取ったヒョスクさん、、、全ての登場人物に、愛を感じずにはいられません。
特に私は、チャンヒを演じたイ・ミンギさんが最高で、ドンファンが可愛らしくて仕方ないです。
チャンヒの ”ここにいるよ”
ミジョンの ”歓待するの”
この2つの短い言葉が深く心に刺さりました。
素晴らしい脚本と俳優さんたちとこのドラマを制作してくださった全ての皆様に感謝します。
少し時間をおいて、また1話からじっくりと観たいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント
最終話はハズレましたね
謎の「ク氏」が札束かかえて走って…。
何を意味してるのか?
盛り上げただけでドーンと落とされたような
言葉も出ない残念な終わり方でした
あと3話は必要でしたね
こやまきこ様
コメントありがとうございます。
最後、はっきり示されませんでしたね。
私は、「ク氏」はあの世界から抜け出したのだと思いました。(彼を連れ戻した”兄貴”が逃げたし)
そしてミジョンの元に行ったのだと、好きなように解釈しました。
これからもよろしくお願いします。